第5話 通り過ぎた気持ち
金曜日、朝、4組教室前
「秋川、おはよう。」
「・・・・おは。」
「昨日はどうだった?」
「とりあえずこのノートにゼイダスについて色々記してあるわ、今日は早めに帰ってこれを元に家でじっくり考えてみる、また何か気になることがあればまたあそこに足を運ぶとするわ。」
「何かあったら協力するぜ。」
俺が秋川と話していると、
ドンッと誰かが思いっきりぶつかってきた。
「おい…拝島…てめぇ2組に帰れや…
ここはてめぇの教室じゃねぇ…」
「あぁ!?うっせぇぶっころ…
「コラ、拝島落ち着きなさい!
府中、あんたもいちいち突っかかるな!」
「お前には関係ないだろ…」
「あんたなんかどうでもいいけど拝島はアタシの大切な仲間よ、それに他クラスの友達と話してる子なんて他にもいるわ、まずはそいつらに注意してきたら?」
「ちっ…目障りなんだよ…」
府中は座席へ行った
すると偶然通りかかった昭島が心配してこちらへ来た。
「氷子ちゃん大丈夫?
気をつけてね…府中の野郎最近機嫌悪いらしいよ。」
「あんなの気にするに値しないわ。
拝島、これからも気にせず4組に来なさい。」
「……おう、じゃあ俺教室戻るぜ。」
俺は2組に帰った。
「はぁ…あんなに怒った拝島くん始めて見た。」
「え、そうなの?」
「あの子授業中寝まくってよく笑われてるけどあんまり気にしてないし、話しかけると意外と優しいよ。」
「アタシ拝島と話し始めたの最近だし全然知らなかった。」
「男の子って大変だね。」
「女も大差ないわ。」
1限目、4組
「ここわかる人ー、はい秋川。」
「業界によって様々な言い方がありますが、数学的に言えばシメジの行進曲です。」
「正解……ん?なんだこの音。」
ドタドタドタドタドタ、
バダンッ
「我こそは鮫洲なり!今来ましたで候!!」
「ふざけんな!遅刻だぞ!
廊下に立ってろ!」
「うっわ…数学の岡村じゃん…」
「教師に呼び捨てとはなんだ!?」
「サーセンタッテキャース」
ざわざわざわ……
「鮫洲…あいつ本人の前で呼び捨てしたぞ…」
「なかなかやるな…」
1限目と2限目の間の休み時間、4組前廊下
「鮫洲、悪かったわね。」
「自転車の事は大丈夫だ、
俺今日からランニングで学校来る事にしただけだからさ、自転車は好きに使ってくれ。」
「…ありがとう。」
一方2組教室
「ねぇねぇねぇねぇレイアレイアレイア」
「な、なに。」
「外、曇ってる。」
「まあ夕方雨だしなぁ。」
「私空が見えないと落ち着かない。」
「確かに晴れてる日の方が寝れるよな。」
「あ、今日金曜日だよね。」
「え、うん。」
「6時間目数学だよね、
ピンチになったら私が起こしてあげる、
頑丈な船に乗った気でいて。」
昼休み
「ねぇレイア、今日は作戦会議しないのかな?」
「そいえば今朝聞いてなかったな、
今から一緒に聞きに行く?」
「行こう行こう。」
4組教室
「Zzzzzzzz………」
「……秋川?」
「Zzzzzzzz………」
「私に任せて。」
「…………ふあぁっ!?
