学校 2
夏も終わり秋も深まった頃。
ちょうど麦の刈り入れが終わった頃にまー君が引っ越すことになった。
親戚がやっているもっと大きな麦畑を一緒にやることになったらしい。
みなさん寂しくなりますが、最後まで仲良くうんぬんという先生の話を聞きながら、ティナは内心ちょっぴりホっとしていた。まー君にいじめられない明るい未来が見えた気がした。
帰り道もいつもよりちょっとだけ足取りが軽かったような・・・
町の買い物から戻ったところ、見慣れない子供の後ろ姿が庭先の茂みから覗いていたので声をかけた。
「お?何してんだ?」
いかにもまずいとこを見つかったという顔で振り向いたのは、うちの子をいじめてくれたいつぞやのまー君である。そういえば引っ越すというようなことを最近聞いたような・・・。
「引っ越すんだって?お別れを言いに来てくれたのかな?ティナ呼んでくるわ」
まー君はそれはもう学校で終わったというようなことをぼそぼそと口の中で喋った。
「えと?じゃあ何かな?」
答えを待ってみるが突っ立って明後日の方向を向いている。
「家に用があって来たんじゃないの?」
「っっっいいだろ別に!」
放っておいてくれと言わんばかりの態度である。待っていても埒が空かない。この腕に抱えた小麦粉の袋も早く降ろしてしまいたい。
「・・・気になって声かけたいのはわかるけど、お前、女の子にモテたいんだろ?女には優しくするもんだぜ?」
呆気にとられて見上げてくるまー君。
「オレが教えてやってもいいけど?」
ポカンとしていたが、やがてわなわなわなと震えだしダっと走り出した。数歩走ってはっと急に立ち止まり、振り返って真っ赤になって言い放った。
「お前よりでかくなっていっぱい稼ぐ男になってやるからな!!!」
叫んでダっと走って行った。
ま、根性くらいはありそうかな。




