表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代魔術師の暇潰し  作者: 元音ヴェル
スポーツマン・シップ(笑)
9/141

キス顔

「いいよー。部活してモ」


「バスケやソフトボール、サッカーがあるわね。近くには空手の道場もあるから、部活しないなら、空手をしてもいいわ」


「なら、来週の月曜日の放課後。いや、昼休みに先生に話してから、放課後体験入部してみよう」


「……えっと、ありがとうございます」


「いいのよ別に。天気君のお母さんから貰うし。……拒否したら警察にタレこんで、親権手放させて、児童養護施設に一旦行ってもらうけど、すぐに手続きして私達の養子にするだけだし」


「私、弟欲しかったんだよね」


 野球マンガの主人公は、親戚をたらい回しにされて、亡き父親の交際相手に引き取られたりしたので、血の繋がりがなくても経済力があれば、養子縁組みのような事は出来る。

 たぶん、きっと、メイビー。


(彩華、気が早いなぁ)


「……お、弟」


「あ、彼氏でもいいよー。確か再婚した子の男女は結婚も出来るし?」


「お父さんと結婚する約束ワ!?」


「天気君はお母さんと結婚するんだよね?」


 彩華の母親の目が怖いので、彩華を楯に後ろへ隠れる。おね、ママショタは犯罪になりそうだし。

 若いツバメにされそう。


「天気にフラれたら……私、お父さんと結婚する!」


「リピート・アフター・ミー」


 お義父さん、アンタはロシア人だろ。ロシア人なら英語じゃなくてロシア語で、いや、ロシア語で繰り返してくれって難しいか。

 彩華は聞き取れそうだけど、ネイティブなロシア語は、なんてって聞き返しそうだし。


「まったく、タメたんだから察してよね。……私、大きくなったらお父さんと結婚する!」


「ありがとう。娘に言われたいセリフの一つだったノデ、つい……」


「天気君?」


 ……言わねばダメか。この流れは。

 彩華の隣に立ち、彩華の顔色をうかがう。オーケーのようだ。


「僕、大きくなったらお義母さんと結婚する!」


「ありがとう。明日はお赤飯にするから」


 何で?

 何で、彩華は期待した目で見てるのかな?


「……彩華、交際を前提に結婚して下さい」


「逆! ファミレスのマンガネタだし!?」


「録音しタ。言質が録れた」


 それは、脅迫になるのでは……。ならない?


「天気」


「お義父さんパス」


「天気君」


「え、お義父さんガード!」


 どうして彩華のキス顔をお義父さんに投げたら、お義母さんがキス顔してくるんだ。アンタ旦那の前だぞ。


「……モテモテだな、息子ヨ」


「お義父さん、なんで腕を広げてるの?」


「親愛のハグさ」


 本当かな。映画とかだと抱き合ってキスする場面が多いぞ? あと、僕はノンケだ。


「……BSS。いや、WSSだし。おねショタ、ママショタなNTRに、親子BLは脳破壊だし!」


 真横で呪文詠唱すんな!


「彩華。返事は……」


 ……あの、キス顔は返事とは言わないのでは?


「お父さん、天気君を後ろから押して。私が彩華を前に押し出すから」


「……ちょっと待って、ママ」


 お義父さんが血の涙を流してる……。まぁ、父親としては娘を嫁に、待ってこれ婿にならないか? 気にしすぎ?

 え、彩華とお義母さんはノリ気だけど、本当にキスしていいの?

 頬っぺた? 唇? おでこ?

 いや、キス顔だから口でいいのか。

 ……せや、手の甲じゃダメですか?


「彩華、お手を拝借」


「ん?」


 彩華の左手を掴み、手の甲へキスする。


「オー……リテイク!」


「お父さん、何でスマホを構えてなかったのよ!」


「ごめんネ。押せって言ってたから」


 お義父さんとお義母さんはお気に召したようだ。中世の騎士の貴族令嬢への愛を示すやり方に。確かこんなんだったはずだけど。

 彩華は納得していないが、これはコレでアリの様子。


「……天気、私の薬指を口にくわえて」


 ノってきた。誤魔化せた。八方丸く収まったし、僕の勝ちじゃね?


「歯形つける?」


「最初は甘口で。撮ったら歯形付けて」


「僕にもする?」


「する!」


 めっちゃ食いつくジャン。


 ねっとり骨をしゃぶるように薬指を舐め回して、くわえている所をスマホで撮られる。

 彩華はくすぐったいのを我慢して、変な喘ぎ声が出てしまい、頬が紅潮して、自然と恥ずかしそうな感じで、カメラへ目線を向けた。

 歯形を前歯で付け、角度を変えて一周させたように、歯形のリングを作る。

 彩華の薬指を離して撮り、薬指のリングを見せつけるように構えつつ、天気もカメラ目線になると再び撮る。


 次は彩華が天気の左手薬指を舐め回していく。

 歯形のリングを作って撮り。二人で指輪を見せるように構えて、また撮る。


 何故か彩華の両親の薬指にも歯形のリングを作りーー天気がお義母さん、彩華がお父さんでーー最後は四人で、ポーズをとって集合写真を撮った。

 これでもし別れたら黒歴史よりヤバい。彩華に、いや、久野一家総出で刺されるかも。

 ナイス・ボートはご遠慮被りたいなぁ。


「天気の子、産む」


「女の子産むのかー」


「男の子も産む」


「お母さんも弟か妹を産む」


 そう言って、お義母さんは天気の耳元で更に囁く。


「天気君の子供でもいいわよ」


 何言ってんだこのショタコン。寝言は寝て言え。

 彩華もお義母さんを、ブタを屠殺するような、ゴミを見るかの如くヤベー目で見ないで。ハイライトさん戻って来てくれ!

 お義父さんは、スマホ触ってて気づいてないし。


(彩華ガードを覚えなきゃ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