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第9話「さっきの戦闘で十数人が重傷だ。わかっているのか」

 映画とかでよく見るすごく硬そうで真ん中の円型から伸びてる棒が外側から抜けて平らに場所が回って開く扉が目の前にあってそれを見ながら首をほんの少しだけ上に向けながらいる。


 それのせいで、さっきまで途中で止まったエレベーターの壁を伝いながら降りて来た疲れで、膝に両手を突いてた体勢も自然と戻すことになった。

 ただ、そんな僕に対して兵頭彩芽は一度変身を解くと背中に背負ってた緑色のリュックの中から黒くて四角い装置を取り出すと、それを次々目の前の扉にくっつけていく。


 ただ、それの小さなランプが赤色に点滅してる姿が見えた瞬間、そっちの方に顔を寄せるみたいな体勢のまま口を開けてただその様子を見つめることに。それが数秒間続いた後に、相手の名前を1回呼ぶ。だけど、最初の一文字を何度か繰り返した後に続くことになった。


 でも、その間も兵頭彩芽は上の方にまたその装置を設置してて。それで背伸びしている姿勢が終わったところで僕の方に返事をする。だけど、その内容は別に何の意味もなくて、僕の問いかけに対してただ肯定しただけ。


 それが終わるとまたすぐに設置作業に戻って、僕を腕だけ使ってどくと、そのまま上瞼を垂らして下の方を見ながら取り付ける。それから、リモコンを取り出しながらそこに付いてるスイッチを等間隔のペースで次々オンに切り替えていく。


 手軽な指差し確認が終わった後、小さな声で「オッケーだな」とだけ言うと、僕の肩を引っ張りながら来た道を戻りだす。その瞬間にまた口を小さく開けたままにしてた僕は何度も何度も声を出しながらいたけど、その間も相手はずっと同じ方向に向け鉄住んでるだけ。


 最終的に大きいいドアの前の部屋になってる場所から外に出ると、そっち側の方が月灯りがある分まだ明るいことが勝手にわからされる。それだけじゃなくて。僕が投げられた力で体勢を取り戻しながら、もう真っ暗でドアの様子が見えなくなってる部屋の方を見る。


 そっちからは1秒ごとに灯りが付いたり消えたりしてるほんの小さな赤い点が見えてるくらい。目を凝らしてもそっちからは何も見えない。だけど、音は確かに中で何かの機械が動いてるみたいで、小さいけど低くて重い音がずっと一切止まることなく聞こえ続けてた。

 だけど、それ以外には何もしなくて、ただ僕も、兵頭彩芽も部屋の方を見ながらじっとしてるだけの時間が続く。


 でも、しばらくそのままいるだけにしてた後に僕の方からハッとしてしゃがみながら耳をふさごうとした次の瞬間、視界が一気に赤くなって。だけど、耳はきーんとした音しかしないのに気づいたのは、もうこっちの体が壁にまで吹き飛ばされた後で。その体がそこにたたきつけられて、そのせいで胃液がまた逆流させられた時だった。


 背中のあんまりの痛みのせいでうめき声をあげながら歯を食いしばって喉を締め付ける僕だけど、兵頭彩芽が何をしてるのかは何もわかんない。耳もまだ聞こえないままだし、両腕を大きく横に広げた状態で突いたまま、膝も付いて何度も地面を見て呼吸を繰り返すだけ。


 そこにあるのは大量の黒い煙と転がってきたいくつもの瓦礫。それだけで何度も僕はせき込むことに。しばらくしたら耳の痛みが限界になって頭を床の上に落とすことになった。そのまま歯を見せながらもそこに強く力を入れて、脇も強く締める僕がただ床の上にダンゴムシみたいになってるだけでいたら、いつの間にか涙が溢れてきて。それだけで嗚咽を何度も繰り返しながらもも姉の名前を呼んでた。


「次元転移装置。薫子の部下は別の次元からこっちに攻撃してくるつもりだ」


 兵頭彩芽が放ったその声に対して、僕は体を縮めてることしかできなくて。口と歯をどっちも強く締め付けたままいることしかできなくて。歯を見せるような口の動きをしてた所から何とか立ち上がって、片方のぶら下がった腕をもう片方の手で掴みながら目をつぶった状態で立つ。そして、前者と同じ側の目を閉じながら膝を崩れそうになる。


 薄目を開けた状態で、目の前のドアが爆弾で吹っ飛ばされた部屋の中を見る。赤と黒が交じり合った煙の中から、飛び散った火の色に染まりあがってるけど、それでも確かに見えるただ真っ白いだけの光。それが太いけど一筋だけこっちに向かってるみたいだった。


 だけど、その中心にあるのは、薄い泡の膜みたいな光だけど、赤や緑の色が表面に映ってる光景。それらの光が絶対波じゃないんだけど波みたいに、円じゃないけど円に近い形を描いて上へと流れて行ってる。階段を数段上がった上に置かれた輪っかみたいな装置の内側にその膜が出来てて、そこまでは光が出てるはずなのに、その先側は薄暗くなってて中が見えなくなってた。


 そっちの方をずっと中腰みたいな姿勢で見てた僕だけど、その次の瞬間には僕の体の前にいくつもの閃光が放たれてて。それのせいで腰を落として、足をそっちの方に伸ばしながら、腕で顔を遮りつつ兵頭彩芽が魔法の障壁を作ってる方を見ることに。


