出会いはいつも唐突に②
ドゴンッ!!ドゴンッ!!ドゴンッ!!!
何かが走る音が聞こえるそれは、森の中を走り森が大きな茂みだったのかと思わせる程に身体を段々と大きくしやがて森からはみ出すまでに至る。
ゴギャァァァァァァ!!!!!!
響き渡る轟音は姫達の元へと一直線に向かっていく。大きな図体も相まって果てしなく早く辿り着きそうだった。
・
・
・
考えるよりも早く何故か身体が動いていた。別に善意とか優しさとか感情が動かされたかどうかも分からない。けど、何故か身体が一目散に兵士や馬車の所に向かっていた。
槍を手に出し強く握る。確証は無いが不安は無かった。握った槍の柄を見つめ改めて安心迄する。
化け物の前方にでた俺はこの槍なら大丈夫だと身を委ね思い切り力を込める。
「いっけえぇぇぇぇ!!!!!!!!!」
手から離せないと理解していた筈なのに迷うこと無く槍を投擲する。勢いよく投げ出された槍は稲妻の閃光が如く一閃森をはみ出す程の巨大な化け物を跡形もなく消し去った。
「ふぅ〜、マジでぶっ飛ばしたぞ...ハハハ。てか、投げれたけど槍どうなんだ...ってうわぁ!」
気が付けば既に右手に収まっている槍に驚く。
「これどうなってんだよ〜...」
疑問も然ることながら俺は兵士達の様子を確認しに行く。
・
・
・
「.....ん、っっっっ。こ、ここは...はっ!皆さん!ってあれ?...」
今迄聞いた事も無いような轟音が聞こえたと共に気を失った私は気が付けば横たわり辺りを見渡すと治療を受ける兵士たちが居た。幸い皆軽傷で轟音による耳鳴りや難聴等の被害は有るものの一時的なもので時間経過で1日も経たず治るらしい。
「一体、何が...」
「ひ、姫様!お目覚めになられました!!」
従者が私に駆け寄ってくる。それを皮切りに兵士達もぞろぞろと注目が集まりあっとういうまに人集りが完成した。
「皆さん、無事で何よりです!一体なにが...」
「それが姫様!あのお方が助けてくれたみたいで」
「あのお方??」
目に入れた瞬間に私の中で何かが弾けた。それは直感というよりも恋に近いのかもしれない初めての感覚。胸の奥がキュッと締め付けられるような頭に稲妻が落ちたような正にこの人が使い人様だと私は確信した。
「あ、どうも初めまして。天海健人と言います。よろしくお願いします。」
「...........」
「ひ、ひめさま?」
「.........」
「(え?なんか挨拶したらお姫様固まっちゃたんだけど?何このキマズい雰囲気!な、なにか話さないと)」
「ひ、ひめさま!」
「はっ!あ、すいま、すいません!少し動揺してしまって...
改めてご挨拶を使い人様。私し、オルメニア皇国が第3王女セリル・ディア・オルメニアで御座います。以後、お見知り置きを」
優雅で可憐な挨拶を決めたお姫様は先程迄の態度が嘘みたいに畏まった雰囲気で話を始めた。
「先ずは此度の件、兵士達の分まで深い感謝を。お助け頂きありがとございます。使い人様が居なければ私達は...」
目線を焦げた大地の方へとやる。それは、戦いの跡を物語っており先程の槍の投擲で生じた稲妻と衝撃が要因だ。
「あの惨状と怒号を聞けば被害は言わずもがな。確実に皆死んでいたでしょう。何とお礼を申せば良いか」
「いや、全然大丈夫ですよ!それよりも使い人様ってのは何なんですか?やっぱり、俺を探しにここへ?」
「そうですね、先ずはそこから。使い人様の言う通り私たちは貴方様を探しにこの地まで来ました。というか、私達が貴方様を召喚したのです。」
「は?うん?え、ちょ、、、えぇ〜?」
話を聞くと皇国に代々伝わる古の召喚魔法を発動して俺を呼び出したのだそう。幾分、太古より伝わる伝承魔法の所為で座標がズレ皇国から離れた森近くの平原に召喚されたのだとか。
因みに、召喚理由と発動者は不明で姫様が私達と表現したのは皇国内で魔力を発動した形跡が有る為、俺からしたら実質皇国の所為である事と変わりないからだそう。
「本当に申し訳無く思います。この魔法で召喚された人は代々、使い人様といわれ神からの使いで有るとされています。しかし、今回誰が何の目的で使用したのか未だ分からず捜査は進めているのですが...」
「う〜んなるほど。別に納得は出来ないけどお姫様達の所為じゃ無いならそんなに思い詰めないで下さいよ!」
「ありがとうございます。ですが、使い人様を元の世界に戻す方法も未だに分かっておらず...」
「やっぱり、そーいうパターンだよな〜」
「ぱ、ぱたーん?」
「あ、いやいや何でも...。それより俺ってこれからどうしたらいいんですか?」
「最もな疑問です。取り敢えずは私達の国に来ませんか?今回のお礼も含め相応な待遇をお約束致します。それに、使い人様を召喚した者の動向も知れるかもしれません。」
「正直それならめっちゃ有難いです。昨日からまともに寝てないし飯も食べてないから」
「それはそれは!では、早速向かいましょう!さぁ私の馬車へどうぞって....」
先程の轟音と共に起きた風圧により馬車は粉々に砕け跡形もなく散っていたのだった。




