1.はじめての産婦人科
2019年7月、大量出血を起こし市立病院に。そこで粘膜下筋腫と診断され、手術を申し渡され、子宮鏡下手術をしたわたしの記録です。
医師や看護師との会話は大体こんな感じだったかなぁというもので、検査等も順序が逆とかになってるかもしれないです。あと、同じ疾患でも医師によって治療方針が違ったりするので、このひとはこんな感じだったんだなぁくらいでお願いします。
はじまりは2018年7月。
生理が終わりそうで終わらないまま2週間。アラフォーな年齢のせいか、はたまた病気のせいなのか、ここ何年か生理がのらりくらりとはじまることが多く、はじまりのかったるさについてはほとんど気にしていなかったものの、なぜかこの月、だらだらと尾を引くように生理が終わらない。
これは……産婦人科に行かなくてはいけない?(ゴクリ
産婦人科と聞いて思い浮かぶこと、それは……
『内 診』
下半身すっぽんぽんで例の椅子に座らせられ、大股開きにされ、医者が何やら器具を突っ込む、あの内診。
イヤだ。
単純に考えて、イヤだ。
でも出血はだらだら続き、止まらない。
行きたくない!
だって未婚だし! こども産んだことないし! 性病になったことない優良児だし! 肩書き医者ってだけの見ず知らずの赤の他人に股間を見せたくないし!(涙
とりあえずなにかあったときに万人がするであろう、検索をかける。
だいたい誰も彼も病院に行けとかいている。そして「がん」の文字。
子宮がんは早い段階から不正出血するので見つかりやすく治りやすい、だから不正出血があったら病院に行っとけ、とのこと。(もうちょいあとで知ることになるのですが、子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんとあって、病院で検査する子宮がん検査は一般的に子宮頸がんの検査なのだとか)
がん、て……。
がんに怯え、命には変えられぬ、と腹をくくって産婦人科に行くことに。
市内には産婦人科は3件。個人の病院が2件、市立病院が1件。
個人の医院は1件は産婦人科、開業して10年も経ってないと思ったが、結構人気。ホームページを見ると予約してくれ、とのこと。もう1件はもともと産婦人科だったがいまは婦人科だけしている。ここで産んだ知人多し。市立病院は紹介状がないと初診は上乗せ初診料金がかかるのでパス。
待合室でキラキラ妊婦に妊娠と勘違いされて「何ヵ月ですか?」なんて聞かれたらイヤなので、婦人科だけしているM医院にかかることに決めた。
行こうと思ってから2、3日は悩んだ。当日も病院は9時からなのに1時間弱自室でくすぶり、恐怖と緊張で壊した腹を抱え、やっと重い腰をあげた次第。
受け付けで初診であることを告げ保険証を出すと、記入してください、と噂の問診票を渡される。
問診票の1問目から
「性交渉の経験はありますか? はい いいえ」
この質問、病院じゃない場所で知らないひとにされたら警察事案じゃないか。
そう思いながら問診票に答えていく。
他にも最終生理日とか、とにかくプライバシーゼロな質問が続き、ささっと終わらせ受け付けに。
ソファに座って待つ。わたし以外にも数人いて、年代はいろいろ。産科はしていないだけあって、妊婦や子連れはいない。皆、どこが悪いのだろう? とか考えてながらもちょいちょい内診のことを思い出しては心臓がきゅっとなる。
そしてあっという間に自分の番。
診察室に入ると年配のちょっとブルドック入った感じのお医者さん。
「よろしくお願いします」
心臓ばくばくしながら椅子に座る。
「はい、どうしたの?」
「生理がだらだら出てて止まらなくて……」
「ふむ、……がん検査したことある?」
「いえ」
「じゃ、内診するし、がん検査もしとくわ」
と、結構フランクな感じ。
「あの、血、出てますけど」
「いい、いい、ダイジョブ」
なにが大丈夫なのか。わたしは大丈夫ではない。
でもそんなこといえないし、おとなしく隣の内診室へ行く。
じゃーーーん! 出た!! 例の椅子!! わたしには拷問椅子に見えたね。
看護師さんに「下着を脱いで椅子に上がってください」といわれ、パンツを脱いで(噂に聞いていたので下はフレアスカートをはいていきました)椅子に座る。意外と手こずる。看護師さんに「足はここにのせて……」と誘導されやっと座る。
看護師さんによりカーテンがしゃっと引かれ、どきどきしながら待機。
カーテンの向こうに医師の影。
ああああああ、とうとう、とうとう内診デビュー!!
このときもだし、婦人科にかかることを決めたときもだけど、産婦人科、もっと若いころに1回くらいかかっておけばよかったと思った。まぁ、用もないのに行く必要はないんだけど、30代後半で産婦人科デビュー、ちょっと恥ずかしい。
なにやら機械を操作し、足を乗せている部分が動く。あっという間におっぴろげ。
股間が涼しい。意外と恥ずかしさはない。
「はい、力抜いてー、横にモニター画面あるでしょ、そこ見ててね」
「は、、はい」
すっと器具が入れられる。ひやっと冷たいが痛みはない。
あれ、意外と、想像していたよりは痛いとかないなぁ。
「うん、きれいだね、ホルモンバランスが崩れてるんだろうね」
横を向き壁にくっついているモニターを見るがなにが映っているのかさっぱりわからない。
「あ、そうでしたか。よかったです」
「じゃ、次、がん検査するからね、痛かったらいってねー」
病気じゃないらしいことがわかってほっとしたところで……
ぐえっ!
内臓を何かでごりごり擦っている。
内臓に触れられている感じが非常に気持ち悪い。
痛くはない、痛くはないけれど……
いーーーーーっと歯をくいしばって数字を数える。(特に意味はないけど、採血のときとか、我慢がいるときに数字を数える癖が)
結構早く数えて30くらいだったかな、そんなに時間はかからなかった。
「はい、いいですよー。血液検査するから採血します」
と、椅子からそそくさと降り、パンツをはいて、採血をし、診察室に戻る。そこで腹部エコーをされる。べたべたしたゼリーのようなものを腹に塗るあれ。こちらも異常なさそう。
「うん、きれいだね。内診では特になにもないし。がん検査の結果は2週間後にわかるから、……あ、お盆休みに入っちゃうねぇ(この日は8月2日)、んー、盆休み前に検査の結果出てるか電話で聞いてみて」
「はい、ありがとうございました」
すこし待って会計をして、特に薬などもないのでそそくさと病院をあとにした。
産婦人科デビューしちゃったよー、あはは。
なんてほっとしていたのもつかの間、このあとまた別の地獄がわたしを待っているのであった!!