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オルメニアに向けて⑤

何事もなく夜を寝明かし朝になり起床し朝食をとる。全員同じといっても流石に致す訳もなく女性陣は夜の女子会を楽しんでいた。健人は途中まで聞いていたが途中から眠くなり直ぐに眠ってしまったので目覚めを早かった。



準備を終え馬車に乗り込むと早朝だか出発する。一日でも早くオルメニアに着きたいという思いもあるが野営にならない為に進める街まで出来るだけ進みたいのだ。


「今日もよろしくお願いしますね!」


何故か肌が艶々で元気も良いジュビアナ。昨日は夜更かしをして起床するのも一番遅かった筈だが一番元気が良い。そして、朝から健人の顔を見るなりニヤニヤしている。


「.....。ジュビアナ様。俺の顔に何か付いてますか?」


辛抱を切らしジュビアナに問いかけると同時にアミット、ミティーネが顔を逸らしヴェマリナは堂々とし誇らしげな表情で何故かうんうんと強く頷いている。


「いえいえ...。これは失礼を致しました。昨晩、ケント様のお話を皆様にお聞きしていたのでついつい...フフフッ」


含みのある笑いに見えるが決して馬鹿にしている訳ではないと分かったのでそれ以上は何も聞くまいと「そうだったんですね!」と元気よく返答した。が、勿論表面上だけで心の中は恥ずかしいさでいっぱいだ。


「ケント様の魅力は一晩では足りませんでしたわ!」


「いや、俺達出会って間もない どころの話じゃないですよ?確かに旅でいえば一週間くらい一緒にいますけど...」


「確かに...不思議なんですよね。何故かケント様を見ると安心するというか癒されるというか...」


「「わかりますっ!」」


声が重なるアミットとミティーネ。それに釣られたヴェマリナを含む四人でまた女子会が始まってしまった。


「ケント様...ご迷惑をお掛けします。」


隣で呟くルシエラはその女子会には参加せず健人の隣で腕を組み肩に頭を乗せている。眠たいのか目元が緩んでおり今にも瞼を落としてしまいそうだ。


「寝ていても構いませんよ、俺も最近はよく寝てますし」


「ケント様の寝顔は本当に気持ちよさそうでこっちまで眠たくなってしまうんですよ?」


「あ、それは、、すいません。」


「いえ、でも本当に...フフッ。......私もお言葉に甘えてよろしいでしょうか?」


「ええ、もちろんですよ」


そう言うと静かにゆっくりと瞼を下ろし体重を健人へと委ねる。それは信頼の証であり健人はその重みを感じながら盛り上がる四人を眺め、馬車に揺られていくのだった。



ユターニアの街から離れ太陽が程よい高さまで上がってきた頃、見晴らしの良い草原地帯が現れた。街道はあるものの道を挟むようにした草原が一面一面に生い茂り木々も少なく暖かく自然な風が吹き抜ける。そんな場所で少し早いが昼食を摂る事になった一行は馬車停めて平原の一角にて憩いの場を作っていた。


「はぁ〜〜!!きもちぃぃぃ!!!!」


仰ぐように両手を開け風を浴びる。太陽の日差しも相まり最高に気持ちの良い気分だ。身体を伸ばし乍周囲の警戒も怠らない。健人以外は敷物の上で昼食の準備を進めており健人は周囲の警戒と探索を任されていた。


「ちょっとだけ身体動かすか...はっ!!」


勢いよく助走をつけ身体を捻り乍飛んだりバク宙したりと好きに体を動かす健人。元の世界に居た時はただ働いては家に帰るだけの生活をし鍛えてもいなかった為体たらく。運動はそこそこのつもりで本人はいるが良くて中の下。そんな男がこの世界に来て魔槍に出会い気が付けばとんでもない身体を手してしまっている。自分の思い通りに身体を操れる感覚、今の健人の身体は元の世界に居た時とは丸で別物になってしまった。


「......冒険者の皆様は全員がアレを出来るんですか?」


「...いえ、ケントだけだと...思います」


「そうですね、少なくとも私達には...」


「ケント様〜!!お昼にいたしましょう〜!!」


ヴェマリナの声で動きを止める健人。汗一つかかないのは逆に異常なのでは無いかと自身でも思いながら今は昼食を楽しむ事にしたのだった。



「帝国国内にもモンスターが出ない訳ではないんです、ですが厄災の影響で鳴りを潜めてまして...ですが居なくなった今どうなるか分かりません。」


それは出発直後にヴェマリナに聞かされた事だった。帝国国内にもモンスターは出現するが最近は全く見る頻度が減っていたらしい。


そしてそれは突然起きた。


「!!!!!!!」


日が落ち初めて夕暮れになりはじめた頃、ジュビアナとルシエラにいつも通り挟まれていた健人がいち早く異変に気付く。咄嗟に動き出し走っている馬車から迷わずに飛び出て天井に登る


「ケ、ケント様!?」


「ケント!なにか来るの?」


「あぁ、もう来てる!!」


御者は気付かない。それは背後の遥上空に飛んでおり遠目にみていてもその巨体が見て取れる。そして、離れているのに気が付いたのは向けられている敵意からであった。


「そのまま行ってください!アミット、ミティ!三人の護衛を頼む。俺は仕留めてすぐ行く!」.


健人は槍を掴み天に向かって思い切り飛んだ。此方の存在に気付いたのか向かってくる巨体は正に


「......!!!ド、ドラゴン!!」


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