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第18話「正義や道理ってのは娯楽だ」

 いつも拠点にしてる場所からンウニュさんの足取りに従って先に進んで行く僕ら。その足音だけが辺りにずっと響いてる。だけど、周囲で見えている光景はずっとデコボコしたり一部尖ったりしてるみたいな場所はあるけど、それの模様が少しずつだけどどれも同じものはないはずなのに、今までのとどこが具体的に違うのか説明できない状態が続く。


 ただ、それを見ようとしないように顔を下の方へと向けながら僕は2人の後ろを歩いてるけど、こっちがそうであるように向こうも足をずっと等間隔に進めて、お互いの距離は全く変わらないまま。

 その上、僕の斜め前を歩く兵頭彩芽まではけっこう離れてるけど、それに対してそのまた先にいるンウニュさんとはかなり近い位置にずっといる。こっちからすると、一番背が高いから頭は見えてるけど、服の一部は隠れてるくらい。


 結果的にこっちからすると2人の背中だけがずっと見えてる状態で、そっちの方からは出来るだけ視線を逸らす感じにしてる。でも、ふとした動きでたまに全身が黒になってるイスラムっぽい恰好をしてる様子と僕と同じ白いブラウスの制服姿が視界に入ることに。それだけで結局また視線を元の場所に戻したくなるけど、元がどこかわからなくて適当な場所に投げてた。


 そんな状態で突然向こうの方でンウニュさんが最初に足を止めて、それに続けて兵頭彩芽も同じ感じにしてるみたいで。僕も視線を逸らしたせいですぐには気づけないけど、音が僕のだけになったのに気づいてハッとした表情のままそっちを見ることになる。


 向こうでは僕ら1人分が限界になるくらい細い穴がだたっぴろい円柱の部屋に開いてて。そこから尖った細長い形をした岩がはめ込まれててその先端がまっすぐ上に伸びるみたいになってた。


 一方で、その封がされてる穴の入り口の所に僕らが立ってる一方で、周囲の壁や床はきれいに磨かれてるみたいというか、つるつるしててまるでへこんでる場所もなければ色もホントの意味で一定で模様なんてものはどこにもない。


「ここだ」


 僕が視線を斜め上の方で回転させる感じで見てて周囲を見渡してるのに対して、ンウニュさんはもうすでに足を止めてて。穴のすぐそばで見下ろすみたいにしてる。

 そして、その後ろの方で見てた兵頭彩芽も相手が全然動かないのに気づいてか、その後ろを追う感じでいたところから回り込んで穴の近くの所にまで行ってるのを見て、僕もその後を追う。


 その足取りが最初は少しだけ前のめりになる速足の間は辺りに音が何度も反響してるみたいだけど、2人に近づくところ、こっちが少しだけ後ろになる辺りでそのペースがゆっくりになるところでその音も消えてなくなった。


 2人がいる所の後ろ辺りから首を伸ばしてそっちの方を見つめようとするけど、そっちの方にはでこぼこがまだ残ってる尖った岩が突き出てる様子だけがあった。それに対して、小さく口を開けながら後ろからンウニュさんの方へと視線を向けてる間、頬に入ってた力が抜けるみたい。


「こいつ、前ストライカー倒しかけた」


 だけど、その声を聞いた瞬間、一気に鼻と口の両方から息を吸うみたいになって。それで両方の腕を開いて脇の所も一緒になる感じに。それから、顎を引っ込めて視線を横に流しながら口を紡ぐ。そのまま相手の方を見てるけど、でも、その間もいつも通りのトーンで話が終わった後の音をすぐに区切る感じにした。

 そして、その後相手は何もしないまま。ただまっすぐに穴とそれをふさいでる岩だけを見つめてる。


 それから僕は振り返って兵頭彩芽の方を見るけど、そっちもそっちで。ンウニュさんと同じような姿勢でいるだけ。それを見てるだけで、細かく瞬きしながら視線も左右に動かすことに。それから口を開けてるのも中途半端な範囲だけになってる。


