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現代魔術師の暇潰し  作者: 元音ヴェル
スポーツマン・シップ(笑)
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幼馴染なメイド

 天気は鬼ごっこで絶対に捕まらなかった。

 走る速度こそ周りの園児と同等だが、魔法で地面に見えない氷の板を発現させて、鬼役の園児を転ばせたり、魔術で一定時間、突風を一瞬だけ吹かせて、目を腕で防がせている内に身をかわす。


 彩華は隠れんぼが得意だ。本当に見つからない。なんなら監視カメラにも映らないときた。

 光学迷彩とか、熱光学迷彩とかを忍術でやってそう。砂場に潜っても服が汚れてないし。

 また、意外と陰が薄いので、天気の背後に回り込む事もしばしばある。

 天気も隠れんぼは強いが、彩華に見つかるので、鬼役が彩華だと保育園の屋上にいても捕まる。


 缶けりすると二人とも捕まらないし、どちらかが鬼だとほぼ一方的になる。

 ワルガキだろうが、クソガキだろうが、缶に近づいたら転ぶか、空振るので隙となるのだ。


 天気が本気で魔術を使うと、天候すら自由自在に出来るので、遠足当日は必ず晴れる。

 台風もコースを逸らすし、地震も威力やら揺れを抑えてしまう。

 あと、畑の芋類は大収穫となる。サツマイモは畝の横であるマルチの外側まで根を張るのだ。

 普通はあり得ないので、全部の畝ではやらないが、外側の畝は芋がデカいとか、小ぶりで数が多いとかはする。

 先生の目を盗んで数を増やす事もやる。クソガキががめついとか、ワルガキが他の園児のと交換したりした時とかの保険だ。


 彩華は掘るのもうまい。長い芋を途中で折ったり、スコップで芋を傷つけるとかしないのだ。


「空蛇衝した方が早い」


「アレって地割れじゃないの?」


「加減すれば割れる衝撃で、芋だけ飛び出させる。クソガキとワルガキとメスガキを代わりに埋めてしまえば、等価交換にもなる」


「等価交換って何?」


「えっと……。モノとモノの交換が出来る回数、だったはず」


 絶妙に間違えてない解答というか、説明に天気は納得しておく。



 物々交換に近いし、等価交換はいずれ交換出来なくなるし、交換レートの要求がエグくなる。

 だから手足と肉体を持っていかれる事になるし、持っていかれた手足と肉体の返還要求も、少し色を付けたら通る。

 まぁ、色を付けた中身が、錬金術という能力自体だったりするが。

 ちなみに、錬金術を失った人が再び錬金術を使えるようにするには、他人の人体錬成に相乗りして手足と寿命、嫁の肉体を捧げればたぶん使える。

 相乗りとはちょっと違うが、炎使いが罠に掛かって人体錬成したら、視力を失なった経緯があるので、恐らく相乗りや間借りは可能だろう。

 弟の肉体は母親の復活で持っていかれたので、自分の錬金術そのものには等価対象とはみなされないだろうし。自分の人生に関係するモノの中で、価値が高いモノが等価レートに挙げられるはず。

 自分の人生と弟の人生は噛み合わない部分があるし、嫁の人生は噛み合う。結婚式で誓い合う以上、神への誓いは真理への誓いにも等しいのだから。



「忍者って錬金術使えるの?」


「うーん。医療忍術とか回復魔法って、傷を癒すじゃない? 錬金術で手足が治るというか、生えるクライマックスがあるから、出来てると思うわ」


(強引な曲げ方だなぁ……。まぁ、確かに、魔法で肉体の傷が治るのも、魔力を回復力に変換してるとも言えるけどね)


 彩華は天気と同じくらい頭が良い。いや、地頭の回転が柔軟で早いのか。

 ひょっとしたら天気と同じなのかも知れない。



 体を動かす遊びはまぁまぁ楽しい。

 おままごとも昼ドラ風なので、テレビドラマを元ネタとしてやるから、そこそこ面白い。

 が、犬役はちょっと飽きてきた。

 他人の演技と言えど、園児のやり取りだから、そこまで洗練されている訳でもないし。


 彩華の家に帰ったら、天気はご主人様として振る舞う。

 彩華の母親も知らない、いつの間にか用意されている、メイド服に着替えた彩華が、コップに水を注ぐか、雑巾がけするのを見守るかなのだが。

 ちなみに、白黒に近い布を勝手に使って、彩華があまり着ない服の上から当て布して縫った、なんちゃってメイド服だ。

 彩華としては、スカートをめくったりして邪魔をして欲しいのだが、彩華の母親がおままごとを見ている前で、天気はこれどうしようとばかりに、彩華の母親と見つめあっていたりする。


「……これ、触ったりした方がいいんですか?」


「お母さんは、女の子に優しくして欲しいと思うの。して欲しい事を全部していたら、ワガママになってしまうから、ダメよ」


「ご主人様、ダメメイドを叩くんですよ。ほら、お尻とか」


「……泣いていい? おままごとなんだよね?」


「え、何で泣きべそかいてるの!?」


「お母さんも泣きたいわ。こんなの、お父さんには見せられない。天気君の頭にコブが出来ちゃう」


「お仕置きはお尻ぺんぺんが定番だよね?」


 違う、そうじゃない。ズレてるんだよ。いろいろと。


 変な空気になったり、空腹なので夕食を食べる事にした。

 配膳も彩華が手伝う。天気が動くと怒るので、天気は彩華を目で追うだけにする。


「この子、本当にウチの子? 三歳?」


(なんか怪しまれてるよ、彩華)


(大丈夫、私はメイドさん。メイドは出来て当然!)


 コイツ、テレパシーで脳に直接!? 的なアイコンタクトのやり取りをする二人。

 ファミ〇チ下さい。なノリなので、テレパシーではないが。

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