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現代魔術師の暇潰し  作者: 元音ヴェル
惑星魔改造(SF)
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デン、デン、デン、デデデン

 某日の朝。アメリカ合衆国のニューヨークに未確認飛行物体が現れ、空を覆う。

 ぶっちゃけるとイン〇ィペンデンス・デイのようなUFOである。

 ペンタゴンは大慌てで空軍と海兵隊、宇宙にある人工衛星を使ったサイバー部隊をスクランブル出動。

 陸軍と州軍、警察は避難誘導を行う。

 さらに映画の関係者とコンタクトを取り、参考資料と比べていく。

 クソッタレなほどに似ていることが分かった。


 巨大な円盤がとあるビルの上空にて、下方にあるエネルギー砲の発射を行おうとハッチを開き、青白い輝きが集中していく。

 展開を知っていて逃げる人々と、映画を知らないで真下に集まる人々に分かれ、大混雑して避難は進まない。


 陸軍の自走砲と空軍と海兵隊の戦闘機が、エネルギーが集中している砲門部分へと、ミサイル攻撃や砲弾を浴びせかけるも、バリアによって阻まれた。


「聖なるクソ! ……俺がいく。家族に愛してると伝えてくれ! ロックンロール!」


 教導官を勤めた経験と、熟練のパイロットである年長の一人が、残りのミサイルを発射せずに円盤の下方へと突っ込んでいく。


「独立記念日は三日後だ、タコ野郎! いや……よう、お前ら! 帰って来たぜぇぇ!」


 光りに包まれながら真っ直ぐ、上のエネルギーへと向かいながら叫ぶ。

 次の瞬間、下方が爆発し、上方の円盤も立て続けに誘爆していく。

 浮遊していた巨大な円盤が、ニューヨーク市のど真ん中に墜落しようとする映像が、各地に流れた。


「あー……。知ってる人は対処方を実戦しちゃうかー」


「まぁ、有名なワンシーンだから」


「一発撃った後にやると思ってたけど、流石に軍人は甘くないね」


 墜落してとんでもない被害を出すはずの宇宙船は、何故か空中で忽然と消えてしまった。

 ペンタゴンや軍は血眼(ちまなこ)になって捜索したが、見つかったのは突っ込んでいったパイロットの生存報告のみ。



 某日の昼間。アメリカのロサンゼルス上空に、またもやUFOが飛来する。

 今度は円盤じゃなく、戦艦タイプ。ぶっちゃけ、スターウ〇ーズの宇宙戦艦だ。


「デス・ス〇ーを探せ! この宇宙戦艦は囮だろう。月はどうだ!?」


(ペンタゴンの対応が早い)


