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次元融世アルスディア  作者: 河内三比呂
第一章 立志編
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平穏から

 旧日本領海域 スルツニウム採掘場


 エネルギー資源として突出したスルツニウムは、

 通常はスライム状の物質で、淡いピンク色をしている。

 採掘され出した当初は、

 異世界エルズ側と地球側で争うこともあったらしいが、

 現在では世界連盟による協定があるため、

 違法採掘以外では、至って平和に運用されている。



「おい!ドゥー!

 ぼ-っとしてないでコイツを運んでくんな!」


 親方に声をかけられ、ドゥーと呼ばれた青年、

 ドゥエイン・サージェントは反応する。


「すみません!今運びます!」


 作業にいそいそと戻るドゥー。

 だが、どこか呆けた様子に親方が再び声をかける。


「どうした?なんかあったか?」


「いえ、なんていうか、平和だなぁーって」


 ドゥーの言葉に、親方が言う。


「どうした突然。そりゃそうだ。今のご時世小さな諍いはあっても、戦なんて起こらんしな」


 テキパキと作業をする親方に、ふと思った事を聞いてみる。


「親方はドワーフですよね?やっぱ戦いとか興味わくんですか?」


 ドゥーの問いかけに肩をすくめると、


「馬鹿言え。俺にゃ家族がいるんだ。だいたいいつの時代の話だぁ?お前、さてはなんか観たな?」


 ドワーフには戦闘部族の側面があるというが、親方を見ているとそうとは思えなかった。


「実は………昨日戦争特集を観まして………。」


 そんなドゥーにわざと、今度は親方から聞いてきた。


「やっぱりな!通りでおかしいと思ったぜ。

 それよか、そういうお前は地球人だろ?昔は戦争が多かったそうじゃねぇか。気にならんのか?」


 親方の問いかけに、少しだけ考えると、


「な~りませんね。」


 素直に思った事を言う。その答えに鼻で笑うと親方は、


「そういうもんだ。ほら!さっさと作業せい!」


 ドゥーの肩を叩き、別の作業員の元へ行ってしまった。

 その後ろ姿を見ながら、ドゥーは作業に手をつけた。



 午後になり、休憩時間に入る。


「よォ!ドゥー!隣イイか?」


 ハーフリングの男性で茶髪に三つ編みの同僚、コルノがやってきた。コルノとは、採掘師になってからの同期であり、良く食事を一緒に取っていた。


「いいよ。」


 その返事にニッコリ笑うと、ちょこんと横に座る。


「なァ!親方と何話してたんダ?」


 興味深々に聞いてくるコルノに、


「ああ、いや。平和っすねって話してた。」


 簡潔に言うと、コルノはガッカリしたような感じで、


「なんでィつまんネ。女の話かと思っタ」


 と、思ってもいなかった返答をしてきた。思わず飲んでいたお茶を吹き出しそうになりながら、ドゥーは言う。


「まさか!親方とそんな話しないって」


 ドゥーの動揺に、コルノはいたずらっぽく笑う。

 そんなたわいも無い話をしていると、唐突にコルノが話を変えた。


「そういヤ聞いたカ?

 銀髪に赤眼のエルズ人は魔族だってウワサ!」


「そんなウワサがあるのか?」


 首を傾けるドゥーに対しニヤニヤしながら


「眼こそ紫だがヨ、お前も銀髪だロ?案外魔族だったりするかもナ!」


 自分の容姿を指摘され、困ったように言う。


「いやいや、俺は純血の地球人だぞ?ないって」


 ないないと首を振る。


「そうカ?実は………もあるかもだゾ?」


「ねぇって!………多分。」


 少し自信を無くしながら返答すると、コルノは冗談だと笑った。

 二人の会話が落ち着いた瞬間だった。

 ドゴォォン!!と言う爆音とともに、採掘場の鉄塔が折れる。


「なんダ!?」


「鉄塔が!?なんだってんだ!突然!」


 二人して立ち上がる。

 すると、折れた鉄塔から覗くように見た事のない怪物が現れた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ドワーフの戦闘部族の側面が弱まったところ コルノの話し方 [気になる点] 世界観がルールに則ってない [一言] 総合評価は 不可です。
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