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さつまいもバトル

作者: 虹凛ラノレア


 「わー!大量のさつまいもだー!」


 4人の女性は大きな段ボールの中に入っている大量のさつまいもを見つめる。


 「さつまいもっていったらやっぱり焼き芋でしょ!」


 1人の女性が声を出すと他の3人はブンブンと首を振る。


 「なーに言ってんの!さつまいもつったらやっぱりスイートポテト!柔らかくなったさつまいもを潰してバター、生クリーム、砂糖を混ぜてオーブンで焼く…。あの滑らかな食感…これしか無い!」


 スイートポテト推しの女性は話終えると、両手を合わせウットリした顔をする。しかし、他の2人は首を横に振り続ける。


 「イヤイヤ…。さつまいもって言ったら天ぷら一択でしょ!あのカリっとした衣に少量の塩…ホクホクなほのかな甘みとしょっぱさの調合!さつまいもの天ぷらさいこー!」


 さつまいもの天ぷら推しはヨダレを垂らしながら想像する。しかし、残りの1人は首を横に振り納得していない顔をする。


 「ふんっ。分かって無いな~…。さつまいもったら大学芋よ!さつまいもをカットして揚げる…。そして、カリっとしたさつまいもを甘じょっぱいソースを絡めて最後には黒ゴマをあえる!これこそ日本のスイーツ!!」


 全員、さつまいも料理を言い終えるがスイートポテト推し、さつまいもの天ぷら推し、大学芋推しの3人は納得いかず睨み続ける。


 「はぁ~~?さつまいもの天ぷらなんて某うどん屋いけばすぐ買えるでしょ?大学芋だってスーパーの総菜コーナーで買えるし~?スイートポテトは手作りだからこそ美味しくできるのよ!」


 さつまいもの天ぷら推しと大学芋推しは睨みつける。


 「イヤイヤ!さつまいもの天ぷらは家で作ってるからこそサクサクでアツアツな出来立てが食べられるんだよー?スイートポテトこそ手間があるんだし、それこそ店で買った方が手軽なんじゃない?大学芋については…まぁ、正論ね」


 大学芋推しはギロリとさつまいも天ぷら推しを睨む。


 「大学芋こそ家で作った方がカリカリの揚げたてのうちに甘じょっぱいソースに絡められるんだよ?カリカリ、アツアツ、ホクホクでさいこー!そもそも天ぷらって衣の調合と揚げるタイミングが難しいし買った方が妥協じゃない?安いし。スイートポテトなんて更に手間は掛かるし食材の分量とか間違えたら時間の無駄じゃん!」


 3人は互いに見つめ合うと雷がバチバチと放つ勢いで睨みつける。


 「ねぇ!焼き芋推し!あんたさっきから黙ってるけど!」


 「あんたもなんだかんだで天ぷらでしょ!」


 「イヤイヤ、焼き芋推しはホクホク感が好きなんだから大学芋でしょ!」


 オーブンの音がチーンと鳴り、焼き芋推し扉を開けアルミホイルで包んだ物を皿の上に置くとテーブルの上へ運ぶ。


 「あれ…。なんだかいい匂い…」


 「ま、まさか…!」


 「そうか…。そっちか…」


 焼き芋推しは椅子に座るとアルミホイルを剥がす。そして、出てきたのは…。


 「ん~!この匂いたまらないー!やっぱり焼き芋は手軽で作れるし、ホクホクで美味しいよね~!」


 脳内で4品を言い争った結果…。女性が行動を起こし勝利した品は『焼き芋』だった。

秋といったらやはり焼き芋~!

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― 新着の感想 ―
[良い点] な、何て熱いバトルなんでしょう! オチに「確かに食べたい」と納得してしまいました(笑)。 [一言] ※「小説を読もう!」の「短編小説」欄から、タイトルに惹かれてやってまいりました。 美味…
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