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第17話「お前たち、やっとできた希望。お前、もも姉、会えるといい」

「メイちゃん」


 体が火照った感覚がして。それと一緒に特にそれを感じてる肩の辺りを1回だけ撫でたら、それと一緒に声を出しながら体を起こさないで。ただ頭の横に置く感じでもも姉の太ももと膝の間くらいの所に手を置いたままいるだけにしておく。


「メイちゃん」


 2回目に呼ばれたところで、もう1回声を出しながら体をなるたけゆっくりにしながら起こす感じにして。それで最初に見えたのは、ほんの少しだけ黄色が混じったような色をした砂浜と、その先で波が何度も前後してそれを濃い色に変えてるのが見える。


 でも、それを見てるのもほんの一瞬だけにして。すぐに両方の膝の間に手を入れる感じにしながらもも姉の方に振り返る。そしたら、こっちの顔にいつの間にかついてた砂を拭いてくれる動きに従って、一瞬だけ小さな声を出す感じに。


 それが終わった後に、パラソルの影で少しだけ色が黒くなってるもも姉の水着姿を見つめることになった。色が変わって見てる中でもその白い色が見てる間、向こうは僕を膝枕してくれてた足を揉んだりそこを伸ばしたりしてた。


「ごめん、寝ちゃってた……」


 もも姉の様子を見てたらなんだか視線が斜め下の方に行きながら一瞬だけ鼻から息を吐く。だけど、すぐに戻って相手の方に足を滑らせる感じで寄りそって。最後の方は細かく上下に揺らす動きで微調整。もも姉の片方の腕を僕の両腕で抱くようになった。


 一方で、もも姉も僕が出しただんだん音を消してく見たいな声を出しながら視線を落っことしてる間、最初の数秒後以降はずっとこっちのことを見てくれてた。


「私の方こそ、起こしちゃってごめんね」


 その声に続きてもも姉の方から「髪触っていい」って言ってきたのに対して、僕は何も言わずにさっきまでと似た感じでもも姉の肩に頭を預ける。それから一旦相手から視線を外して、海の方をただ眺めることにした。


 思ったよりも黒っぽい色をしてる海の様子を眺めてるけど、それはさっきと一緒でこっちへと向けて行ったり来たりの波を繰り返してるだけで、そこに白色の模様が出来上がってるのが上下してるくらい。


 だけど、それで頬をちょっとだけ前に出すみたいにしてる僕や、ずっと僕の方をとろんとした目で見てくれてるもも姉の体にそれが触れることもない。それもあってすぐに僕の方から髪を撫でてくれてる相手の方を見つめて。それだけでお互いに何も言わないまま時間だけが過ぎてく。


 その間、僕らの上にパラソルがあるおかげで太陽の光が直接当たることはなくて。聞こえてるのも波が砂を撫でる音だけ。

 僕の目尻を落っことした視界に映ってるのは、目を同じ形にしてるもも姉の様子だけ。そんな中でお互いに見つめ合ってたら、向こうが僕の髪に当ててた手をゆっくりと下ろして、こめかみから首に移って。それに続けて水着の紐の内側に指を通してそれを持ち上げてた。


 そのもも姉の動きでこっちも向こうの名前を一度だけ呼びながら、力を入れた両方の手を重ね合わせたままお腹にくっつけてて。一緒に顎を自分の体にくっつけるくらいひっこめてた。





 目を強く瞑ったままいる状態で、体がごつごつした岩の痛みに体が引っかかって。そのせいでまたもう1回目に力を入れると一緒に唇も強く潰しちゃう。それから、目を開けるのと一緒に後頭部に手を当てながら低い音のため息を吐いて体を起こした。


 すぐに両方の手を太もも同士の間に落っことしながらさっきまで体を縮めながら雑魚寝してた岩の上から足をぶら下げて落とす。顔もそっちと同じ方へと向けたままにしてた。

 自分でも頬がへこんではいないけど、膨らんでいるかはわからない状態にさせてて。見える視界の中では、座ってる岩も地面も相変わらずの同じ色。


 だけど、そこだけは僕の足が爪先を伸ばすみたいにしてるのもあって、割と地面触れそうなくらいのところまで来てて。それが小さくぶらぶらしてるたびに擦れそうで心臓がきゅっとなってた。


 しばらくそれをやってたら、スマホをポケットから取り出すけど、相変わらずこの場所に電波が来ないせいでラインの画面のログすら見れなくて。結局スクショの画面だけをTwitterで人を煽るために保存した画像とか料理の写真とかを流しながら眺めてた。


 でも、それでも何の意味もなくて表情を変えられない。結果として、体育座りしながらスマホを片方の手にした腕と足で自分の口元や鼻の下を隠す感じに。

 そのままいたら、影がない世界のせいで全然気づかなかったけど、いつの間にか僕の前の所にンウニュさんが来てて。そっちの方を見るために一瞬だけ息を吸いながら顔を上げた。

