雷の戦士
さあ新たなる神話の始まりです。面白くないかもしれませんが、魂を込めて描きたいと思います。
それでは”VOLTIA”、お楽しみください。
彼はヴォルティア。
神々の王国ガドウォルドで最強の戦士だ。雷の神ファラライズの子であり、雷と勇気の神であった。彼は一年に一度はどこかの国を制覇してガドウォルドに帰ってくる。
彼の力の源はなんなのか、それを科学の神サイアーンや計算の神アカントが調べようとしたが、わからなかった。それほどまでに強大な力を持っていたのだ。
サイアーンは、アルベルト・アインシュタインと血がつながっていた。だからアインシュタインは、あそこまで物理学に没頭し、ついに大きな発見までしたのだ。
アカントは、かの有名なブレーズ・パスカルと血がつながっていた。だからパスカルも、あんなふうに数学にハマったりしたのである。
その日、ヴォルティアは、神々のガドウォルドから離れ、星の住む国ストラウォルドへと飛んでいた。その雷の力は、小惑星をも木端微塵に砕くほど強力で、星々もヴォルティアの到着を今か今かと待っていた。
そしてヴォルティアがストラウォルドへと到着した。ストラウォルドの王、ガーモンズはヴォルティアと固く握手をして、宮殿へと招き入れた。
『ヴォルティアの到着は、ストラウォルドの勝利を示している』
と、ガーモンズは何度も言った。実はストラウォルドは、植物の国グリンウォルドと戦争をしていたのだ。神々や人間、怪物、動物にとっては、植物も星もなくてはならないし、植物も星が必要なのだが、星はストラウォルドにおける”庭園”と呼ばれる事件(ストラウォルドに植物が生えた事件)をグリンウォルドからの攻撃とみなし、戦いを始めたのである。
ヴォルティアは戦術に長けていながらも、ファラライズとは違って、すべては力で解決できるものではないと信じていた。神々の王、レジアスもそのような考えの持ち主であったからである。
よってファラライズ勢力とレジアス勢力はいがみ合ってばかりいた。
ガドウォルドと怪物の国モンスウォルドが戦争を始めようとしていたころ、レジアスは言った。
「モンスウォルドの勢力がもしすぐにガドウォルドを襲った場合は、戦だ。しかし、すぐに襲ってこなければ、話し合いで解決する道もあるということだ」
しかし、ファラライズは反論した。
「貴様は何もわかっちゃいない! もうこうなったら戦争だろうが! 力に勝るものはない!」
ここでレジアスは制した。
「兄上、座ってくれ」
その言い方にムカッと来たのか、ファラライズは槍を出現させてレジアスに突きつけた。
「ケンカ売ってるのか? 俺は売られたケンカは買うぞ」
レジアスはため息をついて、自身の武器を出現させた。大きな棍棒だ。
「狩猟と格闘の神レジアスに勝てると思っているのか?」
それを聞くなり、ファラライズは、
「ああ、勝てるさ。お前なんか吹っ飛ばしてやる」
ここでレジアス派とファラライズ派がケンカを始め、後にいがみ合うようになってしまったのである。
ともかくヴォルティアはレジアス派だった。ガーモンズに、まず話し合え、と助言をし、ヴォルティアはガドウォルドへ帰った。
その後、ストラウォルドとグリンウォルドは話し合わずに戦い続けたが、最終的には、和解した。
面白かったでしょうか。
これから始まる様々なエピソードも、今回は投げ出さずに取り組みたいと思っております。よろしくお願いいたします。