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トゥミ村①

「はぁぁ〜〜ん」


大きな欠伸をし体を伸ばしならラルパンを後にする健人。陽は登り始め間もない頃合い、人の目が少なく賑やかさも落ち着いている分名残り惜しさも紛れる。


「昨日は楽しかったなぁ。プッハハ」


アミットとミティーネに連れらて行ったのは昼食を食べた飲食店だった。大盛況しており大忙しといったところだったが個室を開けて貰いそこで日が変わるまで飲み明かした。その事をつい思い出し笑いが溢れる。


「最初はマジでその気なのかと思ったけど...。流石に未練が残るしな」


誘われた時は流石に勘違いしてしまった健人だったが祝勝会じみた空気感だったので何事も起きていない。


アルコールを臓器の負担なく高速分解する健人の肉体は酔いつぶれる事なく事なきをえた。逆に先に潰れてしまった二人を宿まで運び介抱した始末。


「二人には悪いけど...。あんなに呑んだら流石に半日は起きないだろ。」


書置きや伝言を何も残していない健人はその事を気にしていた。世話になったのは勿論、二人との相性は丸で最初から知り合いだったかの様で健人にとっても心安らぐ時間だった。


「取り敢えずは道なりにだな。ラルパン、一日しか居れなかったけどあの二人のお陰で最高の思い出になったな。」


疲れ知らずの身体は地を駆け次なる街へと旅立っていく。



ラルパンのギルドマスターに勧められたのはトゥミ村という村だった。規模としては普通だが観光スポットとなる場所があるお陰か人の往来はそこそこ。


トゥミ村を目指す道中、不思議な森を発見する。道沿いを少し外れたところ村までのショートカットになると思い飛び込んだその森には朝昼が存在しないのだ。


「凄いなこの森、なんで夜なんだよ。」


太陽の光が届かない訳ではなく森の中全体が夜なのだ。星や月の様な物が森から上を見上げると見え、蛍の光が更に夜を誇張させる。


「外からじゃ何も気付かなかったな。どいう原理なんだろ?これも魔法?」


途中で引き返そうと思い悩んだ健人だったが折角の旅と観光、元の世界では味わえない光景を前に進む以外の選択肢は無い。足を前へ前へとただひたすらに進める。


「蛍が多くなってきたな...」


青く光る蛍は数を増やし段々と一箇所に集まっている。それを辿るように森の中を進んでいく。


「おぉ!!!これはっ!!」


広がっていたのは黄金色を放つ泉、輝きは蛍を照らし金色へと姿を染めていく。泉の周りだけが照らされており切り取られた絵画の様な風景。


「すっすげぇ〜....。ラルパンのギルドマスターが言ってた観光スポットってまさかこれか?でも、人の気配は全く...」


周囲を確認しても全く人は居らず健人の五感も反応はない。モンスターを含む生き物の気配も蛍以外は感じず本当に切り離されている様に感じる。


「不思議な泉だな...。」


辺を歩き泉を眺める。暖色が温かさを運んでくる勢いだが実際は涼しく程よく気持ちいい。泉に触れるとヒンヤリと冷えきった水が波紋をうむ。


「冷たい...。凄げぇ水自体は透明だ...。なんでこんな光ってんだろ」


健人は泉の中がどうなっているか気になったが飛び込む事はしなかった。何故か罰当たりな気がしたのと服を濡らすのが嫌だったからだ。


「さて、行くか!」



森を抜けると陽は先程よりも高く上がり昼だった事を思い出させた。空気が涼しかった事もあり少し暑く感じるが気温の変化はある程度健人の肉体には関係ない。そのまま全速力で街の方へと駆けて行く。


「ふぅ...っと...」


そろそろ村が近い事を察知した健人は街道へと出た。この数日で自身の肉体にだいぶ慣れてきた健人は力の扱い方を掴み始めていた。それに加え魔槍のお陰で疲労や空腹・睡眠等を取らなくても動き続ける事が出来る為馴染むのも早いと言える。


「(この身体、凄いな。使えば使うだけ内側の筋肉が出来上がっていくのがわかるし。今ならなんでも出来そう)」


前を見つめ改めて出発する。速度は要らない、ただゆっくりと先へと進んでいく。



「おっ!見えてきた!!」


〜トゥミ村〜

数十人規模が暮らすこの村はとある観光スポットによって栄えている。都市や街程ではないにしろ村にしては人の往来が多く冒険者も来たりする。


「ここに有名な観光スポットがあるんだよな!人も結構多いみたいだし!楽しみだな!」


村の中に入ると小さい乍も出店を出しており良い匂いが充満している。匂いに釣られるがまま食事を購入し食べながら村を散策する。


「あんた見ない顔だね!観光かい?」


通りすがりに玄関前を掃除しているオバサンに声を掛けられる。親切そうな見た目で明るく元気がよさそうで。


「はい!今さっき着いたところで」


「アレを見に来たんだろ?パドレス城跡!村の中央から東に抜けてすぐにあるよ!」


「パドレス城跡?それがここの観光スポットですか?」


「そうだよ!アンタ、何も知らずに来たのかい?」


「有名な観光スポットがあるとしか。この村に来るまでに森の中が夜の森に入ったんですがそれは知りませんか?」


「森の中が夜?あんた何言ってんだい?」


「あ、いえ笑。すいません、態々ありがとうございます!行ってみますね!」


会話を終え言われた道を行く健人。森に関して何も知らなかったのは誤算と思いつつもパドレス城跡という単語に心を踊らせているのは間違いなかった。


「よしっ!行ってみるか!」


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