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内緒の初恋スクールライフ!  作者: アルブレッド
6/6

話しながらのドタバタ登校

次の日の朝・・・


「千沙―!」


(バシッ)


そう言われながら私は後ろから背中を叩かれる。


「いたっ・・・何?朱莉・・・今日はやけに機嫌がいいね?」


私は、後ろを振り向きながら朱莉に笑いかける。


「ふふふー・・・ジャーン!」


朱莉はそう言うと笑みを見せながら、私の目の前に腕を出してきた。


「えっ?」


私は、そんな朱莉の腕に目をやる。


「昨日、陽君がくれたんだ―!ほら、今日私の誕生日じゃん!陽君ね、明日はは部活あるから会えそうにないって言って昨日くれたんだー」


朱莉は、嬉しそうにウキウキしながらそう言う。


「あー、そういえば今日だったね、誕生日!おめでとう!」


「えー・・・もしかして、千沙私の誕生日忘れてた?」


私が言う言葉に朱莉は、プクリと頬っぺたを膨らまして私の前に立ち言う。


「なーんてね!ホイ」


私は、そう言うとカバンから奇麗に包装された包み紙を朱莉に手渡した。


「えっ?」


朱莉は、ハトが豆鉄砲を食らったかのような顔をし私を見る。


「私が朱莉の親友の誕生日忘れるわけないでしょ?何年の付き合いだと思ってんの?」


私は、ニコリと朱莉に微笑みながらそう言う。


「えっと・・・ありがとう。いや・・・忘れてはいないとは思っていたけど、いきなりプレゼント渡されるとは思ってなくて・・・その・・・ビックリして・・・えっと、開けていい?」


「うーん・・・遅刻するから今は駄目・・・学校ついてからだったらいいよ!ほら、早くいくよ!」


驚きの表情を隠せずお礼を言う朱莉にポンッと肩を叩き私は走りながら言った。


「えっ・・・あっ、待ってよー千沙―」


そう言いながら朱莉は私の後を追っかけるのだった。


「おはようー紗季!」


私は校門前で紗季に会い、後ろから軽く肩を叩きながら名前を呼ぶ。


「あっ・・・千沙、おはよう!って何でまた汗だくなの?」


紗季は、私の顔を見るやいなや驚きながらそう口にした。


「あー・・・それは・・・」


「千沙―・・・もう、いきなり走るのは無しだよー!」


そう言い、息を切らせながら朱莉は私の肩に手を置いた。


「あー・・・ごめんごめん!」


「えっ・・・崎川さんまで何で汗だく?」


紗季は、ビックリして言う。


「それは・・・って、何で?そんなに千沙と仲良く?てか呼び捨て!?」


息を切らせながら、朱莉はフレンドリーに話す私たちを見てビックリ顔でそう言った。


「あー・・・えっと、昨日、朱莉が帰った後に色々あって、仲良くなった。あっ!そうだった。今日からは、紗季も一緒に昼ごはん食べたいみたいだけどいいかな?」


私は、昨日の紗季とに話を思い出し朱莉に告げる。


「私は別に構わないよ?拒否るわけもないしね。」


「ありがとー!」


私は、きょとんとした顔で言う朱莉に抱き着きながらお礼を言う。


「ちょっ・・・千沙・・・?ってか、どさくさに紛れて話逸らさない!もう・・・昼休み何があったのか、じっくり聞かせてもらうかなね!」


抱き着く私に朱莉はそう言って私の体を離した。


「はいはい!じゃあ紗季、少しゆっくり歩き過ぎたね?走るよ!」


「えっ・・・ちょっ・・・千沙?」


私は、紗季の手を掴んで、引っ張って校門まで走った。


「はぁ・・・だから、いきなり走らないでってー」


朱莉はやれやれと言いたげな顔で、私と紗季の後を追う様に走る。


「はぁはぁはぁ・・・間に合った!」


「千沙―・・・あんまり東さんに無理させるとそのうち病院送りになるよ?」


「えーそんな事・・・」


私はそう言い紗季の方を振り向く。


「はぁはぁはぁ・・・」


「あっ・・・えっと・・・紗季?」


私が後ろを振り返ると紗季は一言もしゃべらず息を切らしていた。


「あーあ・・・もう、あのねー千沙・・・千沙のスピードが平均スピードじゃないからね?千沙についていけるのは私くらいだから、もうそろそろ自覚しようね?」


朱莉は私に向けてそう説教する。


「あー・・・紗季・・・ごめん・・・」


「だっ・・・だい・・・じょう・・・ぶ・・・久しぶりに・・・こんな・・全力で走った」


紗季は、心配して謝る私に笑顔でそう言いほほ笑んだ。


(天使・・・目の前に天使が・・・)


私の頭の中がお花畑の状態になる。


「はい・・・東さん、これ飲んで息落ち着かせて」


朱莉は、水筒を紗季に渡しながらそう言う。


「あ・・・ありがとうございます・・・」


紗季はそれを受け取ると一口飲み、深く深呼吸をし息を整えた。


「ふー・・・」


「落ち着いた?本当にごめんね?」


私は、息が落ち着いた紗季に再度謝罪した。


「いいよ・・・大丈夫だから!」


紗季はさっきと同じ笑顔で私に微笑む。


「全く・・・昔から、どこかしら抜けてるのは変わらないんだから」


朱莉は、あきれ顔で私に言う。


「ごめんって」


私はその言葉に多少ぐさりときながら下を向いた。


「ふふふっ」


そんな私たちの会話に紗季は笑いだす。


「ぷっ・・・」


「ふははははは」


そんな紗季を見た私たちも笑いが出てしまいその場で三人で笑った。


(キーンコーンカーンコーン)


予冷のチャイムが鳴る。


「あっ・・・予冷だ、紗季、朱莉、教室に早歩きで急ぐよ!」


「うん!」


私がそう言い二人は返事をする。そうして、ドタバタな登校が終わり、私たちのいつもの・・・いや、一人加わった学校生活の一日が始まる。

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