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オルメニアに向けて⑮〜歌の街ラーララ〜

二日酔い...。投稿遅れてすいません。明日も頑張り、ま、す。

〜歌の街ラーララ〜


歌の街ラーララは大きなドーム状の城塞によって囲われており近付けば音が漏れ出しているのが伝わる。周波数の振動が地面や壁を伝いに入り口にまでズン!ズン!と音が響いてくる。いざ、街の中に入ってみるとそこには見た事も無い景色が広がっていた。


「すっご〜い!!!街の中なのに街の中じゃないみたい!!」


目を輝かせ乍ら目の前の光景に驚きを隠せないアミット。ミティーネに関しては言葉にもならない様子で立ち尽くしている。一方の健人は、元の世界でも音楽が好きだった事もありラーララから漏れ出る音に合わせ首を振って楽しんでいた。今まで味わったことの無い高揚感と満足感、この世界に来て初めての音の祭典は健人の心を満たすには十分すぎる程だった。


「こ、これが!音の街ラーララ。まさかこんな街があるなんて....」


「ケント様!いかがですか?ご満足頂けましたか?」


「はい!今までこのような音楽には出会った事ありません!この世界に来てからは特に....音楽なんて正直忘れてました!この街は凄いですね!」


それは、健人の本音だった。この世界に来て音楽のことを考える余裕が無く厄災や旅と事ばかり考えていた健人にとってこの音楽の街ラーララは未だ嘗て無い程心を満たしてくれる街だった。


建物が歌い音香る空気は大人も子供も関係なく魅了する。耳が自然と鳴り響く音楽に引き寄せられ心が踊る。元々音楽が好きでよく歌っていた健人だがこの世界に来てからは音楽に触れる機会が全くなかった。だからこそラーララという街は健人にとってもある意味特別だった。


「しかも!!本日は歌姫様のライブがあるらしいですわ!是非聞きにいきましょう!」


「え!そんなものが!それは楽しみですね!!あ、確かに...チラシがそこら中に!」


ヴェマリマナの言う通り、今日の日付と歌姫と思しきシルエットが描かれたチラシが街の至る所に張り巡らされていた。街全体が一つの生命と言わんばかりに一体となって一人の人物の為に動いている様は正に歌 姫 と言える。


「ライブって何処で始めるんでしょうか?それらしき建物は無さそうですが...」


「このチラシにも場所は書かれていませんね。」


アミットミティーネもライブが楽しみという様子で会話に混ざる。ジュビアナとルシエラも先程までの馬車内が嘘のようにソワソワと落ち着きが無い。それだけこの世界の歌姫は人気があるのかと健人が感心していた矢先...


「ヴェマリナ様!」


一人の男性がヴェマリナに声を掛けてきた。


「ヴェマリナ様!こんな所でお会いできるとは!何たる幸運なことでしょう!」


「貴方は?」


「あ、これは失礼致しました。私は....」


その男性はどうやらこの街でも有名な貴族らしく帝国王女であるヴェマリナを見つけ態々挨拶に来てくれたのだ。話を聞くとその貴族の屋敷で行われるパーティーにて歌姫がライブするらしく是非にという事だったので健人達はその貴族に有難くお呼ばれする事にしたのだ。



貴族に連れられ屋敷までやってきた一行、既に招待されている来賓客の対応をする為、健人たちは先に屋敷の中へと案内された。


「ま、まさか貴族が個人的にパーティーで歌姫を使うなんて...流石ですね」


「でも、私たちまで良かったんですかね?他の貴族の方々より先に入っちゃいましたし...」


そんな会話をしていると案内してくれていた屋敷の侍女が大丈夫ですよ っと声を掛けてきた。ドーム状になっている街の中だが屋敷に入ってしまうとそれはそれで別世界にきた気分になる。


「私達は王族ですしね...ここはお言葉に甘えて楽しませ頂きましょう?」


ジュビアナは健人の隣で腕を組み丸で子供のようにはしゃいでいた。もうひとつの腕はヴェマリナに陣取られておりその後ろをアミット、ミティーネ、ルシエラがついて行く。


「お待たせ致しました。本日の会場はこちらになっております。どうぞ、心ゆくまでお楽しみください。」


そう言われ開かれた一室の扉。パーティー会場に相応しい雰囲気と豪華な装飾は王城に立ち入った事のある健人達でも素晴らしいと感じるものだった。


健人たち以外はまだ案内されておらず食事等もまだない状態。今から始まる歌姫のライブとパーティーに心を弾ませ乍期待に満ちた面持ちで急遽用意された王族専用の小部屋へと入っていくのであった。


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