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二部 その1

二部



街角のテラスに見慣れた後姿を見かけて、声をかける気になった。

「ちょっとそこのかわいいお嬢さん、俺とお茶しませんか?」

つばの広い帽子を被った頭がくるりとこちらを向く。声で分かったのかにこにこしている。

「よっ」

大きな白い帽子とレースの詰まった高い襟、肘まで覆う手袋でいつもより凝った装いだ。向かいのロイも髪を撫でつけいつもよりめかしこんでいた。

ティナの前にはすでにお茶とケーキの小皿が運ばれている。

「なにお前らデート?」

分かってんなら散れ、と言わんばかりにロイの手が振られる。構わず隣に腰掛けた。ティナは余程機嫌がいいのかニコニコしている。背も伸びすっかり娘らしくなって、拾われたころのやせっぽっちで小さかった面影はどこにもない。

目の前に運ばれてきた紅茶カップを遠慮なく取り上げ、ずずずっと啜った。

向かいのロイがしかめっ面をしてみせた。いい気味だ。

こいつらが時々こういうお遊びをしているのを見掛けるようになっていた。

(ったく、どういうつもりなんだか)


この間、たまたま二人を見かけた。

買い物を終えたのか、ちょうどロイがティナの荷物を持とうとしているところだった。既にロイの肩には二、三の紙袋が担がれていたが、さらにティナの手にある袋を受け取って肩に引っ掛ける。

ティナがちょいちょいとロイを呼ぶ仕草をする。ロイが身を屈めると二人の片頬が重なって顔が離れ、満更でもなさそうに微笑むロイ。

まるでままごとのような関係が繰り広げられていた。ここで気を揉んでいる男がいるとも知らずに。



練習だよ、れんしゅう。

好きな男ができたときに、淑女らしく振舞えるように。

いつまでもオレにくっついている訳にはいかねえだろ?


酒の席でそれとなく矛先を向けてみればそう、うそぶいていたが・・・。


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