……あ、拝島、五日市、どうしたの?」
あんな爆睡してるやつよく起こせたな。
「ごめんね氷子、今日は作戦会議しないのかなって。」
「あー、まだ話してなかったわね。
アタシ、これまで取ったデータを今日明日で分析しようと思っているから今は特にあんた達がやるのとはないのよ、だから次の作戦会議は次の日曜日にアタシの家で開こうかなって思ってるんだけど、どうかしら?」
「いいけど、お前の家って遠いんじゃないの?」
「これ見て、乗り換え込みで1時間ちょいよ。」
秋川はスマホで行き方を見せてくれた。
「まあ…俺は大丈夫。」
「私も大丈夫だよ。」
「はい決まり、今日明日は次の作戦会議に備えてしっかり休んどきなさいね、日曜日、この駅に14時に集合よ。わかった?」
「「イェッサー」」
「じゃあレイア、日曜日一緒に行こっか。」
「そうだな。」
「じゃあアタシは昨日野宿でちょっと疲れてるから次の授業まで寝てるわ、また日曜日に。」
こうして俺達は教室に向かった、
なにかパワーを感じて秋川の方を振り向くと、
秋川の手と思われるものが4組の教室から飛び出していて、グッジョブをしていた。
意味がよくわからなかった。
6限目、2組教室
カツカツ…カツカツ…
教室中にチョークの雑音が鳴り響く
カツカツ…カツカツ…
実は俺この音を聞くと眠くなる…
カツカツ…………〜〜〜〜
?曜日
ピロピロピロピロ……
ピロピロピロピロ……
ポチッ
「あ〜い…もしもし…」
「おいおい、寝ぼけてんのか!?
遅刻だぞ遅刻!!」
「……え!?今何時!?」
「5時45分だバカヤロー!!」
「おわっ!?すまん今すぐ行く!!」
????にて
ザーーーーッッ
「うっわ、朝っぱらから冷てぇ。」
すごい土砂降りの雨で
さしてるビニール傘がボテボテと音を立てている、この音好き、うふ。
「・・あれ、あいつらどこだ。」
辺りを見渡してると、
女の人がいた。
身長が高く、髪が長い、
その女の人は暗い青のコートを着ていて傘はさしてなく、川の向こう岸を眺めているようだった。
川の向こうは激しい雨のが視界を邪魔していたが、どこかで見たことがあるような人影が少し、ほんの少しだけ見えた。でも誰だかわからない。
「あのー、すいません。」
「・・・・・・・・・・」
女の人は静かに振り向いた。
すごく綺麗な輪郭で、土砂降りのせいで顔はよく見えなかったのに何故かすごく美しい人だと感じた。
「なんかガタイのいい男二人組を見ませんでした?多分道着を着てたと思うんですけど。」
「・・・・・・・・・・」
女の人は何かを言いたそうなそぶりを見せたが、
声を出さなかった。
「えっと、大丈夫ですか?」
「・・・・・・・・・・」
「……あれ。」
「・・・・・〜〜〜〜〜」
女の人の顔から無数の雫が垂れていた。
そりゃこんな雨だから当たり前だけど、
何故だか全てが涙に見えた。
「あ、あの、この傘あげるんで、
風邪に気をつけてください。」
「・・・。」
女の人は傘を受け取ると、
口元が少し笑っているように見えた。
「それじゃ、さよなら。」
俺は急いでいるので走ってその場を去った、
しかし俺は泥で滑って
その勢いで水の中に落ちてしまった。
でも全く苦しくなかった、でも寒い。
水の中には、
どこだかわからないけど
すごく荒れた世界が広がっていて、
無数の建物のようなものが破壊されいた。
誰だろう、
小さい女の子が泣きながら歩いている。
なんで泣いてるのかな……
……後ろから誰か来る!?
