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始めの一歩!残しとく?

初めまして。ひさつのナツです。この度は私の作品に少しでも目を通していただきありがとうございます。

まだ読んでない?これから?だとしたらすみません。(汗)今回2003年の時代が舞台となっています。ガラケーの普及、音楽業界全盛期最中、「千と千尋の神隠し」が第75回アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞。養老孟子先生の「バカの壁」が400万部の超ヒット。

「世界の中心で、愛をさけぶ」で何人が涙したことか。思い出してきました?

あの頃の時代のお話でございます。

そんなビッグウェーブの中、小さな恋がいくつもあった中の一人の少年の恋から始まるちょっと甘酸っぱい、心のどこかがムズムズ、良いモヤっと感が表現出来たらと思って書いていければと思っています。

ラブコメ好きが必死に書いていく人生初のラブコメ。少しずつ更新していきますので

どうか最後までお付き合いいただければ幸いです。

  2003年某日・・・

世の中にはようやくガラケー、つまり携帯電話が普及しある程度持つのが当たり前になった時代。今でいうiPhoneやスマホが無かった時代の話である。

僕たちは小学校の頃から遊ぶときは家庭用電話機で相手の家に電話し、

「〇〇ですけど△△君いますか?」と相手方の親御さんに伝えて本人に電話を代わってもらうのが普通だった。そのため、帰りが遅くなる場合や、どこに出かけるかはどちらかの家庭の人が把握していたため安心できていたそうだ。そして川に行ったり森で遊んだり、公園でケイドロ(地方によってはドロケー)や野球・サッカーなどしたり、たまにはお坊ちゃん子の家で広い部屋の中某カートゲームや髪型が独特な少年が主人公のカードゲームをしたり、常にどこかに誰かと晴れでも雨でも集まって遊んでいたものだ。

現在が2019年だから15年程度で人間を取り巻く環境はがらりと姿を変えてしまったものである。別にそれが悪いとは思わない。その時その時の時代で生き方が変わるのは自分たちが良く知っている。このお話では今とはちょっと変わった、それでいて少しほろ苦い一人の少年の青春と成長のお話・・・。



 小学校6年生の卒業式間近、僕【佐野智成】が焦っていたのには理由があった。一つ隣のクラスの片思いしている子【篠宮めぐみ】に会いに行きたかったからだ。6年間好きだったこともあり自分の思いを告げようと思っていた。卒業式の前にこっそりその子のクラスまで行き教室をのぞいてみた。するとその子は・・・いた。たくさんの女の子と話しながら写真を撮る姿があった。

とりあえず僕はそのクラスの男友達に声をかけみんなと話しながらその子の様子を伺っていた。しかし男友達と話しながら隙を見つけて片思いの子に話しかけるなど…すごく緊張する。小学生というのはそういうお年頃だ。なんで好きかはわからない。けど気になる。でも話しかけるのは恥ずかしい。そんなものだ。ましてや6年生で卒業式の日他のクラスの奴が来て以西の子に話しかけるなど注目されるに決まっている。日ごろから毎日来て話しているなら特に違和感ないだろうが、珍しく顔を出してきて女の子に話しかけるなんて…無理!(笑)など考えているうちに最後の予鈴が鳴る。

仕方なく教室に戻り整列し体育館で行われる卒業式へと向かう。体育館内のステージ前に1クラスが約30名の人数が計4組。そしてその後ろには在校生の5年生が見送りとして卒業式に参加する。その周りに卒業生のお親御さんが座って観覧という形である。ステージ上ではお世話になった先生方や役員の方々が挨拶を行い、僕たち卒業生の卒業証書を生徒一人一人に渡していく。事前練習をしていたように、淡々と静かにこなしていく。中にはやんちゃな男の子が卒業証書を貰うと振り回して笑わせようとしてくれたり、感極まった女の子が涙を流しながら証書を受け取ったりしていた。そんな中僕はというと・・・号泣していた。

周りの男子がからかう程に。

「ともめっちゃ泣いとーやん」

「えっ卒業証書もらっただけばい?(笑)」

小さいころから涙もろく、卒園式でさえ泣いた記憶がある。さらに言えば3ピースで有名になったあの「人にやさしく」のドラマで泣いたのを覚えている。人から怒られたり、喧嘩したりしても泣いた記憶はあまり無いが、感動を呼ぶ場面だったり、心がジーンとするシーンを見ると涙がほろりと出てしまうのだ。動物ものなどもってのほかである。だからこの卒業式でも涙が止まらなかった。

男子からはからかいを、女子には誘い涙を提供したのが僕であった。

卒業証書が卒業生全員に渡り、続いて卒業生から感謝の言葉を述べる。そう、よくあるあれである。

「卒業生、起立」生徒会長の最後の仕事が始まる。

「卒業生から先生方、在校生、お父さん、お母さんへ贈る言葉」

ここで「旅立ちの日に」のイントロが流れる。僕は再びウルウルし始める。

ただ僕が涙を流していたせいか、最初はからかっていた他の男子もウルウルし始めていた。しかし何故か男の子というのは人に泣いている姿を見られたくないもので、みんな必死の形相で唇を噛みしめていた。