「撃つな! 撃つでないと言っているであろう!」


 たくさんの人がこっちに向けて銃を撃ってる人たちの間から、その音がある程度収まった所で、こっちにまで1人の女子の声がしてた。それのおかげで、僕も何もしてない状態から兵頭彩芽が顔に脂汗を掻きながら腰を落としながら両手で魔法障壁を作ってたのが分かった。


 それから銃撃が数回続いた後に、ようやく薄いピンク色の壁がなくなる。そのまま強く息を吐きながら向こうは歯を強く食いしばりながら、片方の顔を暗い夜の影で染めてた。でも、もう片方は今も燃え続けるもう片方の部屋とそこから溢れる白い光に照らされてた。


「彩芽、久しぶりだな……」


 大人の人の中から出てきたのは、顔と一緒に目線を反らしながらいたけど、でも確かに僕がもも姉と一緒にいた女子。その人が人同士の合間を縫って、どいてくれないその隙間から無理やり自分の体を通して目の前に出て来てた。


 その瞬間に1回兵頭彩芽の名前を呼んだときは少し大きめだったのに、それに続いて出たのは結構小さめで。自分の制服の裾を握りながら下の唇を上に押し付けながらいた後に出てる。


 一方で、僕は今も兵頭彩芽が肩で息を繰り返している姿の、少し後ろの所で尻もちを突いたまま同じ姿勢でいた。


「さっきの戦闘で十数人が重傷だ。わかっているのか」


 僕が喉を締め付けながら上の唇を下のに押し付けながら目元を細かく揺らす。それと一緒に視線を下の方に向けるけど、でもそっちの方にあるのなんか月の灯りに照らされてる箇所が横の方にある冷たい廊下しかない。


 眉と一緒に上の瞼を落っことしたまま口を開けてる範囲を相当狭くして話してるその声。それに対して言われた側も一度肩の動きと一緒に息を吐いて。それから体勢を立ててた。

 でも、それもすぐに崩れそうになって。足を一歩前に出しながら体を大きく前のめりにして。それと一緒に前にいる女子ももう一度「彩芽!」と声を出していた。


「……薫子倒さねぇとアイツらも死ぬぞ」


 同じ体勢のまま前にいる相手を見つめる兵頭彩芽は、顔だけを持ち上げて話しかけてきた女子の方を見つめ続ける。

 ただ、その状態で互いに見つめ合ってたのも数秒間。相手の方から他の大人の人たちに「手を出すな」と腕を伸ばして手を見せつけるみたいにしながら、こっちに上半身と顔を見せつけるような体勢で進む。


 その弧を描く軌道がようやく止まったころ、一度相手は顔を下に向けて両側の唇を潰す。それのせいで上のと下のどっちも形が変な感じになってた。


「ここを通すわけにはいかん」


 その声を出す前に兵頭彩芽が魔法で手元にハンドガンを召喚してて。それを手にすると、相手の顔になる場所に向けて構えてた。


 一方で、向けられた側もまだ話してる途中なのに口を中途半端に開けたせいで止まってる。それから、両方の腕を少しだけ左右に開いたまま手の平も開けてて。そうしている間にもだんだん目元にしわが集まって行く。


 相手が少しずつ動いてる間、兵頭彩芽は全く動かないまま銃を相手に向けてるだけだった。


「すまぬ……すまぬ……」


 それだけ聞くと、兵頭彩芽の方から、銃を持ったまま手を降ろしながら僕の方に振り返ってた。


「おい、行くぞ」


 その声だけ聞くと、僕も腰に付けてたヨーヨーを手にしながら回して水のボールを作ると、その中に無数の弾丸が入っていくことに。向こうがもう全力で装置の方に向けて走ってる姿を見るよりも早く、こっちも体を前のめりにしながら走りだす。


 そのたびに銃弾が打ち出される音を聞きながら2人の体が燃える炎と煙の色にまみれて行くのを感じる。それだけじゃなくて、その熱さと息苦しさも一緒にやってくる。だけど、それでも足を止められない。


 もちろん、さっきまで話してたその人が立ったままゆっくり足を進めてく様子の横を通り過ぎて行く時も一緒。そのつもりだったけど、その人の体が僕の横を通り過ぎるみたいに引っ張られた所でこっちの体も走るのを止めることに。


「撃つんじゃねぇ!」


 何度も掴まれた側が「彩芽!」と何度も呼んでいる間も、本人は首を腕で抑えながらもう片方の手でその人の頭に銃口を押し付けてた。ただ、人質にされてる方も相手の腕に両手を当てながらも、眼球を左右に動かしてて。口も何度も開けたり閉じたりしてた。


 ただ僕は両方の手を持ち上げたまま、力なく指の関節を少しだけ曲げてるだけで。小さく開けた口から声にならない声しか出せないまま、その光景を眺めることに。続けて、いつの間にか片方の手を落っことすことになってた。


 そうじゃなくなったのは、向こうが僕を急かした時。なぜか「はい!」といつもより大きくて高い声が出た後。部屋の中盤まで来た僕らを入り口の方でずっと狙ってる人たちに振り返りながら僕も兵頭彩芽の後を付いていく。


 装置の膜の内側に入る瞬間に、人質にされてた人は押し出されるみたいにされてて。そのせいで体を前のめりにしながら腕を回して数歩大股で前に進むことになってた。

読了ありがとうございます。

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