振り向いたらそこには
……………………
「ーーーーーー!?!?!?」
目の前に数学の岡村がいた。
「……なんだよ、起きてたのか。
ちゃんと黒板見とけ。」
「………?」
も、もしかしてサエが本当に起こしてくれたのかな。
岡村は黒板の方へ戻っていった。
俺はサエの方を見てみた。
でもサエは外を眺めていた。
そうか、さっきのは夢か。
よくわからないけど岡村に怒鳴られる前に起きれたみたい。
それにしてもなんか懐かしい夢だったな。
放課後、2組教室
「サエ、さっきすごいいいタイミングで起きたんだけど、サエが何かしたの?」
「さぁね〜」
「俺さっき変な夢見てたんだよね。
今の外みたいなすごい土砂降りの雨が降っていてさ、なんつーか、寒かった。」
「かったってことは今は寒くないの?」
「今はただジメジメしてる。」
「うん…ジメジメしてキモい…」
「まだ一応四月なのになー。
今からこんなんじゃ夏とか死ぬぜ。」
「じゃあ私暑いしもう帰るね、またね。」
その日は俺も帰り支度を終えたら即帰った。
2日後
日曜日、昼、電車内
俺は現在サエと一緒に秋川の住む街へ向かっている、俺はわかった、秋川のこないだのグッジョブの意味を。
この電車による移動時間から生まれる俺とサエの2人きりの時間を過ごさせることで俺とサエの仲を深めておけって事だ、きっと。
俺がサエについて知ってることが少ないから気を使ってくれたのだろうか、
秋川の自宅集合にしたのはそういうことだったんだと思う。
俺とサエは長い移動時間雑談をしていた。
「あ、そうだサエ、今日は晴れたね。」
「うん、空が青くて綺麗。」
「あの雲も白くて良さげじゃない?」
「どうしてそう思うのかな。」
「雲ってよ、曇りの日はきったねぇ土鳩色だけど晴れてる日は白くて綺麗じゃん。晴れの日の特殊演出って感じでいいと思う。」
「ハトの色も曇りの空も綺麗だよ。」
「空が見えなきゃ嫌なんじゃないの?」
「あの日はちょっと考え事しててさ、
雲のない空が見たい気分だっただけ。」
「な、なるほど??」
「あ、見て見て!飛行機!!」
「え、どこ?」
「本当にキミは鈍いなぁ、
ほらあそこだよ、えっと…あれ、ほら、うー…宇宙船艦みたいな形の雲の上。」
「宇宙船艦……?あの横から見たWiiリモコンみたいな雲のことか。本当だ飛行機!見えた見えた!」
「んん??何言ってんだキミは。」
「あ、ゲームやったことないんだっけ。」
「私、ゲーム興味ないんだよね…
それよりあの飛行機なにかな?」
「あー、あれパイロットの練習用のヤツじゃん。」
「なんの練習?」
「この辺たまに戦闘機飛んでるらしいけど、
あれは客を運ぶヤツの練習じゃないかな。」
「ほぇー、なかなかいいマシンだね。」
「ゼイダス見に行った時もそうだけど、
お前って機械好きなの?」
「まあ、思い入れがあるんだ。」
「そうなんだ、例えばどんな?」
「それはね……」
「まもなく〜中河原〜中河原〜」
「……え?」
「やっと着いたみたいだね、ほら、降りなきゃ置いていくよ?」
「あ、お、おお。」
なんだ…なんか言ってたような……
駅を出たらすぐ近くの銀行の前で秋川が待っていた。
「あのさぁ…あんた達に聞きたいんだけど。」
「お?」
「ん?」
「あんた達なによその私服!?」
俺は先週の土曜同様ジャージ姿にサンダル。
サエは上は制服のセーラー服、下はスカートを履かず学校ジャージにランニングシューズだった。
「あんたらさぁ、もっと私服に気を遣ったらどうなのよ!?雑にも程があるわ!!!!
五日市!あんた仮にも女なのよ!?
せめてスカートくらい履きなさいよ!?」
「いやぁ…スカートあんま好きじゃなくて…」
秋川はいつもはボサボサで超横跳ねしている髪を下に下ろしていて、綺麗かつさらっさらに整えていた。
そして俺から見て右の前髪に、白に黄緑のチェックが入ったヘアピンをしていた。
上は上着は着ていなく濃い緑の編み込みの入ったセーターに両手首にコンピュータの基板風のアートが中に入った半透明のブレスレット、
赤い皮のバッグを肩から腰にかけていて下はジーパンみたいな素材の太ももにとどかないくらいのスカート、白いルーズソックスにモフッとした紐なしの黒い靴だった。
学校にいる時とは大分イメージが違う。
でも、秋川も顔は可愛い方だし普通に似合ってた。
「お前が気合入れすぎなんだよ!
説明に10行以上も使っちまったじゃないか!
