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パドレス城跡⑥

扉の先は先程と同じ様空間だった。()()()と表現したのは広さや構造は同じだが今度は最初からモンスターが居座っていたからだ。一目で別空間と認識した一行は難なくモンスターを撃破し再び光の柱を出現させた。


「また出たね...。よし!次に行こう!」


不安が無くなったのか率先して光へと飛び込む。その後に続いてミティーネ・健人と入り次第に身体が宙に浮き始め気が付けば



「また同じようなところだね」


「うむ、恐らくこういう種類の階層なのだろう」


目の前には暗い道、見慣れた狭さに程よい明るさが照らす空間。またしても同じ様な場所へと飛ばされた健人達はそのまま奥の部屋へと進んでいく。


ガチャ



「見て!!階段だよ!!!」


同様の作りでモンスターが出現する空間は凡そ数十回行われた。モンスターを倒し光の柱に乗り気が付けば入口、扉に入ると...それを何度も繰り返しやっと次階層が見えてくる。アミットが指を指した先には確かに下に続く階段が見える。


「やっとここで終わりってことか!」


「途方もなかったな...。モンスターが弱かったのがせめてもの救いか」


ミティーネの言う通り出現するモンスターはどれも一撃二撃で終わる雑魚ばかりで全くもって歯応えがなかった。それも相まって幾度も繰り返された戦闘は面白味がなくただ時間だけが長く感じた。


「もぅ〜!やっとだよ!!暗いし狭いしモンスターは弱いし!さっきのドラゴンが嘘みたいだよ!」


「まぁまぁアミット、どうどう」


怒るアミットに対して宥める健人。あまりに歯応えが無かった為に発散も出来なかったのが溜まっているらしい。


「まぁ、ここでこの階層は終わりって事だよな?なら...ぱっぱとアレ終わらせようぜ」


悠長に会話をしていたが目の前には一体の大型モンスター。

大きな花弁を開け枝やツタを全身覆う程に被り地面を這う。一見植物の様に見えるが実際問題目で見てわかる異質な存在感、モンスターである事が容易に分かる。


「やっと良い感じのが出てきたね!よっ」


身体を伸ばし準備を整えたアミットがモンスターに向かって一蹴りで距離を詰める。


「オリャ!」


ドゴンッッッ


鈍い音が響く。殴られた反動で少し仰け反るが全く攻撃は効いていない様子。しかし、怯むことなくそのまま追撃をするアミット。


「まだまだ!はぁ〜〜」


拳に魔力が集中していく。次第にそれは炎へと姿をかえ荒々しく燃え滾る。拳の篭手を打鳴し火花を散らす。


「ファイアー・ブロウ!!!」


ドガンッッ!!!!!


ボッゥゥゥ


アミットが殴った部分から火が吹き出す。更に続けざまに何

回もモンスターを殴り更に火は燃え広がっていく。


ギィィィィ!!!!!!


ジタバタと燃えた身体をばたつかせ地面を這いずり回る。しかし時既に遅し、炎は全身を包み段々と動きが落ち着いていき最後は塵も残さず消滅した。


「ハイ!終わりっ!」スッキリ


「流石だぞアミット!」


「す、すげ〜。アミット半端ねぇ」


当たり前と言わんばかりに声を掛けるミティーネにはアミットへの信頼が見て取れる。対して健人に関しては魔法が使えない事もあり初めて見た魔法に驚きアミットの逞しさに関心していた。


「これでスッキリ!さぁ、次いってみよぉ〜!」


元気よく拳を天に掲げるアミットはこうして見るとただの無邪気な少女だ。しかし、舐めて掛かったが最後健人はアミットを怒らせないように頑張ろうと密かに誓った。



〜6階層〜


広がる平原青い空。風が吹き抜き草木が生い茂る。森はなくただ気持ちのいい風が吹き抜ける。一階層や二階層と同様の風景だが一つだけ違う点が有る。それは


「風はキモチィィィ、けど流石にアレはやばそうだよね」


「あ、ああ そうだな。」


アミットとミティーネ二人の動揺も頷ける。遠くに居るはずが大き過ぎるその巨体が錯覚させる。恐らく気付かれているであろう事をわかっているのは健人とモンスターのみ。


「ね、ねてる?よね?」


「いや、こっちに気付いてるよ多分入ってくる前から」


「なっ!ホントかケント!!」


剣に手をあて身構えるミティーネ。それを合図に突如として身体を起こすそのモンスター。姿は鹿か狼か、四足歩行で腹には無数の触手。尻尾は三本生えており爪は鋭く尖り地面にくい込んでいる。


ガルルルルゥゥゥアウォォォォオン!!!


雄叫びが如く咆哮を上げるモンスターはそのまま此方へと身体を向けて走り出す。それを皮切りに健人は飛び出しミティーネは剣を抜きアミットは拳を打鳴す。


バウォ!!!ガォ!!


巨大なモンスターの足元から小さな黒狼が姿を現す。何匹か出てきたが凡その把握はできない。


「ケ、ケント!!あの狼みたいなモンスター!」


「ああ!分かってる!」


今までみた黒狼とは全く異なるその存在感は一目見て厄災だと判別できた。それは二度にわたる健人の経験から導きだされた本能的直感の回答だった。


「ミティ!!デカイ方を!!」


「了解!!!」


迷う事なく魔剣を手に取り抜刀する。凄まじく長く大きくなる剣を横一閃に振り抜きあの巨体に斬りかかる。その間に健人は現れた黒狼を屠っていく。


「アミット!!!」


恐怖で震えているのか強張った身体は動かす事もままならない。声を掛けるが意識はここに在らずとみえる。


ミティーネの攻撃に一切怯むことなく魔剣を受けきると立ち竦んでいるアミットに対して敵意を向ける。


「アミット!!ダメだっ!!!!」


その巨体は思い切り左足を上げそのまま虫を踏み潰すかのようにアミットへと振り下ろした


「アミットォ〜〜!!!!!」


ミティーネの叫びは土煙に掻き消される。


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