-MADOROMIのそばで-
ひとはいつも
個の生き物
だけどひとたび
時を同じくするだれかと出会い
知らなかった感情にも触れていく
それがたとえ
身近な誰かでも
遠い誰かでも
同じ何かを共有できることは
とても幸せなことなんだと思う
個は別々な何かでも
共通の何かが同じであれば
それはもう
幸せの断片になる―
もうどのくらい
この夢と現実の狭間で
幸せなときを過ごしているだろう
かすかに聞こえる外の音が
イメージを浮かんでは消え
消えては浮かんでを繰り返させる
まだこの微睡に漂っていたい
そう思ったけど
ふと近くで
布と何かが触れ合う音がした
頬にあたたかなぬくもりを感じ
きみに好きだと言った香りが
鼻をかすめてそのばに留まる
現実に戻れば
幸せそうなきみがいるのを確信して
微睡みの世界を捨て
ゆっくりと目を開けた
幸せそうに微笑むきみが
俺の視界を支配して
あたたかなものが体中を駆け巡る
そのままきみを包み込み
胸の中に閉じ込める
重なる鼓動が安心をくれる
あたたかなきみが幸せをくれる
そしてまた束の間の
微睡みのなかへ
きみとふたりで