 しばらくそれを変えられずにいたけど、でも顔のパーツ全部に力を入れながらそこにたくさんのしわを作って。そこから首を使ってぐっとしながら一度背けてから腕を一回思いっきり振ってから顔を戻した。


 だけど、まだ2人は穴の方を見てるだけにしてるから、一度ためらいながらも続けて声を出すことにする。


「だめ」


 なんとかちゃんと声を出せたところで、肩を前のめりにする感じで相手の方に顔や体を近づける感じに。それから遅れて2人が僕の声や動きに反応するみたいにしてて。それだけで、しばらく向こうの2人はほとんど並んだ感じのままこっちを見るだけにしてる。ただ僕が2人の視線を浴びるだけになってたのも数秒間。


 その間、また顔をちょっとだけ落としながら唇を潰す感じになっちゃうけど、でもそれもすぐに辞めて、2人の方に顔を向ける。それから、両方の手を広げながら足を一歩だけ前に出した。


「ストライカーさんが言ってた。こいつは……」


 話してる途中だったせいで声が上ずっちゃうままになっちゃったけど、兵頭彩芽も肩を持ち上げる感じでこっちに向けて。その間だんだんとこっちは声を止めながら口も同じ感じにして。手も中途半端に胸よりもちょっとだけ下の辺りまで持ち上げて視線をそっちに投げる。


 だけど、こっちの目の前に来るタイミングで銃を片手に持った状態のまま、両方の手でこっちの肩に手を押し付けてきた。それから、まっすぐに立ってるのもあって、視線がお互いに同じ高さのままになってる。


 相手がほんの少しだけど目を上側だけ少し細めながら顎の角度を変えてる間、視線をまっすぐに向き合い続ける。こっちが喉を強く締め付けるままいるだけになってた。

 一方で、兵頭彩芽の方から僕との視線を逸らしてきて。それから一度口を横に広げた感じのまま息を吸う。斜め下の方を見てる間、しばらく時間だけが過ぎて行った。


「いいか、教えといてやる。正義や道理ってのは娯楽だ。桃香がお前みたいな可愛いだけの妹の面倒を見れてたのも遊んでる余裕があるからだ。今はそれがなくなったってわけだ」


 語尾を強くするわけでもなく、一旦反らした視線を元に戻した向こうは、話してる途中でまた視線をまた斜め上の方に向けながらいて。その間は話を止めながら、ただ声だけを伸ばしてた。だけど、それもほんの一瞬だけ。生唾を飲み込むだけで、それから先は声に入る力が弱まってた。


 その声を聞いてる間、僕はただ相手の方を見てるだけにしてて。上の唇を下のに押し込みながら顎を自分の体に近づける感じにしておでこを相手の方に近づけながらも、上瞼を落っことしてて。自分のスカートを手で握ってる間、そこに滲んだ汗で何度もスカートを握り締めて。

 そこに手に付いた脂汗を拭きとる感じにしてるのに、それは何度やっても全然取れてくような感覚はしなくて。結局顔の角度を同じくしたままもう一度兵頭彩芽のことを見ることになった。


「私たちみたいなやつらがどうしても欲しい物がある、どうしてもやりたいっていうなら、そんな悠長なこと言ってる場合じゃないだろ」


 続きの話をしてる間相手は、目元を落っことしながら自分の上瞼も同じくしてて。その状態のまま体を翻して僕の横を通り過ぎてく。その間こっちも顔の向きだけじゃなくて体の向きも着いて行かせる感じで相手の方を向いて。

 さっきよりは顔の向きを変えながら兵頭彩芽が穴の方に近づいて行って、結果としてンウニュさんの横の立つことになるのを眺めることになった。


 2人がこっちに背中を見せるだけにしながら顔を向けてお互いに話しを進めている姿を、斜め後ろの方から見てるだけに。

 両方の手を強く握りしめていられるのも数秒間、歯を食いしばりながら一瞬だけ高い声を出して顔を髪の毛を振るうような勢いのまま顔を持ち上げて。それから顔を一気に前へと向けながら足を一歩前に出した。


「その人は、ンウニュさんを元の世界に返すつもりはないよ」

読了ありがとうございます。

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