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トリスの日記~私の世界の歩き方~  作者: 春生まれの秋。
30/37

30、

ご無沙汰しております。


何度も何度も書き直したんですが、どうしても、地文が書けませんでした。


今回は、会話文のみです。


30、



「取り敢えず、今日の放課後から、どうしましょう?」


「まあ、今のところは、アルヴィン君達が秘密基地を見つけるのを待つしか無いでしょうね。だから、それまでは、自分に出来る事をやるしか無いんじゃないかしら?」


「トリスさん、そんなに不安そうにしなくても、大丈夫ですよ。毎日顔を合わせられなくても、わたくし達が貴女を大事な友人だと思っているのは変わらないんですからね。」


「えっ?何で、レヴィちゃんは、そんな事をおっしゃるんですか?」


「トリスさぁん、気付いて無いんですか?ご自分のご様子に。」


「トリスちゃん、貴女、今、自分が身体をぎゅっと堅く小さくしてるの、自覚出来て無いでしょう?でもね、貴女は、思っている事が全部態度に出るのよ。友達である私達には分かり易過ぎるくらいに、はっきりとね。だから、何かに不安があるのは、バレバレなの。で、さっき、掲示板の話題を切り出してきたでしょう?そのタイミングと話題と貴女の性格を合わせて考えると、夜間のフリータイムに集まれない事に不安を感じているのは純然たる事実だと断言出来るわ。もう少し言うと、毎日私達と会話しないと、友人としての自分の価値が認めて貰えないとでも想っているんじゃないかしら?」


「えっと…」


「アリ君は、それを感じたから、ああやって秘密基地の鍵を手に入れてくれたの。で、アルヴィン君とリースちゃんは、その場所を見つけようとしてくれているの。トリスちゃん、不安がる事は無いのよ?」


「でも…」


「前から思ってたんだけど、トリスちゃん、貴女、自分の今いる場所には、自分よりももっと別の、相応しい人が居るとでも考えて無い?先に言っておくけれど、それは違うからね。私達の友達は、『貴女』よ。自信を持ちなさい。」




「どうせトリスさんの事ですもの、『消えたい』とか、『その辺の無価値な石の方が自分より価値がある』とかお考えなのでしょう?違いますわよ!わたくし達を諍いなく纏められているのは、トリスさん、という存在あっての事なんですのよ?」



「うーん。そんなに、変な価値観なのでしょうか?私のような者は、皆様に及ぶべくもない小小者だと思うのですが…。何のお役にも立てませんし…。足手まといですし…。戦闘でも、学業でも、社交でも…、他のどんな事に於いても、私なんかに価値は無いのは事実だと思うのですが…。」




「馬鹿か、貴様は。何度も言わせるなよ!?私はお前に面白味を感じたから、態々(わざわざ)反りの合わないアルヴィンなんぞと行動を共にすることもあるのだ。せっかくこの未来の名軍師たるこの私『が』お前『を』観察してやっているんだ。勝手に消えるな。死のうとするな。それから、いくら消えたいと思ったとて、間違っても、『奈落』に行こうなどと考えるなよ!例え、行けたとしても、だ。其処に留まるな。必ず我々の処に戻ってこい。自分から死のうとするな。絶対だぞ。」




「あの、皆さん。皆さんの私に対するイメージって、どうなっているのですか?私は、そんなに死にそうに見えるのでしょうか?参考までに、お聞かせ願えますか?」




「怒らないで聞いてね。トリスちゃん。はっきり言うわね。貴女、儚いのよ。」




「?儚い?私、今までの人生で一番、充実して、活発に活動して、生きてるって充実感に満たされているのですが、どうしてそうなるのですか?」



「そう、気付いて無いのね。あー…何て伝えれば良いのかしら?」



「トリス、お前な、生気が無い。存在感が薄いっつーか。何だろうな。突然消えそうなくらい、覇気を感じないっつーの?」



「ほんと、アリ君の言葉ではないけれど、突然『奈落』に行って輪廻の輪に還りそうな気配があるわね。」



「うーん。良く分かりませんが、皆さんが不安になるくらい、『私』は消えそうに見えるのですね。」


「うん。」

「ああ。」

「ええ。」

「そう。」

「その通りですわ。」


(皆さんに、其処まで心配されてしまっているのですね。私はやはり、不甲斐ないのです。でも、だからこそ。)


「では、私、『トリスティーファ・ラスティン』は、例え『奈落』に行く機会があったとしても、必ず皆さんの処に帰って来ると、誓いますね。それから、自分からは決して無駄に死のうとはしないと言うことも、誓います。だから、そんなに心配しないでください。お願いします。」


深々と、ホーグワース総合大学第47期生13班の皆にお辞儀をして、私は決意を伝えた。


(きっと、皆には、そんなに重くは受け止めては貰えていないでしょうけれども。これは、『私』が『私』であるために、『私』へと科す、絶対の、制約。必ず、此処へ。帰って来るから。)











それは、遠い遠い、私の大事な『約束』。



誰に知られる訳でも無かったけれど、私の『核』を成す為の、忘れられない、大切な『誓い』。



今後の『私』が、『私』であるために必要な経験だった。





少しずつでも、書けたらと、足掻く日々です。

中々投稿できてませんが、私は、生きてます。


皆は、どんどん先に進んでいってしまうけど。


皆の活躍を、遠くから眺めながら。


何とか、生きてます。


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