「ハブ・プライド」
日の丸が燃えている これほど炎上するのは初めてだ
ゴミ袋の中の「未来」って奴も どうやら僕らに愛想を尽かしたらしい
僕らの魂が踏みにじられている これほど体が火照るのは初めてだ
人生を切り売りしてたロックスター 彼は今や豪邸に住んでいるらしい
そういや君は彼が好きだった 彼は君のお手本だったはず それがどうだ
本を読み 音楽を聴き メディアで情報を漁った日々も
こんな停滞期のためにあったのかと泣けてくる
絶望 失望 落胆 挫折なんてチープな言葉は使いたくないけれど
そんな言葉の葡萄酒に 身を浸して 溺れそうな気分だ
だけど君なら知っている 僕なら知っている 僕も君も
「終わりじゃない」「まだ終わりじゃない」「まだ俺たちは生きている」
泥に捨てられた小銭を拾った僕に
「ハブ・プライド(誇りを持て)」 投げつけれられる言葉
「腹が減ってるんだ 仕方ないだろ」 憎まれ口をそう叩きながらも
自分の高貴さが 明日に輝く光をくし刺しにしている
あげた顔の その目に気高さがまだ残っているのなら
まだ大丈夫だ
戦争が始まろうとしている これまでの戦争とはまるで違う
どの歴史書をひもといても 載っていないような戦争だ
それは余りに個人的な プライベートな 私小説的な戦争だ
怯んでないな? 挫けてないな? 怯えていないな?
ならば銃を取れ 自分の心に巣くう「敗北」という化け物と戦うために
映画を観て ゴシップ誌を読み漁り 世界の裏を知った気分だったけれど
そういやそんな人間 子供時代には軽蔑してたはずじゃないか
人生の陰陽はまだ深みがあるはず 僕が知っているのはまだ薄っぺらいものさ
闇が沈めば沈むほど 光もまばゆさをまき散らすほど輝くはずだ
だから君は知っている「終わりじゃない」「まだ終わっちゃいない」「次のページだ」
濁流に打ち捨てられた小銭を拾った僕へ
「ハブ・プライド(誇りを持て)」 吐き捨てられる言葉
「寝るところないんだ 仕方ないだろ」 反骨心を剥き出しにしながらも
自分の高貴さが 明日に待つ「希望」って奴をわしづかみにしている
ぬぐった顔の その目に貴さがまだ残っているのなら
まだ大丈夫だ
崩壊する都市 崩れ落ちるビル 倒壊する家屋 燃えさかる街
それはみな幻影だ 自分に都合のいいだけの 実際いい生活をしてる奴はいるはずさ
だけどな 君なら知っている 僕なら知っている 僕らは知っている
「まだ終わりじゃない」「終わっていない」「物語はまだ続く」
泥に投げ捨てられた小銭を掴んだ僕に
「ハブ・プライド(誇りを持て)」 浴びせられる言葉
「風呂に入りたいんだ 仕方ないだろ」 憎まれ口をそう叩きながらも
自分の高貴さが 明日に輝く光を待ちわびている
傷のついた顔の その目に崇高さがまだ残っているのなら
まだ大丈夫だ
まだ大丈夫 まだ大丈夫 まだ行ける
叫べ 気高き狼 徒党を組まぬ荒鷲よ
その咆哮で 天を射貫け
そう口にしたなら ネクストページだ