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真相はここに

※このお話しは異世界転生・転移モノではありません。



キラリと光った閃光に思わずハッとして身体を斜めにすると、凄い勢いでその光は後ろの方にあった山を焼いた。

見覚えの無い景色、色や温度、着ている服はどうも冒険者の装いだけれど…この現状に覚えが無いなと首を傾げた。

新しい夢だろうか、しかしそれなら名前と存在が一致しない事に疑問符が沸く。



「……お前のせいだ」



地の底を這う様な声が聞こえて来て、またも閃光が轟く。

私のせいとは?と首を傾げて当たりを見渡すと、正面より下に一人の男が地面に座り込んでいた。

顔が髪で覆われていて見えないが、どうにも私は会ったことが無いと記憶しているようで、さらに疑問符が増えてきた。

彼は誰だ?そしてここはどこだ?私は何をしているの?



誰でもない時間は私に不安をもたらし、迫り来る閃光と轟音は私を避ける。

この攻撃が彼から送られて来る物だと分かったけれど理由が分からない。

私が彼に何かをしたのならその理由を知りたいと思ったが、錯乱している様子の彼は私の話しを聞くつもりは無さそうだしその余裕も見て取ることは出来ない。

さてどうしようかと不安で立ち止まるりも動いてしまおうかと1歩そこから歩き出そうとすると、また場面が変わった。



薄く白いモヤが辺りに立ち込める。

いつもの場所だとホッとすると同時にどこかから声が聞こえて来るのもいつもと同じだ。



「ねえ、君分かってる?リューナとして生きて、幸せでしょ?

それなのにどうして抗おうとするの」


「そんなの当たり前でしょ、リューナとしてだけ生きたいと望んでいないからだよ」


「絶対幸せになるとしても?

それならおかしな話しだよね」


「おかしくなんてあるわけないわ。

私は今ここで居ることもおかしいなんて思ってないもん。

日々見る夢が自分自身の望みであり希望なんだって自覚もしてる。

私は私じゃない時にしか挑めない事が多くあるの。

その選択肢を、せっかく沢山出来たのに減らさないでよ。

そんな事をしてってアナタに頼んだ覚えは無いよ」



ちゃんと言葉にする事が出来たとホッとしていると、白いモヤの中で響いていた声が少しの間止んだ。

終わりかなと思って安堵すると、突如「黙れ!」と凄い声量が響いて思わず耳を押えた。



「そんな事言うなよ!僕は、お前の為に言ってるんだ。

人としては過ぎる記憶容量、有り得ない程強かでそれでいて脆いお前の心は逃げ場を作る為にこんな場所にパラレルワールドを作り出した!

普通の人間がそんな事出来るわけない、だから僕はお前を本来の普通を取り戻す為にリューナに乗せたんだ。

あの場所にはまだ救いがある。

君の元の身体はボロボロだし、金銭的にも精神的にも余裕が無かった。

そんなお前を救う為には別の側面に乗せて逃がす必要がある。

そうじゃなきゃお前は…」



轟く轟音は、私を心配してくれていたのか。

何となく、やっと、この声が意味する所が分かった気がした。



「けどそれは嫌だ」


「なんで!?」


「私はリューナになりたい訳じゃない、それはリューナじゃない。

私が私として存在するから、リューナや他の側面に頼ったり逃げたり助けて貰ったり出来るんだよ。

それは私が知歩だからリューナになれるし、他の誰かになれるって意味なの。

君が考えてくれた事は私を救う為だったんだね。

だけど嫌だ、私は今まで通りじゃないと嫌」


「……そんなの、ワガママ過ぎるよ」


「それでも仕方ないよ、私だもん」



やっと言いたい事が聞けた。

でもそう言う事情があったのかと軽くとらえるだけにして、私はゆっくりと、目を閉じる。

次に起きた時、私は誰なんだろう。

事情は理解したけれどやっぱり捨て切れない、今まで通りに色んな人の所へ行きたい。

頼りたい、甘えたい、暴れたい、駆け回りたい。

それは現実の知歩じゃ出来ない事だから。


それを願うのは、罪だろうか?

そう最後に白いモヤに問い掛けたけれど、返事は無かった。

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