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トゥミ村⑤

その後何事もなく無事にトゥミ村へと戻ってきた健人達は娘達を救ってくれたという事で村のパーティーへと招かれていた。三人の冒険者は最初遠慮していたが村人達は言葉にはせずとも何かを察し暖かく賑やかに振舞っていた。


当初少しでも休息を取った方が良いと考えていた健人だったが彼女達の表情をみてコレで良かったと内心ホッとしていた。食事は豪華で晴れやかに並びキャンプファイヤーが夜を照らす。


「ご飯マジで美味いな、止まらん!」


気に掛ける事も無くなった健人は食事に集中する。正直もう少し早く助けたかったという気持ちは有るがそれと同時にどうしようも無い事も理解している。この世界に来て少し体も心も順応し始めた健人はそれが普通であり日常なのだと改めて刻みこむ。


「ケントさん、今日は本当にありがとうございました。」


「あ、これはどうも!少しでも元気になったみたいで本当に良かったです皆さん!」


冒険者の三人が改めて健人の元に挨拶へ訪れた。食事を一時中断し三人に向き直る健人。


「村の皆も良くしてくれて、ホントに..何も無かったように思える..」


本来は強気そうな冒険者が少し涙ぐみ乍村人達の方を眺める。


「三人ともお身体を休めた方が良いですよ!あまり無理しないで」


「そうですね、今日は早めに休もうかなと思っております。」


四人で少し歩きテーブルと椅子がある場所まで移動する。離れた所でゆっくりと飲み物でも飲みながら話をしたかったのだろう。


「改めて本当にありがとうケントさん、貴方が居なかったらあの場所が私達の墓場になっていた。」


「もう少し早く行けてたら....。それだけはホントに」


「それは言わなくていい、シェラの言ったことは変わらねぇ」


言葉を遮るように割って入る。健人の気にしている事は三人にとって関係はなく心から感謝の気持ちを伝えたかったのだ。


「はい、本当にありがとうございました。感謝してもしきれません。」


健人はそれ以上何も言わなかった。飲み物をそれぞれに注ぎ乾杯を促し会話を自然に切り替える。四人での談笑は夜の帳を一層賑やかに彩っていた。



一方その頃


「あ!明かりだ!明かりが見えてきたよ!」


村の外から二つの人影が歩み寄る。


「なんだか賑やかだな、お祭りでもしてるのだろうか?」


「ホントだ!今日はここで泊まっていこうよミティ!」


「そうだな!ここでお世話になろうか」



村の中へと入ってきた二人は賑やかな雰囲気を不思議がりながら見渡していた。


「何かいい事でもあったのかな?え?あ!」


「うん?どうしたアミット...っておい!」


急に走り出したアミットに驚くミティーネ。走り出した方向に目をやるとそこに居たのはテーブル席で飲み物を飲んでいる健人の姿だった。


「なるほど、それで四人で冒険者になったんですね!」


三人が冒険者になった経緯を聞いていた健人。リーダーの人は亡くなってしまったが程よくお酒も進み気が軽くなったのか笑いながらに思い出話をする三人。


「ケント〜〜!!!!」


「え?アミッt、ぐぇ!!」


突如として飛び込んで来たアミットを振り向きざまに抱きとめる健人。勢いが強かったのか体勢も相まって少しよろけるが何とか持ちこたえた。


「ケント!良かったこんなに早く会えるなんて!」


「ミティまで!どうしたん二人ともなんで...」


「なんでもどうしても無いよ!勝手に行っちゃうなんて!」


駆け寄ってきたミティーネと怒り気味のアミット。この三人が改めてトゥミ村で再会する。


「だって酔い潰れて寝ちゃってたし、早朝には旅立つ予定だったからさ」


「あらあら彼女達は?」


三人の冒険者を蚊帳の外に盛り上がっていた健人達は即座に向き直り挨拶をはじめる。


「すいません皆さん!この二人はアミットとミティーネ、昨日までいたラルパンって街で知り合った冒険者なんです!」


「初めまして!アミット・です!」


「はじめまして、ミティーネです」


二人がそれぞれ違った丁寧さで自己紹介する。しっかりお辞儀をしたのを見てそいう文化がこの世界にも有るのだと認識した健人。


「これは丁寧に!私はライラ!よろしく!」


「私はイェーナよよろしくね」


「私はシェラだよろしく」


強気な雰囲気のライラ、!お淑やかで母性溢れるイェーナ、少しミティーネの様な雰囲気を感じるキリッとしたシェラ。三人は「烈火の炎(ボルゲイザー)」というパーティー名で活動していた。名前はリーダーの男性が付けたそうだが由来は三人とも知らないらしい。


「それで、三人はどういう関係なの?」


六人に増えた事で少し狭くなったが健人が狭いのはアミットとミティーネの距離が近い過ぎるが故である。


「三人で結婚するんです!」


「いや、そんな事言った覚えはありません。」


「ホントに全く...」


健人は即座に否定する。ミティーネは呆れており一人で勝手に盛り上がるアミットに対して宥める形で沈めていく。それを何処か遠い目で眺める三人、


「懐かしい気持ちになるね。」


呟いたライラの目には少し涙が浮かんでいた。六人での談笑はその後も続き夜が更け込むまで食べて飲み明かしたのだった。


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