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現代魔術師の暇潰し  作者: 元音ヴェル
惑星魔改造(SF)
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オペレーション・メテオ

 某日。隕石が衝突するという情報が世界中にリークされた。

 NASAはソシャゲガチャで大当たりを引く程度の可能性だと、何度も口を酸っぱくして言うも、インフルエンサー達は特ネタに飛びついて振り回す。


聖なるクソ(なんてこった)! 煩わしい連中めが!!」


 NASAの職員達は激おこプンプンである。


 リークから数日後。

 アクシ〇サイズの隕石が、軌道を変えたという報告が来た。

 地球に落ちれば地軸が変わるし、終わらない冬が訪れる。

 エヴ〇と違って常夏にはならないのだ。核の冬は甘くない。地球の真・冬将軍がアップを始めた。


 某日。隕石の情報がニュース番組で幾度も取り上げられる。

 その最中、日本各地にある等身大ガンダ〇達が、プログラムにない動きを始めた。


「電源を落とせ! モーターが焼き切れるぞ!」


「ダメです! 止まりません!」


 ガンダ〇、フリーダ〇、ユニコー〇、ニュー、そして建造途中のウイングゼ〇がバーニアを吹かして、大気圏を突っ切って単独で地球を離脱していく。


「バーニアなんて飾りなんだが!?」


「何で単機で、地球の重力を振り切れるんだよ!?」


 ウイングゼ〇はどこからかパーツが出て来て、変形しつつ組み合わさり完成して飛んでいった。


 ファースト、ニュー、ユニ〇ーン、フリ〇ダム、ウイン〇ゼロの機体が、月軌道のラグランジュ・ポイントにて終結する。


「す、水星、金星、火星からエネルギー反応!」


 水星からエアリア〇、金星からはスターゲ〇ザー、火星からはスノーホ〇イトが、月軌道へと空間短絡して現れる。

 ファースト達と合流し、腕を交差させて関節と手首を、固定した上で手を握り合い、八機が連結一体化する。


「なんで掌位(しょうい)?! なんでバルバド〇じゃないんや!?」


 アレ、宇宙適性というか、宇宙空間を動くためのサブ・バーニアが思ったより少ないんです。

 スノーホワ〇トはゼロの系譜なので、たぶん、そこそこ動けるはずだし?

 プロトタイプのリバイバル的な機体だから、サブ・バーニアが付いてない可能性もあるけど……。

 メッサー〇バーク持たせてあるから、火力はある。


 掌位により、各機体との動力炉や速度が均一化され、機体スペックを上回る加速を実現した。

 一気に衝突コースの巨大な隕石へと近付き、掌位を解くと、手持ちの火器でペイント弾を撃ちまくるガ〇ダム達。火器が無い機体はペイント・ボールを投げつけていく。

 隕石はたちどころに白く染まり、太陽光を受けて速度が鈍る。

 更に後方へと回り込み、全機が協力して後ろから隕石を押していき、衝突コースの軌道も曲がって斜めになる。


 また、減速出来なくても隕石の移動速度を加速させると、地球の手前を通過するか、大気圏に突入する際に弾かれやすくなるとかがある。

 なので、白いペイントによって光が反射する作用反作用で減速しつつ、後ろから押す事で軌道も変えられるのだ。

 そして、コックピットのみのサイコフレームとフルサイコフレームの、ニューとユニコー〇が共鳴し、押す力が強くなる。

 ウイングゼ〇とスノーホワイ〇、エアリア〇の情報領域がシンクロしていき、パメ焼きの如く発光する。

 ヒイ〇もゼロから出た時は謎の発光をしていたことがあったが、アレは一種のデータ・ストー〇のような状態だったのだろう。

 ならば、エアリア〇とパーメッ〇が同調してもおかしくはない。

 三機が同調する傍ら、世界観繋がりがあるニューとユニコ〇ンとファーストが同調する。

 無論、ユニコー〇は普通モードのままだ。変形したらニューやエアリ〇ルが壊されるので。


 また、ドラ〇ーンとファンネ〇、ビットを持つ機体同士も共鳴し合い、フリ〇ダムと〇アリアルとニューの連携で筒状の配置になると、ス〇ーホワイトとウイング〇ロのツインバスター・ライフルにメッサーツバー〇が装着され、その後ろにユニコー〇とファースト、スターゲイ〇ーが抑えに控えている。


