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謎は謎を呼ぶままに

※異世界転生・転移モノではありません。



目が覚めると白い天井。

視線を右に向けると同じ白い壁に、さらに右手に薄い緑色のカーテン。

ふぅ、とため息を吐き出して腕立て10回。

ヤバい。今日は頭がめちゃくちゃ痛い。

目の奥がズキズキ、ジクジク?ズンズン痛い。

ヤバい今日雨か、曇りか、それとも晴れか、なんでもいい早く飲まなきゃ。

あ、でも…と、痛む頭を枕に付けたままに携帯を見る。



「今日……休みじゃああん」



ぐったりと全ての体重をベッドに預けながら、時間を確認するとまだ朝の3時半。

この時間から頭痛が来て、果たして9時になる前に治るかな。

どうしようか、薬飲む?でも今日お休みだし勿体無いか。

かと言って今日は冷蔵庫空っぽだからな。

何となく雨は降らない…気がするし、多分これ晴れの日だ。

て事はもう一眠りして誤魔化して…と、頭の痛みを堪えながらウダウダしていたものの我慢出来なくて「うん、無理起きる」と呟いて階段を滑り降りる。



キッチンに繋がる扉を開いて、昨日の晩御飯の余りをレンジに放り込む。

スイッチを入れて温めている隙に歯を磨いて顔を洗って、光が痛みに自動変換される事に怒りを沸かせながらだんだんと頭が冴えて行くのを感じた。

3時半過ぎ…あと10分で4時だけど、まだこの時間では早過ぎて日が昇る事も無く水やりをしたくても早いのでため息を吐き出す。

ダメだ今日の頭痛は無理なやつ、逃げたくても逃げられないやつ、仕事無くて良かった無理大っ嫌い!



レンジが鳴る1秒前に取り消しボタンを押して煮付けをタッパーのままにテーブルに持ち出して、炊飯器からご飯をお茶碗によそう。

お味噌汁も作り置きしているものをお椀によそってレンジに任せて、カーテンを少し引いて暗いのを目視確認。


1秒前に取り消しボタン、取り出してテーブルに配置、いただきます。

ご飯をゆっくりゆっくり食べながら、この時間だと流石にニュースもやってないし知っている番組も無いので無の表情でご飯を食べる。

美味しいけど痛い、痛いけど美味しい…うーん、腹立つ。



もう一度カーテンを引くけれど真っ暗。

山の中だったらまだ遊べるのに、いや頭痛抱えて野山駆け回るとか野生児か、ここじゃ無理だ。

全く考えが纏まらないとご飯も途中でシステムベッドの下、エアーマットの上にぬいぐるみが敷き詰められているところに沈み込む。

柔らかいぬいぐるみと硬いぬいぐるみの感触が不思議で安心する。

頭は痛いけど…と、そこでまたふと思う。




「…そう言えば、やっぱり違和感があるな」




1人の空間でぼそっと呟く。


リューナの時間が長くなって来ている気がする。

最近他の夢とかの時間よりも何だか…うーん、長いし、リロードとロードの時間が早かったり遅かったり。

なんかあるのかな、そう言えばあの白猫…あの子に似てたなとゆっくりと意識を手放して行く。

その時、誰か聞き覚えのある人の声がして追いかけようとしたけれど足が動かなくて、真っ白な空間の先に居る誰かに叫んだ。



「アナタは誰?」



薄くモヤがかかった様に先が見えないけれど、影の主は確かに笑った。

だけれど声は帰って来なかったし、誰なのかは分からないままだ。

切り替わるのに時間がかかるなと思ったのと、何となく嫌な予感がしたけれど私はゆっくりと意識を手放した。

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