お前の家行くだけなのに重装備すぎ!」
「うるさいわねぇ、休日くらい好きな格好していいじゃないの。」
「はぁ…まあいっか、家どこ?」
「歩いて数分よ、そんなにかからないわ。
それじゃあ向かいましょう。」
駅からちょっと歩くと家がたくさん並んでいて、ぶっちゃけただの住宅街、特に珍しいものはなかった。
「ここよ。」
意外とすぐ着いたなぁ。
秋川の家はまあまあ大きく、現代的な家でかなり綺麗だった。
「うおー、家おっきいね…
氷子の家金持ち?」
「父型のおじいちゃんがバブルの頃に買った土地を私が生まれた時に譲ってくれたの。」
「それにしてもデカイだろ…
おじいさん仕事何やってんの?」
「今は年金暮らしだけど、
昔はちょっと……これよこれ。」
秋川は親指と人差し指と中指を立てて自分の首元をつついた。
「ひぇっ………」
「冗談、私も知らないわ。」
氷子の家に上がると、
玄関の靴箱の上はロボットのプラモデルがたくさん置いてあった。
「なにぃいッッ!?」
サエはオーバーリアクションをした。
「確かに置きすぎかも知んないけど、そこまで驚くことないじゃない、私一人っ子だし両親はこれと言った趣味も無いから至る所に置かせてもらってるわ。」
「ロボットかぁ、かっこいいね。氷子の魂を感じる、まるで生きてるみたい。」
俺もロボットのプラモデルを見てみたが、確かにロボットの目が生き生きしているように感じた。
「そう言ってもらえると嬉しいわ、今そこにスリッパ置いといたから、とりあえずリビングまで来て、今日は両親共出かけてるから変な気使わないでいいわよ。」
スリッパは布に金箔が入った感じだった。
「うわ、このスリッパ高そう…」
リビングまでは結構すぐだった、
リビングは広く、色んなところにロボットや戦闘機などのフィギュアやプラモデルが飾ってあり、フィギュア棚まであった、リビングなのに、そして長いガラステーブルの周りに椅子が6個置いてあった、こいつ3人家族じゃないの?椅子6個って…2倍じゃね?こんなにあったら邪魔じゃないのかな、というか合計でいくらくらいしたんだろう、ニトr…じゃないよなこれ、いやでも最近あそこの家具も進化してるし…
「何見てんの…あ、椅子?お客様用に少し多めに置いてるのよ。」
「どこで買ったやつ?」
「あのねぇ、さっきから生々しく訊いてくるけど特別高級な物は置いてないわよ。」
「ス、スイマセン。」
「五日市を見なさい、さっきからずっと静かよ。」
サエは無言で秋川宅の冷蔵庫を覗いていた。
「ちょっと!?なにやってんの!?」
「え、あ、何があるかなぁって。」
「……まあいいわ、向かいの食器棚の下にお菓子入ってるから好きなの取っていいわよ。」
「わーい。」
「はいそろそろ作戦会議始めるわよ、各自好きなとこに座って。」
「「イェッサー」」
机には秋川が淹れてくれた麦茶と、サエが取ってきたどら焼きが置いてあった。
「はい、これより作戦会議を始めるわよ。
私が3日間の実験でわかった事を話すわ。
まず、隕石に見えた人とUFOに見えた人で意見が分かれた理由についてアタシの見解を話すわ。
あんた達には町の中でも村から、そして落下地点から遠い地域で聞き込みをしてもらったの、そしてアタシは村やその近くで聞き込みをした。あんた達が聞いた人達はみんな隕石だと答え、私が聞いた人達はみんなUFOだと答えた、おそらく遠い地域では宇宙船がまだ大気圏突入の影響で炎を見に纏っていて、本体が茶色味がかって見えたことが原因だと思うの。そして村に落ちる直前に冷却機能が発動した事により炎が消え、隕石以外の物体だと認識できたのよ、一般的には宇宙船よりUFOの方が浸透してると思うし宇宙船って答えた人がいなかったのはそういう事だと思うわ。」
「そうか!宇宙船がやけにヒンヤリしていたのは冷却機能の影響って事だな!」
「きっと関係しているわね。」
「ねぇ、じゃあカメラの映像で宇宙船が映ってなかったのはどういう事なの?氷子が仕掛けたカメラには宇宙船はどう映ったの?」
「それに関しては今から順を追って話すわ、まずAK現象なんだけど、町に届いてないだけで村周辺では小規模ながら毎晩起きているみたいなの、アタシが泊りがけで観察した時もその事は確認できた、しかし宇宙船はしっかり映っていたのに対してAK現象によって生じる光がカメラには映らなかったの、宇宙船自体にカメラに映ったり映らなかったりする機能が備えられているのかも知れないわ、その意図はわからないけどね。」
「お前が考察を書いたノートを読み返してみない?そうすれば何か掴めるかも。」
「え、あー、アレね、アタシおととい疲れてたじゃない?そのせいで学校に忘れてきちゃったの。」
「あ、そうなんだ、じゃあ自力で考えるしかないな…」
俺が秋川と宇宙船について話し合っていると、サエが肩をつついてきた。
「ねぇレイア、あのテレビの前に飾ってあるロボットかっこよくない?」
「どれ、一番右のやつ?」
「そうそう。」
サエが言っていたのは、昭和のロボットヒーロー特有のデザインをしたソフビだった。
「たしかにかっこいいな。」
「え、あんたらあのかっこよさがわかるの?
