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没落皇子と異世界の姫  作者: 九条ましろ
第一章 祖父の形見のペンダント
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束の間の安らぎ

次の日、早速ジョンヨン殿下とのお茶会を開催。

嫌なことは甘いものを食べて忘れよう!

がコンセプトになっている。

嫌なことは言わずもがな。


リリアはお茶会で食すスイーツを作る事にした。

お互いの好きなスイーツをリクエストして食べよう!

と約束したからだ。

厨房でパティシエさんには承諾済み。

アイコンタクトで彼らは厨房を離れた。


「私がジョンヨンに美味しいスイーツを作って、驚かせましょう!」


リリアはやる気十分!気合い十分!

でスイーツ作りに取り掛かった。

ジョンヨンの好きなお菓子は、フルーツタルトだ。

リリアの好きなお菓子はスポンジケーキ。

フルーツを沢山用意してもらったので、スポンジケーキもフルーツたっぷりにしようと決めた。

そして、手際よく作り、お茶会の時間になった。


「ジョンヨン、喜んでくれるかな?」


リリアは浮き足立つ気持ちで、ご機嫌にスキップしている。

温室に到着!

ジョンヨンは先に待っていた。

もちろん、メイドさん達や庭師のジャディさんも。


「皆さん、お待たせ致しました!リリア特製フルーツたっぷりのケーキとタルトです!どうぞお召し上がり下さい。」


そう言いながら、ケーキとタルトを配っていく。

周りはポカーンとしている。

リリアがお菓子を作るとは誰も思わなかった。


「リリアはまだ子どもなのに、こんなに美味しそうなお菓子を作れるなんて、素晴らしいね!僕の好きなスイーツも覚えててくれて嬉しいよ!いただきます。」


ジョンヨンはリリアの作ったタルトを一口食べた。


「うーん!とっても美味しいよ!気持ちがたくさん込められているから、とっても美味しいんだね!」


「良かった!1番の自信作だよ。」


メイドさん達やジャディさんも美味しい!

とケーキやタルトに舌鼓を打つ。

何でもない平和な時間が愛おしい。

ここで本題に移る。


「皆さん、私リリアは正式に第1王子のジョナサンと婚約を致しました。明日から、王妃教育が始まります。もうこのような時間を取ることが難しいと思われます。本当に親切にしてくださりありがとうございます。もし見かけたらお声がけ下さいね!王妃教育を受けるため、婚約者お披露目会までの間、王城から出ることも学院に通うことも出来ません。外のお話聞かせてくださいね。」


今日で自由な時間は終わる。

王妃教育は厳しいもので、前王妃も10年間耐えたとか…。


メイドやジャディさんは

ぜひお声がけ致します!

美味しい城下町のお菓子を差し入れしますね!

私も城下町の美味しい料理差し入れします!

わしは育てたお花をお部屋に差し入れします。

などなど、皆さん差し入れをする気満々だ。


「僕は、リリアと一緒に教育を受けるよ!父上に頼んでみる。リリア1人だと心細いよね。勉強は何処でも出来るから。」


ジョンヨンはそう言って、国王に直談判しに行った。


「ジョンヨン殿下が婚約者なら良かったですのにね…兄に横取りされちゃって…。」


「ジョンヨン殿下は健気で応援したくなるお方…次期国王の座に相応しい事は、国王陛下も認めてるという話ですよ。」


メイド達はあまりにもジョンヨンが気の毒過ぎて、王城の全メイド・執事がジョンヨン派と言っても過言ではない。

それだけジョンヨンは物腰柔らかく、心優しい人間なのだ。


ジョンヨンは戻ってこず、お茶会はお開きとなったのである。

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