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危機一髪

短い。なかなか話が進まない。

あとキャラの名付けって難しいですな。

とりあえず、話はプロットとか無くて大雑把に書きながらなのでこんな感じになります。

なんとか目を開けて周囲を見る。

視界がぼやけてほとんど見えない。

赤ん坊になったせいなのか。


だけど、一つだけわかったことがある。

ここ……森の中だ……。

いや、山の中かも……。

どっちでもいいわ!!!


え?普通産まれたときって母親がいるもんじゃないの。

なんで、外に?

捨て子?


 ……


圧 倒 的 絶 望 っ……!!


 ダメだ。終わった。


「おぎゃああああああ。おぎゃあああああ。」

 もはや泣くしかできない。

 

 もともと泣くしかできないが……。


 そんなときだった。


 ガサガサッ


 不意に茂みのほうから物音が鳴った。

 そして、何かが近づいてくる音と気配。

 ここは、森(山?)の中。

 野生動物がいても何もおかしくない。

 そして、今オレは赤ん坊。


 美味しそうだね!


 いや、待て。

 人かもしれないだろ。

 気温は寒くないし、もしかしたら山菜を取りに来た人かも。

 

 ポジティブにポジティブに。

 オレが助かる道はただひとつ!


 たまたま通りかかった良い人に拾ってもらうしかない。


 ……

 ハードル高いなぁ……。


 でも、フラグは建てた!


 さあ、どうなるっ!?



 ガサガサッ……ガサガサッ……



 どんどん近くなってくる気配。

 これは、完全にオレに気付いているな。


 頼む…………。

 頼むっ……………!


 もはや、泣くことも忘れ気配のする方向をじっと見つめる。


 はたして、ぼやけた視界の先に見えたものは!!



 人ではなかった。


 ああ、間違いない。

 犬だ。

 総員第一種戦闘配置。


 

 むりぽ。


 良く見えないが、犬?は、かなり大きい。

 奴は、ゆっくりと、しかし確実にオレに近づいてくる。


 ああ、すぐそこまで来た。


 オレは、諦めて目を瞑った。

 二度目の人生……短かったな。



 ブシャッッ!!



 何かが噴き出す音がする。


 ああ、やられたか……。

 顔に生暖かい飛沫を感じる。


 ……あれ?

 どこも痛くない?

 感覚も普通にあるぞ。


 オレは、恐る恐る目を開ける。


 ッッッ!?!?!?


 そこには首から剣を生やし、絶命している犬がいた。

 間近でそんな光景を見てしまったオレの意識は、赤ん坊になった弱さも相まって、今度こそ闇に沈んでいった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 時は少しさかのぼる。


 とある屋敷で、派手ではないが高級とわかる衣装を身に纏った若い妊婦がバルコニーから外を眺めていた。

 すると突然、東の森の中で眩い光が巻き起こった。

 それは、ほんの一瞬ではあったが、常には無い事態にその女性は直ぐに声を発した。

「誰ぞある!」

 その声を聞きつけ駆けつけたのは、長い金髪をストレートにした、まだ少女といって差し支えの無い騎士服に身を包んだ女性であった。

 彼女は敬礼とともに問いかけ、妊婦もそれに答える。

「いかが致しました!」

「今、東の森にて正体不明の閃光が走るのが見えた。直ちに調べて参れ。」

「御意に。その光ならば、私も確認致しました。行って参ります。」


 こうして、若い女騎士は主の命を受け東の森へと馬を駆るのであった。




「このあたりだな……。」


 女騎士はそう呟くと、馬から降りてその場で馬を木へとつなぐ。

 そうして、馬では入っていけないような森の中へと歩を進める。


「……ぉ…ぁぁ…………ぉ……。」

 しばらく辺りを警戒しながら歩いていた女騎士はふと、なき声のようなものに気が付く。


「何かいるのか?」

 女騎士はさらに音のほうへ慎重に近づいていくことにした。


ガサガサッ


 前の方で何かが茂みを掻き分ける音がする。

 女騎士は視界が確保しやすいように、茂みを迂回し更に音のほうへと進む。


 そして、音の正体をその目に捉えた。


「はぐれのウルフか……。見つけた上は放置できんな。」


 ウルフと呼ばれたものは何かに夢中になっているようで、ゆっくりと前進しており女騎士に気付く様子はない。

 徐々に間合いを詰める女騎士。

「あれは、まさか!?」

 ウルフが目指しているものを、女騎士が理解したときには、ウルフはもうそれ(・・)のすぐ目の前まで迫っていた。

「くっ。間に合うか!?」

 女騎士は慌てて駆け出すとともに、足元にあった小石を拾いウルフに向かって投擲する。


 見事ウルフに小石は命中し、ウルフの意識がこちらを向く。

 その時には、もう間合いを詰めていた女騎士は腰に差した剣を抜き放ち、ウルフの首元に向かって一閃する。

 喉元を切り裂かれ怯むウルフに女騎士は追撃をかける。

 そして、見事にその剣はウルフの喉元に突き刺さり、命を奪う。


 崩れ落ちるウルフの先に目をやった女騎士は、困惑する。

「なぜ、こんなところに赤子が?」

 そして、赤ん坊を良く見て驚く。

「可愛い顔して寝ているな……。ん?まさかこの子、男なのか!?」


 冷静な先程までの様子から一転、女騎士は思い切り慌て出す。

「とととととにかく。アン様の元に連れ帰ろう。」


 そして赤ん坊についた血飛沫をそっと拭うと、壊れ物を抱くかのように抱きしめ、帰路へと就くのであった。


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