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ハーレムは必須

 ムータンは誰に向けてアピールしてるんだろう?

 先に行った、テモセ様へのアピールと混ぜてしまっているのでは?


 それじゃ、現地人の二人には――おや?


 マイがタケルに詰め寄っている。


「なに? 異世界ってそんな事になってるの? タケルの部屋にあるマンガもそうなの?」

「あ、いや~、無い……とは言えないかなぁ?」


 タケルが言葉を濁した。

 いや、こっちとそっち、どっちが先かはわからないけど、日本人ってやたら異性を囲いたがるんだよね。

 こっちでも、色んな物語が沢山でてるみたいだし。


「すけべぇなのは禁止って言ったでしょ!」

「いや、ハーレムでもそうでもないよ。ずっとヒロインとイチャイチャしてるのけっこうあるし。基本的に主人公の優柔不断で、ハーレムになってるのばっかりで」


 ……言われてみればそうかも。


「それに逆ハーレムもけっこうあるしね。もちろん、別にエッチじゃない。イケメンに囲まれて~、みたいな感じ」

「『曉のヨナ』とか?」

「まぁ、そうかも。『彩雲国物語』とか。基本的にあんな感じ。アレをハーレムって言ったら怒られそうな気もするけど」


 暁のヨナ? 彩雲国物語?


 ……知らないなぁ。あとでチェックしよう。


「それに本当にエッチなのは一時期の富士見ファンタジア系列なんだよ。『デビル17』とかマジでやばい」

「持ってはいないんでしょうけど……内容は知ってるわけね」

「父さんが持ってるから……」


 何か、とんでもないプレイヤー達を引き当ててしまった気がする。

 それにタケルは多分だけど、テストプレイに乗り気のようだ。


「異世界でも、ハーレムでもとりあえず関係無いよ。僕の持ってるマンガはあとで調べてくれてもいい。それよりも、どういう事態に巻き込まれたのか? それを僕は知りたい」

「タケルがそう言うなら……」


 マイが一歩引いてくれたようだ。

 二人の力関係が、まだ見えないなぁ……


 いや、テストプレイヤーなんだから――


「それで提案というのはですね」


 いきなりムータンが立ち直った。

 多分、この二人に圧倒されてるな。クッション状態で良かったのかも知れない。


 打たれ強さに期待しよう。


「凄く簡単に言ってしまうと、日本人と女性で協力して迷宮を攻略してもらおう、という主旨です」

「それだけ聞くと、単純な話に聞こえるけれど……」


 マイはそこで周囲を見回した。


「……どうしてラブホテルなの?」

「だって、ハーレムですから」


 確かに最終的にはそう言うように指導したけれども。

 それは切り出し方もタイミングも違うぞ、ムータン。


 それに、マイの方がハーレムを嫌がっているのは、今までの二人のやり取りで、わかりきっていた事じゃ無いか。

 もっと臨機応変にだな……よし。


「あ、あ、それだけじゃ無くてですね。まずラブホテルっていうシステムが良かったんですよ」


 ギリギリでムータンのフォローが間に合ったようだ。

 なにしろ、マイの目がほとんど直角三角形。


「まずですね。この“ご休憩”ってシステムが良かったんですよ。私どもの世界では時間を区切って、部屋を貸すという考え方がなかったわけです」

「ああ、そうか。異世界じゃ、まだないのかも。大体一晩になるだろうし」


 そうなんだよね。

 これで提携してる商会もウハウハって奴で。

 何しろ同じように建物作っても、回転率が違う。


「それに、こちらのシステムも実に参考になります。何しろ、泊まる側は誰にも会うこと無く部屋に入れるわけで。それにエレベーターですか? あれも良いですね」


「ああ、会わないシステムね。あたしも初めてだったけど、本当に会わないものなのよね。よくできてるわぁ」

「あれは、異世界では……どうなんだろう? でも僕の知識はフィクションだし、そっちの世界を知ってるわけじゃないし」


 さすがにタケルはわかってるなぁ。

 でも日本人相手だからな。


 基本的に、店で暴れるとかごねると言うことはないだろうと見込んでるんだよね。

 それにこれ、成功者用の商売だから。


「その辺りはおいおい。それに今回のテストプレイにおいてどうしても、そういった施設である必要があったんです」

「テストプレイに?」


 マイの質問はもっともなことだと思う。

 これは言葉足らずだぞ、ムータン。


 ……マニュアルが不十分だったかな。


「いえ、そうではなくてですね。もちろんテストプレイに関係あるんですけど、そのテストプレイを行ってくれる人を選ぶのに、ラブホテルである事が必要だったんです」


 そこでまた二人の顔が曇った。


 ああ、この辺りで引っかかるのか。

 参考に……しても活用する場所がないな。


 こっちの世界でテストプレイを行うのは情報漏洩を防ぐためがメインなんだけど、色々改良するための情報収集も目的なんだよね。


 それに加えて、さっきムータンが言ったようにラブホテルのシステムについて情報収集する目的もあるわけだけど。


 ムータンは頑張って、その辺りを説明して、ある程度は二人は納得してくれたみたいだけど――


「色々理由があるのはわかったわ。でも、聞きたいのはそういう事じゃ無くて、どうして私たちなのか? って事。それにあのやかましい音も」


 そもそもファンファーレをご存じでは無い!?

 この辺りが「群青の」失敗だったかも知れないな……


「あ、そうですね。もっと前にご説明差し上げるつもりでしたのに、すいませんでした。何だか、最初から思った通りに進まなくて……お二人が選ばれたのは同時だったからです」


「「同時!?」」


 二人の声が揃った。


 ……もちろんそういうことじゃ無いよ。

最初は「暁のヨナ」じゃなくて、「赤髪の白雪姫」にしてたんですけど、


「赤髪の白雪姫」は逆ハーレムじゃないな


と思い直しました(あまり意味が無い)。

草凪みずほさんの作品だと「よいこの心得」から好きです。ヨナは追いかけてませんが。

TSものの「NGライフ」がちょっとねぇ。


「デビル17」はマジでやばいです。

あの当時の富士見ファンタジア文庫はどうかしているとしか思えない感じでしたw

ちなみに漫画版もあります。


それではまた明日~

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