膜チェック
ある日、彩華はシズル、リノ、お母さんとリビングで麻雀をしていた。
賭けるのは衣服、ヘアゴムやカチューシャ、上着、下着、ズボンやスカート、靴下の五回で全裸になる事。つまり、脱衣麻雀だ。
珍しく天気とは別行動、というか、天気はイカサマ・チェック要員として立ち会う。
「超簡単なローカル・ルールの、数字は何でもいいから緑一色で揃える、字牌と白い牌で揃える、丸の牌で揃えるとかでロンとする。良いかな? イカサマしたら衣服を脱いでもらうからね」
「オッケーよ」
「頑張ってみます」
「弟君に良いところ見せるから!」
「お母さん、あんまり運がないから、ちょっと心配~」
動物の〇医者さんとかでやっている、ある意味運が絡むルールの麻雀対決だ。アレは健全な対決だったが、久野家はイロモノな対決となる。
最初に全裸になった人が負けだ。
「彩華、イカサマはダメだからね?」
「分かってるって。……一回だけ、やるだけだから」
「フリじゃねーし」
しばらくして、お母さんが二回、シズルが三回、リノが四回、彩華が四回脱いだ。
「なんで皆、下着を脱ぐために上着とズボンを脱いだあとに、また上着を着るの? お義母さんは分かるけど、彩華達はスカートを脱ぐ必要ってあるのかな? あと、恥じらいをもって」
「ご主人様、恥じらいはあるわ。恥ずかしいのを我慢して、下着からわざわざ脱いでるだけよ」
「そ、そうです」
「弟君、お姉ちゃんを見てドキドキした?」
「彩華のにはドキドキしたよ」
彩華はちょっとだけ、ウマぴょいした仲なのにとか思ったが、でも裸というか、ストリップでも興奮してくれるのは嬉しい。なのでやや顔を赤らめる。
更にしばらくして。
「あ、イカサマ」
「む……手元が狂ったわね」
「はい、彩華ちゃんの負けよ」
「いや、今のワザと……」
「あ、この局面でするんだ」
彩華は最後のヘアゴムを取り外し、ほぼ全裸から完全な全裸になった。
……こち亀のネクタイのみ着けた刑事なみの状態だが、大の男と違い、ロリの全裸なので犯罪臭がスゴい。
とはいえ家の中で、お母さん以外は小学生なので、まぁ、羞恥心が麻痺しているだけだろう。
「彩華抜きでーー」
「ーーまだヤるわよ」
「……何を賭けるのかな?」
「処女かどうかを賭けるわ!」
天気は彩華の手を引いて、麻雀卓から少し離れる。
「あの、それは僕はどうすればいいの?」
「ネタバレすると、膜を治した」
「お、おう……。復帰してどうぞ」
雀卓に帰って、再び麻雀を始める彩華達。
「…………負け、た?」
「ロン以外は脱衣なんだから、負ける確率というか、回数的に一回だけ参加してもしょうがないでしょ」
「コンコルド効果かもね」
「次は勝てるって思ってたら、負ける確率の方が高いのでは?」
「義妹ちゃん、損切りは重要だぞっ!」
好き勝手言われつつ、彩華は処女であると主張する。
しかし、お義母さんは疑っている。
リノとシズルは恥じらいで顔が紅潮する。
「娘を疑いたくはないけど、処女ではないでしょ」
「ご主人様、処女かどうか確認してよ」
「なんで?!」
「お母さんに確認させても信じないだろうし、かといってリノやシズル義姉ちゃんは、自分のと見比べても分からないじゃん?」
うっかりで膜を破るのはお義母さんも避けたいのか。シズルやリノに奪われるのも癪だと。
これがセカンド・ヴァージンだと分からない以上、天気の発言か行動で証明する事となる。
「一緒にトイレで確認するか、ご主人様が私の処女を買ってくれても良い。好きな方を選んでよ」
「そういう、自分を大事にしない賭けはしないって、三年生の脱衣麻雀の時に約束したじゃん!」
天気は怪しまれない程度の範囲で、彩華が処女であるように匂わせるべく、会話に乗っかる。
「二人で風呂にも入るんだから、そういう茶番はいいわ。早く貫くか、膜を確認するか決めなさい。下さなかった決断より、下した決断が重要。優柔不断は草食となるんだから。お母さん、天気君の漢気が見てみたいわ~。それでも男の子なのかな~?」
お義母さん、めっちゃ煽るね。
「後学として、そう、逃げ上手のような感じのイチャイチャが見てみたいです」
逃げ上手はそんなにイチャイチャしてたっけ?
「義妹ちゃんの卒業に立ち会うなんて、お姉ちゃんはちょっと複雑だけど……良かったね弟君! おめでとうメイドちゃん!」
気が早い姉だなぁ。今まで彩華が処女だったと思ってるのか。偽物とはいえ、アンタ達も卒業したんだけど? いや、実際には手を出してないからセーフなんだけどさ。
「こんな状況だから難しいようなら、先押さえしておくのも一つの手よ」
お義母さんは何、どっちの方が良いの? 貫通した方がいいんじゃないの?
そういうのも含めて決断を下せって事?
「彩華、ちょっとこっちに」
「はーい」




