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オルメニアに向けて⑧〜地下都市 ガイアナ〜

御者の人が又しても宿を手配してくれたのでスンナリと宿泊先まで向かう事ができた一行。部屋割りは護衛も兼ねているという事でドラゴン女性も含めて全員が一緒。健人は自分だけドラゴン女性と一緒の部屋で監視すると提案したのだが即座に却下された。


「よしっ!こんなものかしら!」


ジュビアナがドラゴン女性を着替えさせた。スタイルが似ている事から衣服を貸しても良いと言ってくれたので起きるまでは取り敢えずジュビアナの服を着させて後でどうするかを考える。


「ありがとうございます、ジュビアナ様。お洋服を貸して頂き...」


「何故ケント様がお礼を言うのですか、言うのなら私たちの方です。助けて頂きありがとうございました。」


「この方、ドラゴンなのでしたよね?という事は龍人族?でも、何故こんな所に」


「や、やっぱり龍人なんだ....」


「りゅ、りゅうじん?」


「はい、この世界に存在する数少ない世界の全てを見てきた種族の一つです。人間の世界、国には不干渉を貫いており厄災にも手出しはしません。ですから人の前に現れるなんて滅多な事では...。」


龍人とはドラゴンと人の形を行き来できる高度な知能をもった種族である。絶対数が少なく強大な力を持っているが故に世界の傍観者を貫いている。他にも世界を傍観する種族は存在するらしいが...



「ん、んっんう、、、んん。」


「おっ」


目を覚ましたのかゆっくりと瞼を開ける。


「こ、ここは....ん?これはっ!!あの禍々しい気配!!」


ベットの上に飛び上がるように身体を起こすドラゴン女性。突然の行動に一同は驚き健人の背後に瞬時に身を隠す。ドラゴン女性は周囲を警戒し健人を睨みつける。


「貴、貴様はさっきの!なるほど....貴様だな?この禍々しい気配は。ここ最近の厄災の多発もそうだが、何者だ貴様はっ!魔力も...魔力も全く...いや、待て。魔力が全く無い?どうなってる?いや、それはおかしいだろ」


「まぁ、色々ありまして。あの、あなたは一体?」


「それはこちらのセリフだ!貴様は一体何者だ!」


「お、俺は天海健人、健人って言います。」


「?変わった名前だなアマミ?ケント、、お前どこ出身だ?」


「.....こことは違う別の世界です。」


「なるほどな。お前がこの前の召喚魔法で呼ばれた人間って訳だ。」


「あ、はい。その通りです。」


「わかった、すまん。貴様に突然敵意を向けた事を詫びよう。貴様の持つ槍に引き寄せられてな。少し見せてくれないか?」


急に素直に謝罪をしたドラゴン女性が座り直すとゲイボルグを見せて欲しいと言うので健人は迷いながらも利き手に槍を出現させた。


「こいつだこいつ、こいつの気配に引き寄せられたんだ。ん?いやぁまてよく見ればお嬢さん二人もヤバいのん持ってんな....なるほど、固まってたから余計に強く魔の気配を感じた訳か...」


「そ、それで貴方は?」


「あぁ〜!すまんすまん、名乗るのが遅れたな!私は五大龍人が一人、龍人ヴニトラ・ドランバート宜しくな!」


「ヴニトラ、様?でよろしいですか?」


「取り敢えず話もしたいし、そんなに畏まらなくてもいいぞ!砕けていた方が私も話しやすいし」


ベットから飛び床に立つとスっとした立ち姿で改めるヴニトラ。服を整えて身綺麗にすると衣服の礼をしてくる。


「それじゃあヴニトラ、食事でもしながらゆっくり話そうぜ俺も殴ってごめんな、結構痛かっただろ」


「てか私龍人だぜ?死なないけどアレは普通に死ねたぜ?お前どうなってんだよホンットに、洗いざらい吐いてもらうからな?」


怯えたままの皆を諌めつつ食事へと向かう。尻尾と角が生えていたのでどうにか出来ないかと尋ねたところ普通に消せるとの事だったので傍から見ても人間にしか見えないだろう。



「へぇ〜、なるほどなぁ〜....あっ!これも美味い!」


ヴェマリナに個室の美味しい名店を近場で探してもらい宿から間も無い所にある 飯処 テンセイ に訪れていた。通された個室で健人の向かい側に座るヴニトラに対してアミットとミティーネを含む女性陣全員が健人側に座っている。


「だいぶ怖がられてるなぁ〜。まぁしょうがないか。人間に会うなんて久しぶりだからなぁ〜」


食事をし乍ではあるが事のあらましをヴニトラに説明した健人。この世界に来た経緯と魔槍との出会い、そして今まで何をしてきて今何をしているのかを。


久々に人間の料理を食べられると喜んでいたので食事に夢中にはなっていたが終始相槌を打ったり返答をしていた為会話は滞りなく進み納得して貰うことができた。他の皆も怖がってはいるものの危険は無いと判断自体はしている。


「まぁ、取り敢えずそんな感じ。今はオルメニア皇国に向かって絶賛帰還の旅って訳」


「事情は分かったけど、ケントは何であんな強いんだよ!龍人に勝てる人間なんて普通この世にはいねぇぞ?厄災を討払うってだけでも訳がわかんねぇ〜のに....。まぁ、厄災は私らでも勝てるからまだしも、龍人だぜ?」


「その事なんだけど、龍人って世界の傍観者なんだろ?何で今回俺たちに干渉?ってか敵意向けてきたんだ?」


「それについてなんだが、最近厄災の発生が異常に活発になってきてるんだよ。こんな短期間に何度も厄災が出るなんて事は今まで一度もなかった。だから私が直々に調査しようと飛び回っていた所に禍々しい気配を放つ一団を発見、後は...」


「......はぁ〜。まぁ、今回は俺から攻撃仕掛けた訳だし....一旦仲直り??って事で?いいかな?」


「なんの疑問符でなんの仲直りだよ」


その後も龍人 ヴニトラ・ドランバートとの談笑は宿に戻ってからも続いた。宿屋に着いてからは心を開いた女性陣達が大いに盛り上がり健人は早々に眠りについたのだった。


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