王妃教育は厳しい!?
次の日…。
記念すべき王妃教育1日目。
地獄なのだろうか?
現王妃も前王妃も気が遠くなると言っていた。
特に前王妃は厳しすぎて毎日枕を濡らしていたとか……。
カツカツカツカツ…。
高いヒールを殴るように歩いてくる足音がする。
ガチャ…
まさかのここの部屋に用が…?
「リリア様、ご機嫌麗しゅう。今日から王妃教育担当になりました、テレシアと申します。お披露目会まで長くお付き合い下さいませ。」
流石、王妃教育担当の女性。
動きがお淑やかで、ゆったりしている。
お手本となる行動を、この時点で取っている。
とても参考になると、リリアは思った。
「本日の教育ですが、先ずはこの国の歴史から学んで下さい。リリア様は、かの有名な発明家でもあるジョシュア殿下のお孫様。それはそれはジョシュア殿下はこの国を語る上では無くてはならない存在なのです。まさかこの様な形でお会いできるとは…王妃教育担当をかって出て良かったですわ。」
とテレシアは感無量!
有りとあらゆる感情が爆発している。
ここまできたら、ジョシュアのファンか何かに違いない。
「テレシア様、私の祖父の事を尊敬して下さり、ありがとうございます。祖父も後世で語り継がれて喜んでいると思います。是非、この国の歴史をご教授下さい。」
「まぁ!やる気十分ですわね!先ずはこの国の建国ですが、フェリカ暦元年・初代国王のジョン陛下がこの国を創設されました。元々フェリカ王国は荒れ果てた土地であり、何も育たない不毛の地。どうにかならないものかと試行錯誤をなさっていたのです。」
テレシアが順番に説明や解説をする。
フェリカ王国は荒れ果てた不毛の地だったらしい。
今はとても緑溢れる豊かな土地になっている。
先人たちの努力の結晶だ。
「フェリカ王国はそんなに荒れ果てていたのですか?」
リリアはテレシアに疑問に思う事を尋ねる。
「そうだね〜。ここ一帯は枯れ木ばかりという話だよ〜!」
そう言ってジョンヨンはリリアの部屋に入ってきた。
いや?なぜここにいるのか?
「ジョンヨン殿下、お初にお目にかかります。この度王妃教育担当になったテレシアと申します。」
テレシアは再度挨拶をする。
挨拶は淑女にとって必要不可欠。
挨拶が全てといっても過言ではない。
「真面目そうな女性で安心しましたよ。リリアを不当な扱いはしなさそうだ。明日から、僕もこの教育を一緒に受ける事になったので、テレシアよろしくね〜!」
「こちらこそ光栄でございます。」
テレシアは、国民に超絶人気のジョンヨンに話しかけられてとても嬉しそうだ。
「本当に明日から私と一緒に受けるの?国王陛下はよく承諾したわね。」
「そこは、ちょっと弱みをね〜!お兄様は学院に通うみたいだし、比べられたくないしなぁ。兄の方が不出来なんて話も聞きたくないから、婚約者お披露目会まで同じ教育を受けるよ。僕も淑女になったりしてね〜!」
ジョンヨンはクスクス笑う。
孤独に王妃教育を受けるリリアが寂しくならないように、そう計らってくれたのだ。
厳しそうだが、これからの勉学が楽しみでもあるリリアだった。