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朧木探偵社  作者: 神島世判
朧木良介と見る霞町
32/228

成敗

 フェイ・ユーが朧木に背中に破軍を突きつけられながら夜の街中を歩いている。


「ここネ。暴力団関係者がノミ行為の違法賭博をしている賭場ネ。やつらはいつもここにたむろしているネ。今もおそらくいるはずヨ」


 朧木が無言でドアを蹴り開けた。

 中に居たのはガラの悪そうな男が数人。その男達が建物に入ってきた朧木を見るやいなや血相を変える。


「お前は朧木良介!」


 朧木はそう叫んだ男をにらみつける。


「僕を知っているか。なら話は早い。うちの従業員を返して貰おう」


 朧木がすらりと破軍を抜いた。刃物を抜き放った朧木を見て、他の男達も一斉に動き出す。

 一人の男が懐から拳銃を抜き放った。


「お前、こんな真似してただで済むと思うなよ!」


 男はそう叫びながら朧木に発砲する。朧木はドアを盾に身を伏せて弾丸を避けた。


「ソレはこちらの台詞だ! 月魂刃!」


 朧木の手から放たれた三日月は男の拳銃を真っ二つに切り裂いた。


「お、ソレ道術ネ。朧木サン、中々の使い手カ。さて、私も手伝っておくとするネ」


 フェイ・ユーは室内に飛び込むと、カンフーであっという間に二人の男を打ちのめした。


「おっと、言い忘れていた。私、拳法の達人ネ。術を使わずとも戦えるヨ」


 朧木はチラリとフェイ・ユーを見ただけだった。


「さて、首謀者はどいつだ。前へ出ろ。うちの従業員の居場所を吐いてもらおうか」


 朧木は室内の男達にそう言い放った。


「しらねぇ! 俺達はただ雇われただけだ。言われたとおりに女を連れ去っただけで・・・・・・」


 拳銃を切り裂かれた男がそう言いかけた時、横にいた男がナイフを投擲する。

 投擲したナイフは拳銃を持っていた男の喉元に突き刺さった。

 ドサリ、と男が倒れる。


「おしゃべりなやつめ。文字通りおとなしくしていろ」


 朧木はナイフを投げた男をにらんだ。


「そこのお前。事情を知っているようだな。何者だ?」


 ナイフを投擲した男は笑った。そしてさらに懐からナイフを取り出し投擲する!

 朧木は身構えたが、ナイフは彼には飛ばなかった。

 ドカカッ!

 二本のナイフはフェイ・ユーが打ちのめした男二人の急所を貫いていた。


「しまった!」


 朧木が叫ぶ。


「朧木サン、実力行使が一番ネ。点火!」


 フェイ・ユーが符をとりだしてそう叫ぶ。フェイ・ユーの炎術によって、ナイフを投擲した男が炎で弾き飛ばされた。


「くっ、たとえ今生ではこの有様だとしてもやがては・・・・・・」


 男はガキッと奥歯をかんで事切れた。フェイ・ユーが慌てて駆け寄る。


「この男、服毒自殺したネ。まるで昔の暗殺者か何かヨ」


 ナイフ使いの手によって、完全に手がかりを失ってしまった。


「くそっ、いったい何者の仕業なんだ!」

「この一件、山国議員は関係ないヨ。おそらく別の黒幕が居るネ。解雇されかけたはぐれ退魔師の中でも下っ端の連中を利用したようネ。こいつら碌な術も使えないただのゴロツキまがいの連中ネ」


 朧木は床に倒れたはぐれ退魔師たちの姿を見下ろす。

 朧木は歯軋りするのみだった。


「さて、私は警察沙汰になる前に逃げるヨ。朧木サン、あなたはどうするネ?」


 朧木はフェイ・ユーの言葉にはっとした。


「そうだな・・・・・・、鼻の利くやつを一人知っている。捜査に協力して貰うとするよ」


 フェイ・ユーは建物を出ていった。朧木も周囲を見渡し、手掛かりは何もなさそうであるのを確認してその場をあとにするのだった。


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