 戦艦タイプは一隻から五隻に、いつの間にか増えた。ことここに至って囮の方もヤバいと感じたのか、海兵隊と空軍がスクランブル出動する。


 戦闘機による警告を発すると、戦艦タイプから宇宙空間対応の戦闘機が出撃してきた。

 指令部に問い合わせ、機関砲を警告射撃すると、敵戦闘機もビームを発射して威嚇仕返す。

 ドッグファイトが始まるも、敵戦闘機は曲芸飛行したり、ワープして戦闘機の後ろを取り返すことをしてきた。


「テメェ、スクリーン(映画)じゃワープしなかっただろうが!」


 特別仕様です。


「……分が悪いな。いや、戦艦タイプが撃って来ないだけマシか?」


「敵宇宙戦闘機の一部が、ロサンゼルスのロング・ビーチに着陸しました!」


 陸軍と州軍がウィングのような戦闘機を囲む。

 ハッチが開き、搭乗員が降り立つ。


「……なっ!? 聖なるクソ!!」


「げぇ!? み、みんな、さ、下がれ!」


「コー、ホー。コー、ホー……」


 黒い鎧武者のパイロットが右手をかざすと、複数の装甲車が浮き上がり、全て海に投げ捨てられた。

 どうみても、ダース・ベ〇ダー。オリジナルよりかなり小さいが、フォースとか威圧感で大きく見える。

 フォー〇・グリップで銃火器を没収された軍人達は、及び腰でさらに下がる。

 BGMがどこからか流れてくる。いや、戦艦タイプと飛び回る敵戦闘機、着陸した戦闘機が流しているのだ。

 インペリア〇・マーチに呼応してか、暗黒卿が細い金属の棒をベルトから取り出して構えると、赤い光刃が出現した。


聖なるクソ(ホーリー・シット)! 撤退しろ!」


「聖なるクソ! 聖なるクソ!」


 ほとんどのアメリカ人にとって、恐怖の象徴ともいえる。アメリカが誇り、アメリカを代表する作品であり、アメリカの神話。

 そのアバターが、シ〇の暗黒卿。

 しかし、勇敢なヒーロー精神を持った軍人が、手榴弾を暗黒卿へと投げる。それをセイバーで切り裂き、ほとんど無力化した上に爆風もフォースで散らす。


 やっぱりムリ! 誰かジ〇ダイの騎士を連れて来い!


 海兵隊の一個小隊が殿(しんがり)となって、州軍や警察の人員を逃がす最中、茶色いローブをまとって顔を隠した人物が進み出ていく。

 暗黒卿と同じくらい小さい背丈、ローブのゆったりした服装で女か子供かも分からない。

 その人物を助けようと海兵隊が近づくも、金属の棒を握った右腕で制される。

 出現する黄色い光刃。


 騎士居た! ジェ〇イ・テンプルや! 暗黒卿にも何とかなるはず!


 一縷(いちる)の望みを見出だした海兵隊は下がり、ほとんど勝手に託されつつも、ローブと武者が向かい合う。


「前回は勝ちを譲ってやったが、フォースの冥界から帰還した今回は、譲ってやらんぞ」(映画のこと)


「抜かせ、今度こそ決着を着けてやろう。もう見逃がしたりはしない」(ドラマのこと)


 激突する黄色と赤色の光刃。

 回転させつつ振るうと、空気を切り裂く音が短く木霊(こだま)する。


 蛮勇な陸軍が戦車砲を二人へと向けて発砲するも、砲弾は途中で軌道を変えて逸れてしまう。


「聖なるクソ! 真剣勝負に横槍しても通じないか!」


 水を差された返礼は敵戦闘機のビーム。

 爆発四散する戦車だったが、中の人員は何故か無事だった。


(やっぱりコッチが、効果覿面(てきめん)だったかー)


(赤い双刃と白い二刀流は迷ったけどね)


 暗黒卿に(ふん)する天気と、ローブの頭部が脱げない謎の師匠(ケノービ)に扮する彩華君。TS薬をキメて来たので、丸一日は男の子である。


 敵戦闘機と戦艦タイプの宇宙船は、スターウ〇ーズのテーマソングや帝〇のマーチを垂れ流しつつ、空軍や海兵隊の戦闘機をビームで叩き落としていく。

 破壊的ビームに見せ掛けたトラクター・ビームなので、無理やり海面へと不時着させて、戦闘機のエンジンを海水に浸して壊すため、人的被害は軽微だ。

 海に捨てられた装甲車の運転手も、こっそりテレポートさせて陸地にいる。

 宇宙戦闘機と宇宙船は魔導具のホログラムなので、トラクター・ビームもサイコキネシスだったりする。

 円盤タイプもホログラム。誘爆もホログラムによるものだ。消失はホログラムを切っただけ。


 極めつけは映像には多少残るが、記憶からは残らない点。思い返すまで、あぁ、そんな事もあったな。で済まされるアメリカどころか、世界規模の改変。

 しかもこの認識改変、世界か存在Xが勝手にやっているので、天気や彩華には何の負担も無い。

 世界規模のはた迷惑極まりない、チャンバラごっこである。


 二人はおよそ二時間は殺陣を続け、空軍がB-29とかの骨董品を引っ張り出したり、レシプロ機で宇宙戦闘機とやり合う、戦後生まれのパイロット達が居たりもしたが、ほとんど飛ぶだけで手一杯だった。

 まぁ、中には昔とった杵柄で当ててみせた爺さんもいたが、流石にバリアは抜けなかったようだ。

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