卒業式を終え、最後のHRホームルームのため各教室へと戻る。教室に戻ると式の最中はみんな横一列に椅子に座って並んでいたため気が付かなかったが、女子のほぼ全員は涙を流しながら思い出話や写真を撮るのに忙しそうだった。

教室に戻っておよそ15分後、先生が大きな箱を持って教室に入ってきた。

「みんな卒業式お疲れ様でした」と先生が柔らかい口調で話す。

「今からみんなに最後のクラス活動をしてもらおうと思います」

クラスのみんなが

「ドッチ?ドッチボール?」

「フルーツバスケット?」

「写真撮りたーい!」などテンションが上がっているがさすがに卒業式にそれはないだろうと思っていると……

「今から20歳の自分自身に向けてお手紙を書いてください。それをこの大きな箱に入れてタイムカプセルとして学校の桜の木の下に埋めます」と先生が言った。

「「おおおーーーっ」」

このタイムカプセル企画に思わずみんなテンションが上がる。

クラスのみんなにA4サイズのカラフルな紙が配られる。都合上20分程度しか時間が無いが、みんな思い思いに色ペンや絵を描きながら進めていく。僕はというと何を書けばいいか悩んでいた。

うーーーん・・・と悩んでいると後ろの席の【宮本和毅】が背中をちょんちょんとつついてきた。

振り向いて

「どした?」と訪ねると、

「もう書き終わった?」と和毅が言う。

「んーん、まだいっちょん書いとらんよ(笑)」あははと笑いながら言うと、

「何書けばいいっちゃろうね(笑)」

「20歳って大学生か仕事しよるって全く分からんね。」

「結婚しとらんとかいな?」

「それは早いやろ!」

「でも18歳から結婚って出来るとよ。ともは無理やろうけどね(笑)」

「腹立つ(笑)」とは言うもののこの言葉にピンときた。おまじないというか願い事を含ませた手紙を書くことにした。


「 20歳の僕へ・・・    」



集中して書き終えると、ふぅ・・・と一息。大事に丁寧に折りたたみ箱の中へ入れる。

席に戻ると和毅が

「結局なんて書いたとー?」と聞いてきたので

「ひーみーつ(笑)」と返すと、隣の席の【永田美佳】がニヤニヤしながら

「あーし、チラっと見たけど和毅知りたい?」と言う。ていうか見ないで!(焦)

「えっ永田見たと?知りたい知りたい!」と嬉々とした顔で和毅が言いだすので

「いやいやいやいや!だめよ言っちゃ!」と慌てて遮ると

「そーよね。タイムカプセルやけんね。和毅、20歳まで待っとき(笑)」

「めっちゃ気になるーーー?」

いつものような友達とのやり取りに笑っていると、このやり取りも今日で最後なのだと思うと、寂しくなってきた。

やがて時間となり、先生から最後の言葉が贈られる。

「みなさん、改めて卒業おめでとうございます。今日で小学校の生活もおしまいです。

少しの春休みの後、中学一年生として新しい学生生活をスタートします。中学生活の3年間はきっとあっという間に過ぎて行ってしまいます。部活動に入って新しい自分を見つけたり、他の小学校から上がってきた子と新しく友達になったり、恋なんかもしちゃったり、たくさん新しい思い出が見つかると思います。」

ここまで話すと先生は少しふぅっと息を吐いてみんなの顔を一人ずつ見て

にっこりと笑った。

そして静かに

「卒業生の担任をさせていただいたのは私の教師人生として初めてでした。分からないことだらけでたくさん困ったし、その分みんなからたくさん元気をもらいました。先生はみんなのことを決して忘れたりしません。だからみんなも大人になってもたまには先生のことを思い出してね」

先生がみんなに言い終わった後、みんな涙。金八先生かと思った。リアルタイム見たことはないけど。

みんな涙を流したが、クラスのみんなと笑顔で集合写真を撮り、最後の帰りのあいさつを元気な声で終え、下校となった。保護者会のほうでも最後のあいさつが済んでいたようで

皆保護者の方と車や徒歩で下校した。僕も両親と共に車に乗って帰宅した。

 それから約二週間の中学校に上がるまでの春休みが始まった。その期間はいつものメンツと遊んでいた。僕、三田優志、戸上良太の三人がいつものメンツである。

ここに他の友人もたまに加わったりするが、基本的にこの三人で行動している。

そういえばぼくたちの外見についてまだ説明していなかった。

僕【佐野智成】は本当にいたって普通の男子である。黒髪短髪・ブルーの縁のメガネ・身長158cm・ちょっとプニプニしている男子である。ちょっとではないのかもしれないが・・・。

