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没落皇子と異世界の姫  作者: 九条ましろ
第二章 婚約破棄は…しない!
12/19

婚約お披露目会は波乱です!

そして、特にジョナサン殿下とライラ嬢からの謝罪もないままXデーがやってきた。

この婚約お披露目会は婚約だけではなく、その場で婚姻に署名する儀式も兼ねている。

なので、婚約お披露目会まではお互いに会ってはいけないという謎のしきたりを守っている。

そんな事をしていたら、お互いに相手を忘れ去りそうだし、何の感情も沸かないと思う。


「いよいよ、この日を迎えたわ。長かった王妃教育から解放されるのね!」


国外追放されるのか、処刑は何もしていないのでされないとは思うが…。

ジョナサンは美女に目がないのか?

ジョンヨンの話によると、同級生に美女はライラくらいしかいないとか。

今となってはどうでもいい事なのだけれど。


「お着替えのドレスをお持ち致しました。」


とメイド達がゾロゾロ部屋に入ってくる。


「このドレスは私達が発注して、ジョンヨン殿下がお支払いして下さりました。本来なら、ご婚約相手であるジョナサン殿下がお揃いのデザインにするのですが、それが出来ませんでしたので…。」


つまり、ジョナサンはライラと衣装合わせをしたという事になる。

婚約破棄する気満々といったところか。

ここまでされたら、黙っている訳にはいかない。

リリアは用意されたドレスに着替えて、決意を新たにした。


–お披露目会の大広間にて−

招待客達が、今か今かとソワソワしている。

商談の場でもあるので、複数の客室を開放しているようだ。


パパパパーン♪

パパパパーン♪

パパパパパパンッ♪


お決まりのラッパ(トランペット等)の演奏が王族入場の合図である。

リリアのエスコートする人が別の人をエスコートしているので、ジョンヨン殿下にしてもらう事に。

ドレスもジョンヨンやリリアの瞳に合わせて、アクアマリン色の薄い水色のドレスに、色々なサファイアを使った装飾品を着飾って入場する。

緊張なのか、恐怖なのか、リリアはとても震えていて、ジョンヨンはあの日のように大丈夫!と手を握っていてくれた。

とても心強いな…とリリアは安心するのであった。


「今宵は、ジョナサンとリリアの婚約お披露目会にお集まり頂きありがとうございます。皆、ごゆるりとお過ごし下さい。こちらが我が3番目のおじの孫のリリアでございます。大変美しく、長らく王城に閉じこもって教育させていました。皆、良くして下さい。」


国王陛下から紹介がされ、皆がリリアに注目する。


「初めましての方も、そうではない方も、お見知りおき下さいますよう、お願い申し上げます。」


リリアは深々と頭を下げた。


なんてお美しいお方…。

ジョナサン殿下と並んでも遜色ありませんわ。

我々も王族なら、彼女を婚約者に出来たのかな?


皆が拍手喝采の中、ただ1人だけリリアを睨んでいる女性がいる…。

そう、ライラだ。

ライラのドレスは、ジョナサンの瞳と同じ、薄いピンクの生地に金色の刺繍が入った、最高級のドレスだ。

宝石もダイヤモンドがふんだんに使われていて、とても豪華だ。

そんな彼女は、誰からも見向きもされていない。

衣装負けしているという事なのだろうか?

ジョナサン殿下も、薄いピンクの生地に金色の刺繍が入っている。タイピンとカフスはダイヤモンドだ。


「ジョナサン!そこにいないで、リリアの隣にこんか!誰の為の婚約お披露目会なのじゃ?」


今すぐ来い!と言わんばかりの形相。

ジョナサンは学友達に挨拶を済ませて、リリアの所に飛んできた。


「お久しぶりでございます。ジョナサン殿下。」


挨拶と同時に微笑して見せた。

ジョナサンはポッと顔を赤らめた。


「あぁ…あれ以来お会いしていないからな。しきたりなのだから仕方がないとはいえ、文通でもしておけば良かったなぁ。」


会えないのなら、そういう手段を王妃や元王妃も取っていたというか、国王たちの方から送ってきたと言っても過言ではないか。


「まぁ、お気になさらず。お陰様で、お互いに勉学に打ち込む事が出来ましたよね!私も色々な事を学べて良かったと思っています。それに今回はジョンヨンも一緒に教育を受けましたので、寂しくありませんでしたよ?」


また微笑して見せた。

ジョンヨンのお陰で、孤独にならずに済んだのは本当だからだ。


だから、アイツは学院に通わなかったんだな。

本当にアイツもリリアの事を…?

ジョナサンは心の中で疑問に思った。


「お互いに勉学に励めたのは、この国の未来にとっては国益ですね。よりよい国にして行きましょう!」


その話を聞いていたライラは焦った。

婚約破棄すると息巻いていたからだ。

せっかく婚約破棄に合わせて、衣装もお揃いにしたのに…。

我慢出来ずに、2人の間に入った。


「ジョナサン殿下!早く仰って下さい!私と殿下は愛し合っているのではありませんか!?」


周りはざわつき始める。

ジョナサン殿下はあの方と?

いくら婚約成立から会っていないとはいえ酷い…。

ライラ様との話本当だったんだ?

学院の皆んな全員知ってたよね。

彼女…ジョナサン殿下の子身籠っているとか。

よく見たら、ドレスとモーニングも同じ生地だよね。


「あぁ…そうだな。このジョナサン、リリアとの婚約をは…は…は破棄しない!!!!!!!」


そう言って、大広間を駆け抜けて外に出て行ってしまった。

ライラも気まずくなったので、ジョナサン殿下ー!と後を駆け足で追いかけた。

招待客は皆開いた口が塞がらない。


「大変お見苦しい所を見せました。今日はここでお開きとさせて頂きます。」


国王陛下の一言でお開きとなったのであった…。

リリアにとっては長い夜だった。

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