どうしようもないうんちみたいなしょうもないザコキャラに転生してしまった。 #4 伝説のクソゲーの完全だ!
それからの俺は一番初めに出会う敵がボス、というクソゲーを世紀のクソゲーにするべく各コースの魔改造にとりかかった。しかし、ゲームの鉄則としてやはり開発者がクリアできなければならないだろう。そこが俺が一番苦労したポイントだ。
1-1はボスを配置する以外改良するポイントはないだろう。1-1は初回だ。一番初めに出会う敵がボス、というだけで十分クソゲーだろう。
問題はそこからだ。大量にあるコースをどのように多様性のあるクソゲーにするか? 俺は丸一日考えた。レッドマンが魔王城に刻々と接近しているのだ。早く対策を練らねばならない。まあ、いざとなったら俺の規格外異端児魔力でレッドマンごとき一発ですべての残機を消し去れるんだけど。
だがしかし、俺には別の野望、そう、このゲームを世紀のクソゲーにしてそのゲームのボスとして歴史に名を残す、というものがあった。
俺のこの野望をかなえるためにも、レッドマンには城にたどり着く前に俺が考案したクソコースの餌食になってゲームオーバーしてもらう必要がある。
そうか!
俺は考えに考えた挙句、一つの結論に辿り着いた。
開発者がクリアできたらいいんだよな? この場合の開発者は俺だ。俺は転移土管魔法が使える。つまり、何が言いたいかというと1-1の序盤、俺が配置したボスに出会う前に土管転移すればいい。そうすればこのゲームの全クリは理論上は可能だ。まあ、俺以外クリアできないやり方だが。そんなの関係ねえ。おっぱっぴーだ。
俺はその構想をさっそく実行に移すことにした。
つい最近まで同僚だったミドリガメを呼び寄せる。
「おい、REDMANは今どこにいる。」
「ハッ、ここにおります。」
…は? いないじゃねえか。コイツ…にやついてやがる。どうやらあいつは俺が突然えらくなったことを不快におもって調子に乗っているようだ。ふざけてやがる。ここはあいつの冗談に乗ったふりをしてお灸をすえてやろう。
「ほう…そうかならば一瞬で全残機を消し去る必要があるな。」
俺は人間に擬態することで再び使用可能となった手をミドリガメにむけた。
「バースト」
声を上げる間もなく、一瞬でミドリガメの姿は消え去った。うむ、いい気味だ。
「まあ、素晴らしい魔術…」
籠に閉じ込められたままの姫がため息を漏らす。どうやら姫は俺に惚れてしまったようだ。
「真面目に答えろ。いまヤツはどこにいる!」
俺は一部始終を見ていたキノコにきいた。
「現在4-1ごろかと…」
キノコは声を震わせながら俺の質問に返答する。すべてが始まってからはや一週間。俺の親は厳しかったからな、一日のゲーム時間が限られていた。そんな俺からしたら一週間で4-1は早いぺーすだ。
「そうか、ならば5-1のスタート地点とゴールの旗周辺以外をすべて奈落にしろ。」
「で、ですが、そのようなことをすれば何匹もの犠牲が出てしまいます。」
「命令だ。直ちに全勢力を5-1に集めて取り掛かれ! 犠牲など気にするな! 急げ!」
「ハッ!」
キノコは走って行った。
我ながらなんて素晴らしいクソゲーだろうか? スタート地点とゴール以外全て穴になっている。もちろん、いくらあのレッドマンが超人であっても飛び越えられない幅の大きさの穴だ。穴ならムテキゲーマーに変身しても意味がない。
俺は完全を心待ちにすることにした。
〜はっぴいえんど〜
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クロノス
MP;53阿僧祇
固有スキル:プログラム改編
エキストラスキル:エターナルフォースブリザード・人間擬態・クソゲーメーカー