人見知りせず、すぐに人と仲良くなるから小学校の中でも顔広く知られていた。

あ、あと今作の主人公手立ち位置にいる。

【三田優志】は家が真面目な公務員の親によって悪さをほとんどしない良い子に育っているといっても過言ではない。それくらい彼もまた真面目である。悪さをしても自分だけはあまり怒られないように一歩引いて便乗するちょっと(ズルい)タイプな性格だ。あとはかなりの野球好き。自分でもプレーするし壁に掛けてあるのは好きな選手のポスターやグッズとかが飾ってある。かなり正統派な野球少年。外見は坊主頭に細身の体型。身長は155cm。

【戸上良太】は僕の小1からの友達だ。入学式初日に喧嘩をしたくらい最初は仲が悪かった。内容はよく覚えていないが・・・(笑)。それから少しずつ仲が良くなっていき、よく二人でいたずらをしていた。良太は三兄弟の真ん中で一番ノビノビとしていた。身長は小学校の中では大きい方で165cmもあり、体格も太い。僕みたいにぷにっているというよりは、がっしりしている感じだ。幼いころから剣道・水泳を習っており、スポーツはかなり得意な方で体力も小学生の中で群を抜いて凄い。ただ彼にもコンプレックスがある。髪型である。現代では「マッシュ」と言われるようなヘアスタイルではあるが、この2003年ではあまり流行っていなかった。「〇上がり決死隊」のホトちゃんのような感じである。

まあこんな感じで小学校最終学年はみんなクラスがバラバラだったが、個性は皆異色ながらも仲良くしている。

 そんなある日、中学校の制服の採寸をしなければならない日がやってきた。

採寸は登校日のような感じで卒業したみんなが再度集合する日であった。午前9時半頃、母親と卒業した小学校へ足を運ぶ。体育館ではクラスごとに分かれて以前の出席番号順に並び身長、体重、肩幅、腕幅、股下、足のサイズなど体の採寸を身体検査のように簡易カーテンの向こう側で行っていく。待っている間は「春休み何しよった?」

「中学校の入学祝にゲームキューブ買ってもらったとよ!」

「中学校はチャリ通(自転車通学)?」

「今度遊ぼうぜ!」など卒業して一週間足らずなのに皆少しの成長と身の回りの変化の話をしている。

親同士も前後で挨拶やこれからも仲良くしてあげてね。というようなママさん会議が行われいた。うちの親ももちろん喋りまくっていた(笑)。そうこうしているうちに自分の番が回ってきた。無事に終えた後仲良し組と一緒にご飯を食べに行くことに・・・。

というが企画したのは親たちなので、みんな強制的に着いていく感じになるのだ。とは言っても福岡ではおなじみ「牧のうどん」である。テレビでもたまに取り上げられるが、福岡のソウルフードの一つであるのは間違いない。さっさと食べないと麺が増え続ける無限のうどんでもある。もちろん相棒の「かしわごはん」も一緒だ。親たちはうどんが伸びるのもお構いなしに喋りまくっていた。(笑)

僕、優志、良太はうどんを食べながら中学校の事について話していた。

「中学校はどんなことあるっちゃろうね?」と僕が言うと、

「部活とか何しようかなー」と良太が言うので

「部活って何?」と聞くと、

「色々スポーツクラブみたいなのが学校で出来るってよ。」すると優志が

「俺は絶対野球部に入るぜ!」と声を上げる。

今の流れから大体予想はついていた。しかし本人はかなりドヤ顔である。

「ともはどうすると?テニス続けると?」と良太が言ってきた。

実は僕は小学四年の頃から硬式テニスを地元から離れたテニスクラブで習っていた。

自分からやり始めたというよりも父に何かスポーツをしてみろと言われ続けている形になっている。正直続けようかどうかも悩んでいる。

「何も決めとらんよ。別にそこまでテニス好きやないしね」と言うと、

「じゃあ野球にしようぜ!」と優志が言ってきた。

野球かぁと呟くと、良太は何と

「俺も野球してみようかな……」と言う。

「マジ?良太が言ったらそれバリ悩むやん。僕一人やん。(笑)」

「やけんともも野球にしようって!」優志が熱くなってきた。(笑)

こうなってくると野球を語りだしてめんどくさくなるので、

「分かった。考えとくけん。他の話しよう」と伝えた。

それからはマリカーの話やスマブラの話で盛り上がった。もちろんニンテンドー64の話である。今現在でも思うが、あの二作は神ゲーだと思っている。

食事も済み、そろそろ帰ろうかと親たちもなってきたので、皆それぞれ帰路へ着いた。

「また中学校の入学式で会おうね」と言って解散した。

その後は春休みをのんびりと楽しみ、最後の週には制服も届いた。


 2003年4月2日、これから通う福前中学校の入学式。

 近隣の4つの小学校から新入生が集まる事になる。

1つのクラス人数が約30名の7つのクラス編成による1学年約210名ほどのなかなか多い中学校である。

朝8時半に僕は左胸に校章が入ったブラウンカラーのブレザーに身を包み、ネイビーの線が入ったブラックのスラックスを穿いた。そして両親と共に車に乗り、校舎隣にある体育館へと向かった。


完結後編集予定。

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