「ド〇イツバーク・ツインバスタードッペルト。ダブルで発射よっ! セイクリッドーー」

「ーーレイン!! いっけー!!」


 片方のバスタードッペルトで、月を半壊せしめる威力を出す。それが二つなので、月程度は全壊出来る火力となる。

 隕石の進む方向に向けての全力全開な攻撃で、ファンネ〇のトンネルで更にエネルギーが収束と加速をしていき、直撃箇所から破損していく。

 反動にスノーホ〇イトが負けかけるも、ファーストとスターゲイザ〇が吹っ飛ばないように支える。


 大小無数の塊を各々でさらに細かく砕こうと動く手前で、コレは使えると思い立ち、それぞれが選んだ隕石の欠片の影に入る。


「これこそが、オペレーション・メテオってね」


 エア〇アルは水星に、スノー〇ワイトは火星に、〇ターゲイザーは金星へとテレポートで送り返す。

 水星は封印の強化に使えるし、金星も隕石が濃硫酸の雲によって化学反応を起こす。火星は資源としていくらでも使い道がある。

 大小の欠片の大半を三等分して、残った五つの欠片を地球の衛星軌道上に、テレポートで配置していく。


 欠片の影から隕石を押して、世界各地へとガンダ〇達が落ちる。

 ニューはアメリカではなくイギリス、フリーダムは中国、ユニコー〇はサウジアラビア、ウイングゼ〇はロシア、ファーストは日本へと、隕石を盾に大気圏突入して、軍事施設を強襲して破壊するのだ。

 ニューがアメリカではないのは、ちょっと前にボコボコにしたから。


 各国の動きは様々だった。

 イギリスは日本に抗議して、ニューへと空母艦隊が動くも、戦闘機はファンネ〇・バリアに当たって撃墜されてしまう。

 ロシアも日本に抗議し、空軍がウイングゼ〇とドッグファイトを行うも、後ろを取られた上に体当たりされて次々と撃墜されていく。


 サウジアラビアはユニコー〇が現れても動かない。砂埃で精密機械が壊れるのを待っているのだ。

 神に最も近づいた機体を、ナメてもらっては困るというもの。そもそも宇宙空間は砂漠よりも危険な環境なので、密閉や防塵性能は高い。多少は傷つくも、そこはユニコー〇。変形して結晶まみれになれば直せる。

 悠々と戦車を踏み潰す。戦車砲は効かない。地獄の鬼ごっこの始まりだ!

 中国は報道官の強い口調から始まるも、フリーダ〇のマルチロックとハイマ〇ト・フルバーストを甘くみていた。

 戦車や戦闘機、駆逐艦を次々と撃破したり、擱座(かくざ)させつつ、毛沢(けざわ)(あづま)さんの似顔絵を吹っ飛ばす。


 見ろ! コミーがゴミのようだ!


 思想が赤いと万能感を得られる。故に赤子は両親から無償の愛を得て、両親は我が子に無限の可能性を夢見る。

 愛は赤い、思想も赤い、両親が赤いと赤ちゃんも赤い。

 国民が赤いと国も赤いし、国が赤いから国民も赤くなる。

 寝言は死んでから言えと、孫子は教えなかったようだ。


 日本は遺憾の意を内外に唱えつつ、憲法九条と専守防衛を掲げて、ファーストに生身の人間が立ち向かう。

 幸い、二度の大気圏出入りにて、長時間の滞空性能は無くなっている様子。

 ならばと、自衛隊の第一空挺団が落下傘降下で、上から押さえ込みつつ接近する。それに宮内庁や神社庁の護衛が参加した。


「陛下の御下命です。機械の塊が帝都を脅かすとは。許してはおけません」


名護屋川(なごやかわ)は腕を焼いてくれ。天白(あましろ)はヘッド・ショット。長谷部(はせべ)は脚を、俺はコックピットを破壊する」


「分かったわ」


「核融合炉はどうするんだ?」


「モーターとかしか積んでないそうだ。鉄板と配線、制御盤とモーターの塊。何で飛んでいったのかも不明だとさ」


「なら、核融合炉もありそうなんだが?」


「それは無い。積んであるなら、大気圏を出ていく時に壊れているはずだから、らしい」


折雅(おるが)、誰の発言なんだ?」


「おハゲの会長だ」


 産みの親直々の発言力、あ、あんた程の実力者がそう言うなら……。的な畏怖が長谷部に浸透する。


「今回は軍曹にも手伝ってもらう。宜しく頼むぞ?」


沙穂(さほ)に任せろであります!」


 バンダナで左目を隠す女性が元気良く返事をする。自衛隊のリーサル・ウェポン。黒井(くろい)沙穂(さほ)軍曹。

 折雅(おるが)の友人であり、名護屋川達とも知り合いだ。刀を用いた近距離戦闘をする。


「軍曹、敵機の背中を切れ」


「了解であります!」


 降下地点にヘリが到達し、ベルがけたたましく鳴り響く。開くハッチから次々とパラシュートを背負った自衛隊員が飛び降りて、ファーストの頭上から迫る。

 パラシュートを予定高度で開き、風に流され過ぎないように操りつつ、アサルト・ライフルで射撃する。高度から地上への射撃、加えて落下傘を他の隊員に接触させないように気を配る必要もあるし、建物への被害を最小限に留めるように指示されている。

 ファーストは建物や道路の上に着地しても、何故か陥没や倒壊しない。だが、車や標識、自販機、街路樹、信号機は壊れたり、潰れたりしている。

 不思議なのは避難が間に合っていない、ドライバーや乗員が巻き込まれても、無傷で潰れた車の近くへと(うずく)っていること。死んだと思ったら、なんでか生きてるから唖然としている人が多い。


