ほらやっぱそうじゃねぇか
スーパーハイパー眠い(投稿時点)
あ、そういえば年齢設定を5歳に変えました。
「彩条紫紀です、これからよろしくね皆」
「紫紀くんは初めてひまわり保育園に来たばかりだから、紫紀くんが分からない事は皆で教えてあげてね」
担当の保育士にガキ共はそう言われると、紫紀を見て分かりやすく驚いていた。
「ユリせんせー、シキくんっていってたけど、おとこのこなの?」
「そうだよ」
「おんなみたいなかおしてるのに?」
「かわいいからいいの!」
「あはは……仲良くしてくれると嬉しいな」
こうして紫紀の自己紹介が終わり、それから紫紀はガキ共達から我先にと遊びに誘われていた。転入モテってやつだな。そんな訳で俺は紫紀がどういう遊びをするのか、ほんのちょいとだけ興味が湧いたので、観察していた。
あのママンと、常時ぽやぽやエフェクトが出ている様子からして、折り紙とかぬいぐるみのごっこ遊びとか好きそうだなアイツ。
そう思いながら見ていると、紫紀が男児共に話しかけられていた。
「なー、サッカーすき?」
「やろーぜ!」
「(球技全般どころか運動はあんまり得意じゃないんだけど……)折角誘ってくれた訳だし、やってみようかな」
お、意外だな。お前サッカーするのか……でもあんま好きって感じには見えねぇな。
そう思いながら俺は観察を続けると、俺は女児共に話しかけられる。
「アキラちゃん、おままごとしてあそぼ!」
「きょうはなにがいい?」
「ごめんね、今日はちょっと一人で遊びたくて」
俺はそう言って断るが、女児共は不思議そうな顔をして聞いてくる。
「でもさっきからなにもしてないよね?」
「そうそう、そとばっかりみてる」
「(見てたのかよ……)」
くそ、男児のガキ共と違ってやっぱ一筋縄じゃいかねぇな。
一体どう言えば角が立たない拒否ができるかを考えていると、女児共は外を見るや、何かを察した顔になるとニヤニヤとした顔をし始めた。な、なんだよお前ら、腹立つ顔しやがって。
「もしかしてアキラちゃん、シキくんがスキなんでしょ~」
「はぁ!?」
俺の声が室内に響き渡り、室内で遊んでいた奴らが俺の方を見る。これだからマセガキは……。
「ち、ちがうよ、どういう子なのかちょっと気になっただけで……!」
「ふーん? ほんとうかなぁ~」
「あやしい」
「バス、いっしょにのってたよね~」
「そんなんじゃないってば!」
「シキくん、えほんのおうじさまみたいだったよねぇ」
「このまえわたしがみた、マンガのヒーローのほうだよ」
俺が否定するほど女児共はニヤニヤ顔を更に強化し、それから「まぁそういう事にしておいてあげよう」みてぇな事を考えてそうな口ぶりで「そっかぁ」とか言いやがった。
クソッ、これだからスマホで情報を簡単に手に入れられる環境で育った現代の女児は……!! 俺がそんくらいの年は、食って遊んで寝る事しか頭になかったってのに。これが男女差ってヤツか……。女のガキは男に比べて精神的な成長が早いとはよく言った話だが……まさかここまでとは思わなかったぜ。もう惚れた腫れたに興味を持ってやがる。
非常に不服だが、ニヤニヤと見てくるガキ共の視線を無視しながら俺は人間観察を再開した。子供向けの小さいゴール付近に近づかれて劣勢のようだったが、紫紀がボールを奪い、まるでボールが紫紀に吸い寄せられているかのような完璧なドリブルで駆け抜ける。
オフェンスのガキ共が慌てて追いかけるものの足の早い紫紀には追いつかず、ディフェンスのガキ共が紫紀からボールを奪おうとするが、フェイントで簡単にディフェンスをすり抜けた。そのまま紫紀はゴールキーパーとゴールの間にシュートをキメる。
アイツ、運動神経いいな……。
「スッゲー!!」
「どうやってやんだそれ!」
「あ、いや……やってみたら、たまたまできちゃったというか。ただのまぐれで感覚的だから、教えてあげたいけどできないんだ」
いわゆる天才ってやつだな。もしや、この世界はスポーツ漫画か何かの世界で、俺はその美人マネージャーとかそういうやつだったりすんのか? ほら、俺は顔が良い美ロリフェイスだしな。
あ? 作品のタグにスポーツとかサッカー入ってねぇから違う? ……じゃあ違うか。良かった、俺サッカーに興味とかねぇ生粋のインドア人間だからな。
俺は内心安心していると、外に居る紫紀と目が合う。そしてあろうことか、アイツは俺に向かって例の控えめな感じに手を振った。
「「「キャーーっ!!」」」
何故か女児共が黄色い声を上げ、やれ「きっとシキくんもアキラちゃんがスキなんだよ!」だの「りょうおもいだ!」だのほざいてキャッキャしていた。うるせぇ……。
てかあの常時ぽやぽやエフェクト出てる奴が、この年齢で恋愛感情だのどうだのを持つ筈がねぇだろ。さっきの口ぶりといい、ああいうのはどうせ「あっ、アキラちゃんだ! 今の見た? 僕自信なかったけどやってみたらゴールできたよ!」みたいな事考えてんだよ。
ほらよく見ろ、満足気な顔してんだろ。
すると紫紀は俺の所にやって来ると、興奮した様子で話しかけてきた。
「あっ、アキラちゃんだ! 今の見た? 僕自信なかったけどやってみたらゴールできたよ!」
そして俺はその言葉を聞いて思った。
紫紀くんの前世はストーカー被害や、そもそも身体能力のスペックが低かったので運動には非常に強い苦手意識がありましたが、転生をした今の紫紀くんは体のスペックが高いので運動が得意です。好きかといったらそうではないのですが、嫌いではないです。
明ちゃんはそもそも昔から運動めんどくせぇというタイプなので嫌い。




