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没落皇子と異世界の姫  作者: 九条ましろ
第三章 シャルル王国滞在
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シャルル王国のギルド

ガチャ…と開けたのはいいが、とても広い。

受付まで時間がかかりそうだ。


「あの…ここに数日前、茶髪で目が青い男性がきたという話を聞いたのですが…。」

リリアは恐る恐る受付の女性に尋ねる。


「はい、確かにいらっしゃいましたが、どのようなご関係ですか?」

仕事の為、定型文を並べる受付の女性。


「私が探している家族かもしれなくて、もう長い事探しているのですが中々見つからず。」


「承知いたしました。少々お待ちください。」


と資料のある部屋へ入って行った。

怪しまれないか心配だったが、杞憂みたいだ。

本当にリリシア殿下なのか?

期待が膨らむが。


「お待たせいたしました。この方です。」


その資料を2人で覗き込んでみると…。


名前 リーシュ・リッヒ

と記載されていた。

名前は間違いなく偽名だろうか?


「リリア、リリシア殿下の本名は?」


「リリシア・ミズリー・シューリッヒです。」


「かなり怪しいな?見た目も髪の毛だけ染めて、偽名の可能性も十分あり得る。本人も見つかると危険なんだな。」


「そうですね。見つかったら悪事に利用される…それだけシューリッヒ皇国は技術を流出させたくないという事でしょうから。」


「あの、その方はいつ頃お戻りになられますか?」

シャルディが前のめりになって尋ねた。


「リーシュさんが戻られるのは、1年後くらいかと思います。依頼が、1年という期限なのです。」


「どんな依頼ですか?」


今度はリリアは前のめりになった。


「それは…ドラゴンを倒しに行くというクエストで、期限が1年なのです。毎年この時期にドラゴンが出るので、強い人を探しているのですよ。」


「そうなのですね。でドラゴンが出るのはどちらですか?」


「シャルル王国の北に位置する、ルイル共和国です。」


「ルイル共和国!?ドラゴンで有名な!?」


またまたシャルディが前のめりに聞いた。

リリアとシャルディは意外と気が合うのかもしれない。


「はい、寒い上にドラゴン100匹というクエストですからね。1年で達成出来るかどうか…。」


「情報ありがとうございます。探してみようと思います。」


リリアは冷静になった。

ルイル共和国…フェリカ王国とは仲良くない。

シャルル王国とは隣接しているからか、友好国になっているが、恐ろしい国で間違いない。

せっかく情報を手に入れたのに、よりによってルイル共和国とは…。

リリアは頭を抱えた。

この件は、フェリカ王国にいるジョンヨンにも伝えないといけない。

ギルド紹介所を出てから、リリアは無言だった。


「有力な情報があって良かったけど、フェリカ王国とルイル共和国は仲良くない方だよね。」


「そうなの。私の婚約を巡って対立したからみたい。その時はもうジョナサンと婚約していたから断ったんだけど、ルイル共和国の第1王子が私に会わせろとゴネてたとか。」


「すごい話だね…。君は魔性の女なのかな。ルイル共和国の第1王子って…アイツか。」


「ご存知ですか?私は一切知らないので。」


「各国の第1王子同士で月に1回会合があるんだよ。まぁ…フェリカ王国は適切な人材を派遣してたけどね。」


どうやら、フェリカ王国代表は第2王子のジョンヨンだったという事だ。

国王も先見の明があったのだろうか?

結果的に間違えでは無かった。

フェリカ王国の国王も胸を撫で下ろしている事だろう。


「一先ずリリシア殿下らしき情報が入ったな。また国を跨ぐし、リリア王女は一度フェリカ王国に戻って報告をした方がいいね。」


「そうですね。シーナと約束したお祭りがあるので、それが終わってから、フェリカ王国に戻ろうと思います。」


「うんうん、お祭り楽しんで行ってよ!」


盛り上がっていると、ポタポタと生ぬるい液体が2人の拳をすり抜けていく。

そう、さっき買ったいちごのアイスだ。

この暑さ、溶けないわけがない。


「アイスの存在を忘れていたね。」


「奇遇ですね。私も忘れていましたよ。」

2人は引き攣った笑顔で言った。

リリシア殿下の情報で手一杯だからだ。


「ここら辺で、座って食べるところありますか?」


「それなら、近くにいい公園があるんだ。そこに行こうか。」

さぁ、お手をどうぞと手を差し伸べている。

リリアも手を掴んで、軽い足取りで公園に入った。

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