 ファーストは頭部バルカンを撃ちまくるし、ビーム・ライフルを振り回しては、たまにヘリを撃ち落とす。

 落下傘に穴が空いて、地上へと墜ちていく隊員や、ヘリごと墜ちていく隊員が建物や高架橋の外壁にぶつかるも、何故か無傷。


「炎獄! 打ち払え!」


「拡散、マルチプル・シュート!」


 天白がバルカンごと頭部へ攻撃し、名護屋川がビーム・ライフルごと両腕を燃やす。

 黒井が背中のバックパックを切り裂き、長谷部が片方の脚を半ばまで断つ。


「ぐっ! かってぇな!!」


「沙穂の刀が、折れたのであります?!」


 長谷部の剣も折れて半分になった。

 合金からルナチ〇ニウム製へと変化しているのだが、十万前後の刀でバックパックを切り裂いて、機能停止に追い込んだのは、(ひとえ)に黒井の技量が成せる業である。

 長谷部の剣も百万前後のモノだが、ルナチタニ〇装甲の脚を斬った。コイツらオカシイよ。


「竜気、三叉(さんさ)!」


 三方向から打撃を打ち込み、中で交わる部分にて破壊力が増す業だ。ガン治療による、ガンマ線を治療の攻撃転用と思ってもらえば分かりやすいだろう。

 コックピット部分に制御盤が集中しているので、内部破壊が完了する。


折雅(おるが)、合わせなさい!」


「天白流、ダインスレイブ!」


「炎獄、綿貫(わたぬき)!」


「竜気、覇爪(はそう)!」


「剛剣、破断!」


「コンバット・ナイフでありますが、一閃であります!」


 鉄を、いや、バルバ〇スすら貫く一矢が、折れた剣での斬撃が、竜の爪を模した一撃が、ナイフによる瞬剣(しゅんけん)が片膝を着いたファーストのボディに突き刺さり、細長い太陽のプロミネンスが空間を短絡して出現し、地上から蒼天へと噴き上げる。

 流石のガンダ〇も太陽の一部には耐えられなかった。




「おぉ、やるね。倒しちゃったよ。名護屋川さん達」


「よそはミサイルを射ちまくっても、てんで当たらないから発狂してるわ。面白ーい」


 世界中を震撼させた、オペレーション・メテオは、日本単独勝利で終わった。

 イギリスと中国とロシアはミサイルを失い、サウジアラビアを含めた中東では戦車が大量に潰れた。

 恐ろしいことに、記録映像にはガンダ〇達がほとんど映っていなかったりする。

 最初のガンダ〇達の出撃は映っているが、エアリア〇達が合流した後は不鮮明。

 地球へのオペレーション・メテオも不鮮明で、勝手に戦闘機が撃墜されていく上、戦車も勝手に潰れているという結果が残る。レコーダーもカメラも当事者の叫び声のみ、レーダーにイージス・システムすら誤作動という記録だけが残った。


 世界中の軍事力が軒並み、第二次世界大戦よりも前に巻き戻った形となる。

 世界のパワーバランスは、日本以外でなんとか均衡しているが、軍事力の復興よりも経済の復興に力を注ぐべき、との主張が多い。

 アメリカを筆頭に軍事力が減った国々は、減っていないインドや日本を警戒していく。

 見えない第三者が居るという陰謀論も出てきた。


 インドとパキスタンは、いつガンダ〇が現れてもいいように、軍事力よりも避難場所や非常食の備蓄を始める。

 戦いにならないのは他国を見てよく分かったから、現れたら無視する構えなのだ。

 情報を整理してみると、人的被害は軽微、物的被害も、戦車や戦闘機、ミサイル等を除けば出ていない。

 つまり、空騒ぎしているだけとなる。


 日本はある意味で平和ボケ。いつも通りの日常を送っている。

 ガンダ〇を作っていた会社や関係者の謝罪行脚(あんぎゃ)があっただけで、ガンダ〇の開発成功と喜ぶ連中はいない。

 政府も他国の非難へは遺憾の意を表面するのみ。

 中国だって黙るしかない。強く言ってガンダ〇を差し向けられても困るし?

 生身で飛んでるロボットを相手に出来るほと、中国拳法は強くないのだ。

 日本だって飛べないガンダ〇が相手だったから何とかなっただけで、ニューとかが相手だと蹂躙待った無しとなるだろう。なるよね?

 いや、名護屋川さん達なら、ウイングゼ〇やニューも相手取れる可能性が微レ存……?


 ともかく、日本は別に個人プレーを繋げたチームワークで成したことなので、強く自慢することではない。

 分かったのは、イギリスに魔法使いはいないし、ロシアやアメリカに超能力者は居ない事だけ。

 ……なんで日本に超能力者が集中しているのか、これが分からない。

 まさか、隕石がまだやって来る可能性があるから、超能力者を集めて地球の自転速度を上げ、公転軌道上を速く進ませる必要があるとか?

 昔のマンガに、ゲームを通して超能力を鍛えて、世界中の超能力者が集まり、自転を早めることで隕石を回避する、とかいうのがあったけど……。

 アメリカやロシアは、まだ隠している可能性もあるかな?

 日本にも超能力者がいる以上、エック〇メンみたいな組織が、あってもおかしくはないし。

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