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王城決戦、誓約の書を破壊せよ

 王城の門の前に立った俺たちは、緊張感を漂わせながら一歩を踏み出した。


「ここからが本番だな……」


 アゼルが低くつぶやく。彼の案内によって、俺たちは王城の地下に通じる秘密の通路へと進んだ。


「王城の警備は厳重だが、この通路は長年使われていない。バレる可能性は低いはずだ。」


 俺たちはひそやかに進む。セリスはすでに魔力を高め、いつでも戦闘に入れるよう準備を整えていた。


「誓約の書は玉座の間の奥にある祭壇に安置されている。」


「……そこに辿り着くまでが問題ってことか。」


 アゼルが頷くと同時に、奥から足音が聞こえてきた。


「まずい、見張りか?」


 影の向こうから現れたのは、王国の騎士たち。だが、俺たちを見た途端、すぐに剣を構えることはなかった。


「カイ、セリス……ついに動いたんだな。」


「君は……!」


 驚くべきことに、現れたのはセリスの幼馴染であり、王国の騎士団副団長のルークだった。


「ルーク、なぜここに?」


「お前たちの動向はすでに察知されている。だが、俺はお前たちの味方だ。」


 俺たちは互いに顔を見合わせた。まさか王城内に、こちらに協力してくれる人間がいたとは。


「詳しくは後だ。今は急ごう。」




 王城の地下を進む俺たちだったが、途中で不運にも拷問室の前を通ることになった。すると、セリスが突然俺の腕をつかんだ。


「……カイ、ここでちょっと試したいことがあるの。」


「え?」


 その瞬間、セリスは俺を押し倒し、拷問台に縛りつけ始めた。


「お、おい!? 何してんの!?」


「だって……カイが好きだから。」


「えっ、いや、そういう流れじゃないだろ!? なんで俺拷問台に!?」


 セリスはにっこり微笑みながら、棚から謎の道具を取り出した。


「ほら、この王国の伝統……愛を証明するには痛みを伴わないと!」


「おい待て! それフォーク!? いや、フォークって何!? どうやって使うつもり!?」


「この間、料理で使った時に思ったの。これ、ちょっと肌に押しつけるとくすぐったいし、でも痛くもあるし……」


「ストップ!! それ拷問というか、ただの悪戯!!」


 俺が必死に抵抗していると、ルークが呆れ顔で剣を抜いた。


「セリス、お前、今はそんなことしてる場合じゃないだろ。」


「えー……でもカイが……」


「俺を理由にすんな!!」


 ルークが一瞬で縄を斬り、俺はようやく解放された。変な汗をかいた俺を見て、アゼルは肩をすくめた。


「……そろそろ先に進もうか。」


「……絶対あとで話し合いが必要だ。」




 ルークの協力もあり、俺たちは玉座の間へと向かうことができた。しかし、そこに待ち受けていたのは、王の親衛隊だった。


「ここを通すわけにはいかん!」


「……やるしかないな。」


 俺は剣を抜き、セリスは魔法の詠唱を開始した。正面突破は難しい。しかし、ルークが小声で作戦を指示する。


「カイ、お前は正面から引きつけろ。セリス、上からの攻撃を頼む。」


 俺は即座に動き、騎士たちの注意を引きつける。セリスがそれに合わせて火炎魔法を放ち、騎士たちを怯ませた。


「今だ!」


 俺は一気に前に出て、敵の剣を弾き飛ばした。


「こいつで決める!」


 渾身の一撃を放ち、敵の隊長を倒す。道が開けた。


「行くぞ!」




 玉座の間に足を踏み入れると、そこには国王が待ち構えていた。


「……来たか。」


 王は冷たい視線で俺たちを見つめる。


「父上……!」


 セリスの声が震える。


「誓約の書を破壊しに来たか。それが何を意味するか、理解しているのか?」


「私たちは偽りの歴史を終わらせるために来た!」


 王は静かに立ち上がり、剣を抜いた。


「ならば、力で証明してみせろ。」


 王と俺たちの最終決戦が始まる——!

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