 だけど、それもすぐに戻した。


「寝れないか」


 その言葉を出しながらすぐに向こうは僕が座ってる岩の上にお尻を降ろす。ただ、今は兵頭彩芽もトカゲも寝てるせいで、その音ですらも僕の耳には突き刺さるみたい。

 そして、それは靴がごつごつしてて赤黒い色をしてる地面の上に降ろされた足の音ですらも聞こえて来た。


 ただ一緒に僕が相手の方を見ようとするけど、でも、すぐに元の場所に戻ると自分の唇を前に出すみたいな形にしながら、組み合わせた手の指の上でそこを何度も擦るみたいに親指を動かし続ける。そんな中で、顎を引っ込めながら相手の姿を見たり見なかったりを繰り返しながら目線を動かし続けてた。


「もも姉、誰だ」


 相手は僕の右側の盛り上がった岩の中でも開きが広い方に座り込んで。それのせいでこっちの体はンウニュさんと端っこの方で背が高くなってる場所の間に挟まれることに。左側の方に体を寄せようとしたけど、でもそっちに体が当たると岩肌が尖ったりしてるせいで痛い。


 だから元の体勢に戻ると、それで相手とぶつかりそうになってた。ただ、その間もそっちはただ一瞬で言い終わる声を出した後は首を折り曲げた状態でこっちを見てる。と思った次の瞬間、その視線は一度地面の上で寝ころんでるトカゲの方に映ってて。そっちは相変わらず、ただ等間隔のペースで寝息を立ててるだけだった。


「さっき、ずっと言ってた」


 今まで話してたのを聞いてる時と何も変わらない早口で話してる間、ンウニュさん背中を丸めながらいたけど、それでもこっちとの背の高さが変わることはなくて。その時で僕がそれ以上に背中を丸めてたせいでそれもそのはずだったことに気づいた。


 一方で、一回だけ瞬きしてから相手の様子を見るみたいにしてた僕に対して、こっちは一度瞬きをもう一度した後に、また同じ方を見ることにするだけ。

 その間もずっと何もせずに視線を同じ角度にしたまま、両方の前腕を重ねる感じにしてる。僕の白い肌が見えてるのはほんのちょっとの範囲だけで、視界のほとんどは影の色にも染まることがない地面の色だけだった。


「もも姉は、僕の幼馴染のお姉ちゃん」


 ただ、声を一瞬だけ出すみたいにして最初の一言を言った後、少し間を開けてからまたおでこを前に出す感じで、そこの角度を変えながら唇を強く潰してる状態を続けてる。

 結果として、自分の目元の下側と上側の腕がほぼ水平になりそうな位置にまで来てた。


 一緒に上瞼も下げた状態で続けて出た言葉は、自分でも口を動かしてるのかわからないくらいの範囲でしかなくて。それでも唇で振動を強く感じさせられる。ただ、自分もその音が籠って低くなってるのがわかった。


「ずっと僕と一緒にいてくれてて……」


 最初の言葉を出せた時は何とかまだ何もない空気だけを握るだけにしてたのに、それも話してる間に押さえられなくて。膝を完全に抱えるみたいにしながら、両方の手で背中の一部を握り締める感じにしたいけど、ただ服の上を滑るだけになってた。


 頬を力も入れないまま膨らませながら唇を両方とも押しつぶしてるだけ。それに対してンウニュさんは一度だけ口を吸いながらいる音だけが聞こえてた。


「私、ワョルユ一緒来た。少しだけまぎれた」


 目尻を落っことしながらまっすぐにトカゲの方を見ながら、背中を丸めた状態でいるそっちの方を見るなり。数秒後に僕も相手の顔を見てからトカゲがいる方を見ることになるけど、また相手の方を見ることに。口を丸く開けた状態でそっちの方を見ながら小さく息を吸い込んで。


 しばらくそのままでいたかったのに、気づけば持ち上がってる膝を目に強く押し付けて視界を自分でもなくしてた。


「だけど、娘、一番。私、命より上だ」


「あの、たぶんだけど」


「お前たち、やっとできた希望。お前、もも姉、会えるといい」


 それだけ言ってる間、何を見てるのかわからないけどただまっすぐに視線を向けたンウニュさんの目線を僕も目尻を落としたまま見てみる。そっちの方はどこに続いているのかもわからない赤と黒が交じり合ったごつごつの壁がずっとあるだけで。前と変わってる所なんか何もない。


 そのつもりだったけど、視線を向けられてるのはほんの数秒間だけで、すぐに視線を左右に向けることに。だけど、僕らがいる場所だってそれとの違いなんかない。

 なんとか膝を強く抱えて体を締め付けるのですらも出来なくなって。意味もなく体を立ち上がらせてその辺をふらついて。


 一方で、ただンウニュさんは座ったまま両方の手をお尻の横に置いたままこっちを見上げてる。ちょっとだけ頬を膨らませた状態でただずっと、唇を潰してる僕と目線を合わせ合うことになった。


 体を寝転がらせると一緒に、ごつごつした岩肌のへこんだところにちょっとだけ溜まった砂を振れないようにしながらただ眺めるだけにしてた。

読了ありがとうございます。

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