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魔を司る槍

黒い甲冑は動く気配はなく只の飾りと言うことが近付いてわかった。不思議な事に、触ろうとしてもすり抜けてしまうが何故か物質的な重さを感じる。丸でそこに存在している様でしていない様な。


「この槍が、あの気配の正体....?お前が俺を呼んだのか?」


気が付けば勝手に手が伸びていた。そして触れようとした瞬間


バチィィィィ!!!


「痛っ!!!え?くそ!離せなくなっちゃった!!!


電撃が流れ、弾かれたかと思った途端に手が槍の柄を力強く握り手を離せなくなった。そして何故かその握る力は段々と強くなりスーツは少し窮屈そうに張っている。


「おい!ちょ、ちょっと待ってくれよ!くっ!んんん〜!クッソ!ぐっ!んんん〜!!」


手を離そうとしても槍から離れようとしても何方も叶わない。それと同時にある違和感が身体を駆け巡る。いや、何かが身体の中に流れてくる感覚。


「〜〜〜〜〜????」


グルグルと頭が回り始め立って居る事も難しくなり座り込む。依然として手は槍から離れずその場所から動く事が出来ない。


「ダメだ、気持ち悪い。意識も、段々と、、」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「........」


暗い暗い陽の光も差さない遺跡の中で静かに意識を失い眠るように闇へと身体を委ねる。


パラパラパラパラパラパラパラパラ


健人が意識を失った途端に遺跡と黒い甲冑が音を立てながら霧散していく。残ったのは槍を持った1人の青年だけでありそれ以外は跡形もなく消えてなくなってしまった。



「.....ん、んぅん。ん?ハッ!!」


目が覚めるとそこは薄暗い森の中だった。陽は殆ど落ちているのか周りは少しだけ明るかった。


「寝てた?いや、確か気をうしな...」


遺跡に居た筈にも関わらず起きたら元の場所に戻ってきた事に今気が付く。それと同時に手に持たれているあの例の槍が未だ手から離れず持たれている事に気が付いた。


「この槍、どうなってんだ?全くもって意味が不明すぎる」


気を失う前よりは握る力も弱まり気持ち悪さも無く手に広げる事もできる。しかし、手を開いてもどういう原理か手に引っ付いて取ることが出来ない。尚、利き手が右なので右手に槍が付いてるので左手で剥がそうとしたが1寸も動く事は無かった。


「これは流石に困るよな。見た目は凄ぇカッコイイけど手から取れないとか不便過ぎる。なんか、収納できたり念じたら消えたり出来たらメッチャ良いんだけど....」


スッ


「え?」


シュ


「お、おぉ〜!!!」


スッ

シュ


スッ

シュ


「おぉ〜!!スゲェ〜!!これなら全然良いじゃん!!」


槍は念じれば姿を消し、また念じれば姿を現した。姿を消している時は手の自由が利くので透明になっている訳では無くしっかり消えていた。消えている間どこに在るかは全く分からないがどの様な格好、状況でも槍は念じれば即座に右手に現れた。


「どんなポーズとっても絶対に右手に槍が...。でも、なんかずっと右手に在る気がするのに姿を消してる時はちゃんと右手は使えるんだよな...なんだ?これ、」


疑問は膨らむばかりだが取り敢えず何とかはなったみたいだ。


今更だがこの槍の形状は禍々しいしくも神々しさを感じる。捻れるように歪んだ槍先は何故か整って見え、持ち手の方まで伸びて連なっている。


「てか、メッチャかっこいいなこの槍。やっぱり俺を呼んでたのはコイツなのか?手にも馴染み過ぎてるし...」


謎の安心感。それは、この世界に来て初めて経験する確かな安らぎと心の休息だった。薄暗くなった森の中は平原に居た時よりも恐怖と動揺を誘うがそれらは全く感じない。


「でも、俺 槍なんて使った事も無いし練習しないとな...それに!これから、どうしたらいいんだ?何処に行けば良いのか、何をすれば良いのか、何にも分からないままどうやって生きていけば...」


槍を見つめながら苦悩する。確かに、安心感は得られたが現実問題この先の事を考えなくてはならない。


それに、今この現状もそうだ。こんな森の中で食べ物や寝床等何も無い中どう夜を凌ぐのか問題は山積みである。


ガサガサ


「!!?」


ガサガサ

ガサガサ

ガサガサ


「おい、マジかよ、、、何の音だよ...」


森の中に綺麗な円形に開かれたこの場所は正に恰好の的である。茂みや森の中から物音が次々に聞こえてくる。動物かそれ以外の生物なのか、嫌な予感が背中を撫でる様にすり抜ける。


ガルルルルッ


バウ!ワウ!!


グルルルッ


3匹の狼が飛び出てくる。見た目は狼だが、よく見ると角が生え牙は長く目は真っ赤に光る。


此方に向かって真っ直ぐ走って来る3匹は明らかに攻撃的で襲い掛かって来るのだと察知できた。


「おいおい!!何だよこれ!どうしろって...。ん?槍が光って...そうか。何となくだが分かる気がする、こうなったら思いっきりやってやるか!!!」


槍の刃先を狼型の生物に向けると光が強くなり次の瞬間紫色に発光し刃先から3本の稲妻が走った。それは狼型の生物に迸る様に突き刺さり丸焦げになった。


「この槍....。もしかして凄ぇ武器なんじゃ」


光は失っているがその存在感は隠すことができない。狼型の生物も気が付けば消えて無くなってしまっている。


ガサガサ

ガサガサ

ガサガサ


「!!!.....。おいおい、まだ居んのかよ!」


戦闘の音が聞こえたのか何かが再び近付いて来る。


「こうなったら、もう練習だ!とことんやってやるよ!!!」


その後、槍の練習は一晩中行われたのだった。


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