ふふん、あれジャンク品で運良く5千円で手に入ったのよ、カビを綺麗に取ったら全然見れる感じになったわ。」
「たっか!」
「もっと高く売ってる店なんて沢山あるわ。
あの時代のソフビで5千は安い安い。」
「氷子、あの戦艦、私知ってるよ、ガチャガチャのコレクションでしょ?」
「そうそう、小さいけどよくできてると思うわ。」
「あれファミコンじゃね?やらしてよ!」
「いいわよ、準備するからちょっと待って。」
「私もやってみたい、ファミコンって昔のゲーム機でしょ?お父さんが持ってて仕事でストレス溜まった時に時々やってるの見てたんだよね。」
「準備できたわ、ソフトはこれでいい?光線を撃って宇宙の蛾を倒すゲームなんだけど。」
「面白そう!!やろう!」
それから俺達は宇宙船がなんなのか全く思いつかず、気が散りに散り、雑談とゲームをして楽しんでいた、時々リビングにあるフィギュアの話をしたり、学校での話をしてね。
そしてあっという間に夕方になり…
「レイア、そろそろ帰らない?」
「ちょっと待って、これ終わったら!!」
俺はすっかり様々な形のブロックを並べて消すゲームに夢中になっていた。
ブロックを横に綺麗に並べるとブロックが消滅するんだ、ブロックを消さずに溜めすぎると負け。そんな感じのパズルゲーム。
「……あれ、ねぇサエ、秋川!!」
「どうしたの?」
「なに?」
「この細長いブロック、なんとなく宇宙船の周りにあった柱に似てね?」
「言われてみれば似てなくもないかも。」
「どこがよ、形が直線なだけじゃない。」
「あ、やべ、死んじゃった。
じゃあ、片付けて、そろそろ帰るわ。」
「片付けはアタシがやっとくわ、壊されても困るし、なんかゲームしかやってなかった気がするけど、今日は楽しかったわ、また明日学校で。」
「今日はありがとな、それじゃあな。」
「お邪魔しました、またね氷子。」
そうして秋川宅と中河原を俺たちは後にした。
帰りの電車
「ねぇ見て!戦闘機!」
「ほんとだ、かっけえー。
俺戦闘機初めて見たよ。」
「私は前に何度かあるよ、
東京に引っ越して来る前だけどね。」
「そうなんだ。」
そういえば前にもチラッと聞いたことがあるけど、サエは高校のために他県から引っ越してきたらしい、どこからきたのかは知らないけどね。
翌日
月曜日、朝、学校
ざわざわ…ざわざわ…
「……?」
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
「……え、マジ?こっわぁ〜」
ざわざわ…ざわざわ…
「……………」
「あ、おい秋川!今大変なんだよ!!」
「あら鮫洲じゃない、何なのこの騒ぎ。」
「い、いま拝島と府中が殴り合いの大喧嘩してんだよ!」
「………はぁ!?」
次回へ続く