3.胃カメラ
人生でやりたくない検査というものがあって、胃カメラはそのなかのひとつだった。もちろん産婦人科の内診もやりたくない検査のひとつだった。なのに……
人生の初体験がおおすぎるよ!!
あまりにびびって日曜は1日中うつ状態。
ああ、いやだ、ああこわい、ああいやだ、ああこわい。
でも嫌がってたって明日はくるし、やんなきゃずっとしんどいまま。
ということでろくに眠れぬまま、あっという間に月曜の朝。
イヤだ、怖いとだらだらしていたら母に罵詈雑言を浴びせかけられ、2日分の検便を持って泣く泣く出発。(ちなみにこの検便、日曜月曜の2日分で出して欲しいといわれていたのでなんかもうほとんど無理矢理出しました)
内科K医院は朝の8時から病院を開ける9時までの1時間でこの手の検査をやっているらく、わたしの他にも駐車場にたくさん車がある。車のなかでくすぶっていたらにこにこ看護師さんが現れて「もう開いてるよ」と。
「はい……」
のろのろ車を降り、ついていく。
「胃カメラはじめてで怖いです」
「大丈夫大丈夫、先生うまいから」
にこにこ看護師さんに励まされながらなかに。
すぐに診察室に通され、血圧を計る。
個室に入れられ、看護師さんが持ってくる液体の入ったカップを飲む。全部で3種類。
1つ目、2つ目、のカップは胃のなかをきれいに写す液体が入っていると説明を受ける。ちなみに1つ目カップの液体は沼みたいな味。いや、沼飲んだことないけど。2つ目のカップはちょっと甘いような味。3つ目のカップ、これが喉の感覚をなくす?っていってたかな、どろっとしたゼリーみたいな液体で、これを飲むとなんだか呼吸が苦しいような感じになってちょっと怖かった。
担当の看護師さんにいろいろ質問してしまう。
胃カメラしたことありますか? 鎮静剤ってどんなふうになるんですか? などなど。うっとうしい質問にもちゃんと答えてくれて優しい。ありがたや。
ベッドに横になり、左右にごろごろ揺れる。これは飲んだ液体の効果を胃にまんべんなく行き渡らせるためらしい。なかなか間抜けな感じ。でもちゃんと写してもらわないと困るのでごろごろごろごろした。
ベッドに座り左腕に注射。これは唾液を止める注射だそうで、説明でもちょっと痛いですといわれていたけれど確かに痛かった。
そして、運命の検査室へ!!
こわいこわい、マジで怖い。
医師が現れる、じゃーん!!
喉の麻酔だというスプレーをしゅしゅっとされ、ちょっとごほごほなる。
口になにやらかぱっとはめられる。
「じゃ、鎮静剤入れるけど、ちょっと肩(だったか腕だったか)が痛くなることがあるけど、すぐ治るから」
うんうんと頷くと、注射が……
すごい……注射が入った瞬間にもうふにゃ~っとなって気づいたら終わっていた。
なんてこった、わたしは何をそんなに恐れていたのだ。
本当にそれくらいすぐに終わってしまった。体感で5秒くらいとか。
「じゃこっちでちょっと休んでてくださいね」
と、看護師さんに捕まってふにゃふにゃしたままベッドに寝かされる。
眠ったりはしなかったけど、ふわふわ感覚がなんとなく楽しかった。ちなみに弟は鎮静剤で夕方までぐっすり眠ってしまったことがあるとか。マジで?
胃カメラが怖いみなさん、鎮静剤があれば余裕です。
レッツ、胃カメラ!!
10時ごろ、看護師さんに起こされ(っていっても起きてたけど)、診察室へ。
「うん、胃も十二指腸も大丈夫みたいだから、とりあえず2週間分だけ鉄剤出しておくし、なくなったらまた来て。血液検査の詳しい結果わかるから」
ふぅ……
セーフ!
あんなに怖かったのに、無事に終わったいまとなっては「あー受けてよかったなぁ」という気持ちになるんだから不思議。
ルンルン♪で帰宅し、午後はなんだか疲れて昼寝までした。
で、2週間後。
「!?!?!?!?」
再診で渡された詳しい結果、とやらを見てびっくり。
貧血を知るための項目が軒並み低く↓マークがついている。
血清鉄8(女性の基準値は40~175)、フェリチン3(女性の基準値は4~87らしいけれど医師がいうには50はないと、とのこと)、ヘモグロビン7.7(これは最初に検査したときの数値、基準値は11~)*病院や検査機関によって基準値がちょっと前後するみたいなのであしからず。
「鉄欠乏症貧血だね、血液中の鉄がすっからかん」
医師の台詞にもびっくり。
え、なんでだろ。もしかして生理が止まらなかったから?
「生理のせいとかありますかね」
「あー、生理ひどいならそうかもしれないね。とりあえず鉄剤、1ヶ月分だしとくから。それまでに婦人科行ってみて。なくなったらまた来て」
え、また行くの?
ま、まぁ仕方ないか。
「はい、ありがとうございました」
ということで、内科に通院することに。
それにしてもこんなひどい貧血、なんで?
まぁ、とりあえず薬ももらったし、ま、いっか。
いま思うと、ホラー映画に出てくるワケわかんない病気に罹患したのにほったらかしたり、病院で様子見とかいわれてセカンドオピニオンいかないのんきキャラみたい。
地獄はまだまだ続くのです。