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説明回

説明回になってしまった。

何となく設定

【重要】ご都合主義、ガバガバ



 季節は巡り、オレがこの世界に来て3年ほど経った。


 とりあえず、今までのことを整理しよう。


 一歳までの一年間は身体がほとんど出来ておらず、周りの状況を知ることに腐心していた。でも、後半はこの身体でも少しは動けるようになったので、こっそりと動き回ったりしていた。

 よく後で見つかっては怒られたけど。あとは絵本なんかから、文字を必死で覚えていた。何故か話している言葉はわかるんだけど、書いてある文字はどうみても日本語じゃないんだよねぇ。

 道場の中を思い瞑想なんかもしてみた。

 何となく気が練りやすい感じがする。


 二年目からは大分動き回れるようになり、喋ることが出来るになったので、屋敷の中で色々とお話しを聞いて回ったり、簡単な勉強をさせてもらったりしていた。身体を鍛えることも忘れない。遊んでいるふりや、掃除なんかのお手伝いによって身体を意識的に動かす。子供の頃は運動神経が発達しやすいらしい。

本なんかも読ませてもらった。


 なんとこの世界魔法があるみたい!

 男の夢だよね。


 是非特訓してみたい。


 ということで、「まほうのつかいかた(入門編)」をおねだりして、手に入れた。

 あまりワガママを言ってこなかったためか、2つ返事でくれたよ。


 ただし魔法の練習は危ないから、1人でやってはダメとの条件付きでしたけど。

 

 よーし、頑張って本当の意味で強い男になるぞ!


 そして、動けるようになって分かったことがある。

 このお屋敷には女の人しかいない。

 疑問に思って聞いてみるとどうやら世界的に男は珍しいみたいだ。

 でも、オレが話しかけると皆嬉しそうに対応してくれる良い人ばかりだ。

 子どもは得ってこともあるかな。


 後は周りの人達についてもちょっと分かってきた。


 まず、母親。アン様。

 本名はアンネリーゼ・シングウ。


 そう。ここはシングウ家らしい。

 絶対偶然ではあり得ない気がするけど。


 屋敷も人も和風とは程遠いこの世界でシングウの名前は違和感半端なかった。


 まあ、それは置いといて、シングウ家はやはりというか、領地を持った貴族の家柄のようで、母さま(アンネリーゼのこと)はどうやら、若くして当主のようだ。


 何で若い女性が当主なのか?

 最初は不思議だったけど、これには理由がある。


 それにはまずこの世界のことを知らなければいけない。


 字をなんとか覚えて読んだ本、絵本や物語に聞いた話を総合すると、

『この世界にはその昔、邪神が居て、世界を苦しめていた。

 世の中には魔族と呼ばれる邪神の眷族や、魔物が蔓延り、人類や亜人類(獣人やエルフと呼ばれている人達)は、苦戦しながらもしぶとく戦っていた。

 矢面に立つのは屈強な男たち。

 当然男の数は減っていった。

 そんな折り、世の中には勇者と呼ばれた男達が現れ、破竹の勢いで邪神達を倒していく。

 そして、とうとう勇者達は邪神を討伐することに成功する。

 これで、世界は平和になる。


 誰もがそう思った。


 しかし、邪神は最期に世界に呪いをかけた。

 それは、じわじわと世界を蝕む毒だった。

 

 邪神を倒した勇者達が全員男だったためか、その後、世界で男の出生率が突然大幅に低下した。

 さらに、邪神との戦いにより矢面に立っていた男の数が減っていたことも重なり、世界には男が非常に少なくなってしまった。

 この事に危機感を抱いた時の権力者達は、今までの自然の営みから、人工的に受精する方法を研究した。

 この世界には魔法があり、そして、どうにか人工的な受精方法を確立することに成功した。

 だが、やはり人工受精により産まれる者達もまた、圧倒的に女性ばかりであった。


 このことより、世界は男を大事に大事に保護し、一夫多妻を推奨し、さらに男にその精を提供させることで全ての生活とかなりのワガママを許した。


 結果、今や希少となった男達はほとんど全てが、弱くワガママな存在となってしまう。(それでも、女達はその本能もあり、自然妊娠に憧れを抱いてしまう。)

 

 そのため、社会は必然的に女性達がほぼ全てを担うこととなり、ある程度の地位にある女性は、頼りない男に溺れ、男のワガママで領地などを壊さないよう、自ら人工的な受精にて後継ぎをつくるものが多い。お伽噺のような頼れる男の存在を夢見ながら。


