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朧木探偵社  作者: 神島世判
朧木良介と見る霞町
57/228

捜索

 翌日。朧木は町田にいた。同行しているのはロングソードを布で包んで隠し持つ魔紗だった。


「ここに本当にオカルトドラッグの売人がいるわけ?」


 魔紗は朧木の話に懐疑的だった。


「いるさ。身近にいる者から聞いた。通りから少し入り組んだ場所を彷徨いてみよう」


 朧木は魔紗と大通りから一つ横手に延びる道に入った。


「他に情報は? 何か目印とか合言葉などあったりしない?」

「とあるビルの一角にたむろしている連中がいるらしい。口元を押さえながら立っていると良いらしい。それがこの辺りだ」


 ビルが並ぶやや細い道。人通りはそれなりに多く、誰が売人かなどはわかりはしない。


「じゃあ私が囮になるから、あんたは式神で周囲を監視してなさいよ」


 朧木は困った顔をした。


「実は通り魔事件で大量に召喚符を消費してしまって、あまり贅沢に使えないんだよ。今日も二枚しかない」

「あれって消耗品なんだ? 紙ならなんでも良いのかと思った」

「すぐには用意できない代物でね。大量召喚は難しいんだ」


 魔紗は布で包んだロングソードを持ち直す。


「仕方ないわね。とりあえず行ってくるから、周囲の様子を観察していてよ」

「わかった」


 魔紗は十字路の角に立って、あたかも何かを探しているそぶりを見せる。。



 しばらくして……。

 一人のスキンヘッドが近づいてきた。魔紗は内心、「キタ!」と思って身を硬直させた。


「お嬢さん。マリファナかい?」


 スキンヘッドの男はそう魔紗に話しかけて来る。

 だが望んでいたものではなかった。


「えっ、それじゃない。前世を知る薬の方」


 魔紗はそう返事をした。

 スキンヘッドの男はスマホを取り出して何処かへ電話をかけている。

 数分後にスキンヘッドの男は電話を切った。


「それならそこの雑居ビルの6階を目指しな。行けばわかる」


 スキンヘッドの男はとある建物を指差した。

 魔紗はちらりと朧木を見たあとにビルを目指した。彼女はそのまま建物に入っていく。

 朧木は二分遅れで後を追おうとした。彼が雑居ビルに入ろうとしたところ…1階のロビーに女が立っていた。


「おにいさん。こんな所になんの用?」


 女が朧木にしだれかかってきた。黒髪のロングヘアーの女だった。


「ちょっと知り合いがね。通してくれないか?」


 朧木が押し通ろうとしたが、女はその手を取って抱き寄せるように近づいてきた。


「私と少し遊んで行かない? 退屈はさせないよ」


 朧木は女の手を振り払おうとした。しかし、女は腕にしなだれかかったまま離れない。朧木は魔紗を見失ってしまった。魔紗が何階を目指したのかわからなかった。


「客引きかい? ビジネスでなら遠慮願うよ。プライベートなら連絡先を交換したいくらいだね」


 女は笑った。


「もちろん仕事さ。あんたもそうだろう?」


 朧木の顔が強張る。


「なんのことかな……」

「さっきの女もあんたの仲間かい。丁重にもてなしてあげようじゃないか」


 朧木は女の腕を強引に払った。


「なんの仕事をしているのか、聞かせてもらおうか」


 朧木は身構えた。

 人の居ない雑居ビルの1階。通行人からも見えない死角。


「ここでは邪魔が入る。8階だ。ついてきな! 逃げようとしない事ね。先に行った女が心配ならば」


 女はエレベーターに乗って先に上がっていった。

 分断。魔紗と朧木は分断させられる。

 朧木はスマホで魔紗に連絡できないか試みるが、応答は無かった。


「あちらも取り込み中か。やれやれ。お目当ての場所だったようだな」


 このまま8階を目指しても罠をはられているだろう。しかし、このまま引き下がれる状況でも無かった。

 朧木はエレベーターで8階を目指す。彼が降りた先には一つのテナントだけが入る貸し切りフロアだった。


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