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現代魔術師の暇潰し  作者: 元音ヴェル
惑星魔改造(SF)
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金星開拓

 別の日。

 金星に漂う濃硫酸の雲を払うべく、異世界の資源を投下していく。

 二酸化炭素の大気を収納しつつ、異世界の空気缶を開けて入れ換え、マグマに海水を注ぐ。

 おっと、水蒸気爆発だ。


「魔物が次々と死んでますね」


 金星の赤道半径は6052キロメートルで地球の0.95倍、質量は地球の0.815倍、平均密度は水の5.24倍で、いずれも地球よりわずかに小さいだけである。また表面重力も地球の0.91倍。


 金星には水が無い、大気も96パーセントが二酸化炭素だ。火星と同じで酸化した岩が多く、水素は宇宙空間に逃げてしまっているという説がある。

 そこに異世界の海水を注ぐと、マグマが急激に冷えて固まる。大気の温度は490度以上あるが、それも冷えて下がる。

 さらに魔物と海水と空気缶を投下していく。

 洩れ出す空気は収納し、飽和したと思える海水も収納する。

 大気温度は50度。まだ暑い。


「海を凍らせてみよう」


 地熱や大気熱で溶ける際に気化冷却する。空気を凍らせるよりはゆっくりじっくりとになるが、熱を奪うよりは穏便に済む。

 しばらくして、海が完全解凍されると、大気温度は30度に下がった。


「人間を投下、じゃなかった、国ごと転位させて、植物とか魚もテキトーに配置しよう」


 50度だと植物もダウンするし。魚や虫は死ぬ。


「問題は病原菌だけど、魔法でなんとかなるでしょ」


「ご主人様、金星に魔素とか魔力は無いんですよね? あと、瓶詰め妖精は?」


「え、無くてもどうにかするのが魔術師や魔法使いだよ? ポーションで回復も限度があるし。瓶詰め妖精は祠を建てて、甘味を置いておけば大人しくなる」


「異世界の魔法使いが、ご主人様と同じならの話しですよね……」


 金星そのものは自転速度が遅く、磁場が無いからそのままだと、太陽フレアにさらされてしまう。

 しかし、異世界の空気や海、死んでいった魔物には魔素やら魔力があり、磁場の代わりにもなる。

 異世界の魔法使い達が、大気の重力やら魔素を体内に吸収していたとしても、魔物の素材や魔石から抜けて補充される。

 で、体力や生命力の余剰分が、魔法を使った後に残る残存魔素と反応して、魔力や魔素、チャクラ、気功等のエネルギーに変換されていく。


 要するに一発程度だど完全には無くならないから、残ったエネルギーに、生命力やら体力、精神力とかが反応するって事。

 ただ、リサイクルされた魔力は品質が良くないので、通常より多くの魔力を必要とする。

 魔素や魔力のリサイクルをすればするほど、燃費が悪くなり、いずれは無くなる。


 基本的に星のエネルギーが生命力やら精神力と反応して、魔力やら魔素になるけど、宇宙にはエーテルで満ちている。この世界線の宇宙も例外ではないね。

 星のエネルギーとエーテルが反応して魔素となるとも言われている。

 地球に魔素が少ないのは、満ちるより消費が上回っているか、大気に逃げないような仕掛けがあるんでしょう。知らんけど。


 異世界の連中も金星に馴染めば、千年くらいしたら自然と大量の魔素が出現するから、使いきっても魔法使いとしての職業は復活するはず。


 まぁ、大抵の場合は千年も、国として維持するのは難しいけどね。

 ……2600年以上も続く国が極東にはあるけど、例外みたいなものだよ。


「自転速度が緩やかだから磁場がない。……まぁ、磁場の代わりにした魔素があるとはいえ、そのままにすると使われてしまうか。うーん……。魔素を宇宙空間と金星の大気圏に、術式で固定しておけば保険にはなるよね」


 一日が約24時間である地球と違い、金星は自転するのにとても長い時間がかかる。金星の一日は、地球で約243日、地球で5832時間。一日が何ヶ月も続き、その間に太陽が昇ったり沈んだりするのは一回だけ。


 地球では一年を365日としているが、金星はそれとは異なる天体のリズムだ。金星の一年、つまり太陽の周りを回る周期は、およそ地球225日。つまり、金星の一年は、金星の一日よりも短い。


 また、金星は、太陽系のほとんどの惑星とは逆方向に回転しており、これは逆行回転と呼ばれる。その結果、金星では太陽が西から昇り、東に沈むという、地球の空での東から西への太陽の動きとは反対の動きが見られる。


 何故逆回転なのか、その一つの可能性としては、金星と太陽の間の重力相互作用が考えられるらしい。時間が経つにつれて、太陽の重力が金星の回転を遅くし、最終的には逆転させた可能性があるとか。

 まぁ、有力な説として、大昔、隕石の衝突による影響で、逆に回転するようになったというものもある。


「まるでサザ〇さん時空ね」


「ポケモ〇なんて、サ〇シは作中で一年の旅だったらしいよ?」


「朝日が昇る回とか、夜パートとかを数えたら、一年以上になりそうだけど……。惑星が天王星みたいな地軸だったり?」


 異世界の事だから何とも言えないけどね。



 異世界の建物や人間を転位させて、監視役の精霊も付ける。

 建物は基礎ごとなので、その分の地面は別の場所へと転位させたから、きちんと建物として自重やら荷重は支えられている。

 魔物は全滅したが、海には魚がいるし、植物もある。


「精霊に収納魔法への、アクセス権限を付与させておこう」


「……念のためなんでしょうけど、それで瓶詰め妖精がやって来たらどうするんです?」


「歓待して、お土産を持たせて、それとなくお帰りしていただく」


「それで水星の魔女が封印を解いたら?」


「前世の世界に追放するよ」


「……前世の世界に、行き来が出来るんですか!?」


「一方的に送るだけなら、ヤれるよ」


 帰っても前世は死体というか、墓になってるから、繋がりは無いも同然になる。

 いや、ワーロックに事情を話せば、仮の身分くらいなら用意してくれるだろうけどね?

 パイプとコネが太いから、マリア教でも、冒険者ギルドでも顔が利くヤツだし。

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