 また、邪神の眷族の魔族や魔物達もしぶとく生き残っており、各地で混乱を起こしている。一部では邪神の復活を目論んでいるとの噂まである。』


ということらしい。


 もうひとつ。


 シングウ家の先代(アンネリーゼの母親)は、とても勇敢でカリスマに溢れた人だったようだ。

 数年前に魔族達の生き残りが領地に奇襲を仕掛けてきたときに、自ら全線で指揮をとり、押し返したほどの女傑であった。


 しかし、その後劣勢となった魔族達の卑劣な罠に嵌まった領民や部隊を助けるため、当時の騎士団長(イーシェの母親)とともに更なる死地へと赴くこととなってしまった。

 その時に、既に成人の儀を終えたアンネリーゼに全てを託していった。領民や部隊はそのほとんどが生還したが、二人は魔族達の執拗な集中攻撃や、闇討ち、状況の不利も相まって、奮戦むなしくとうとう相討ちとなってしまった。


 アンネリーゼは若くして、才覚を発揮していた上、先代に恩義を感じる人が数多くいたため、領地をなんとか治めることが出来ていた。付近の魔族達は件のこともあり、壊滅していたということもある。

 これが、母さまが若い女性ながら当主をやっている理由。


 そして、なんとか当主として安定してきたころ後継ぎのために子を授かったようだ。


 そしてこの事を知ってしまったオレは決意を新たにした。

 ただ守られるだけの情けない種だけの存在にはならない。


 それはオレの……いや、神宮の正道に反する。

 

 だから、オレは強くなって、皆を守る。

 二度と先代のような悲しいことは起こさせない!


 ちなみに、母さまはオレや自分の娘にとても甘い。しかも過保護だ。かなりの子煩悩のようだ。

 嬉しいが、ちょっと心配になるくらい。


「何か欲しいのはないか?」⬅魔法書をおねだりしたら即決。しかもとても嬉しそうな笑顔。

「お前たちは本当に可愛いなあ。」

「今日は母と一緒に寝よう。」


 なんて、忙しいにも関わらず毎日のように気にかけてくれる。

 ちょっとしたことで、凄く喜んでくれる。


「かあさま。いっしょにおさんぽがしたいです!」

 と試しに言った日には、もう、仕事にすぐ区切りを付けて手を繋ぎながらニッコニコでお散歩してくれた。


 やっぱり、恥ずかしながらオレは母さまが大好きだ。


 次にイーシェ。女騎士。

 

 先にも出たけど、先代騎士団長の娘で、歳は若干離れているけど母さまとは幼なじみでもある。

 とても真面目な性格ながら面倒見が凄くいい。

 頼れるお姉さんだ。

 

 最近は、オレも大分動けるようになったから、お勉強や運動に付き合ってもらっている。

 魔法も使えるようで、色々教えてもらっている。

 少しでも、強くなれるように今から頑張らないと。


 そう思って、今の時点でできる訓練をしていると、凄くハラハラした顔で、「あぁっ」とか言わせてしまうのは心苦しいけど。


 ちなみに、イーシェのことは姉さまと読んでいる。

 とても嬉しそうな顔をしてくれるので、オレも嬉しい。


 後は、オレに妹ができた!

名前はウェンディ。

 これがまた、母さまの娘だけあって可愛いのなんの。

 茶色の髪をショートボブにして、目はくりくりと大きく鼻筋はすっと整っている。

 オレがシングウ家に来て間もなく産まれた妹で、世間的にはオレと双子ということになっている。

 何をするにもオレの後を着いてきて


「にいさま。にいさま。」と呼んでくるあたりは最高に可愛い。

 

 ウェンディも当然皆に愛されている。


「にいさま。だいすき。」とか言われると本当に幸せになる。

 ウェンディの頭を撫でるとほわぁって顔をするのがまた可愛いんだ。


 他にも、例えば、乳母のエリーゼさん。

 乳母とはいえ、こちらもまだ10代後半のお姉さん。

 赤みがかった髪の毛を三つ編みにして、顔はとても穏やかな美人さんだ。

 あらあらと優しく微笑んでくれる様は母さまとはまた違った母性を感じる。あとは、胸部装甲がとてもご立派です。


 乳飲み子の頃は大変お世話になりました。

 エリーゼさんは母さまや姉さまが忙しい時などは、オレやウェンディが寂しくないように、いつも傍にいてくれた人だ。


 さて、今日はどんな1日になるだろうか。


 そんなことを思いながら、オレは部屋を出ることにした。

次回は日常かな。

幼なじみ①との出会いもそろそろ書きたい


補足?

領主の館には男はいません。

大抵は男は産まれた家で囲われます。

また、人工受精は専門の施設が各地にあるので、男は領主の館にはいない設定です。(面倒なので)

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