仲間
次の日。襲われたことを話したら、黒音も襲われたとのことだった。敵については、何もわかってはいないが……
「それで今日はどうするのよ?」
「とりあえず、ばらばらに動くのは危険だな」
「そうね」
「あとは、使えそうなやつを探すか」
「そうね。でもあてはあるの?」
「ない」
「はっきりというのね」
「ないからな」
「あの、一人心当たりが」
「なら、そこに行くか」
黒音の知り合いなら、獣耳かもしれないしな。さあいこう! すぐいこう!
「さあ、いきましょう」
「恒さん、いませんか?」
「黒音。よくきたな」
男か、それならいらないな。
「恒さん、えーと」
「その前に、後ろ二人は誰だい」
こっちに話が向いたようだ。
「俺は、佐曽利 舞人」
「月影 沙希よ」
「俺は騎希 恒だ」
それから、互いに持ってる情報の交換をした。
わかったことをまとめると、彼もこのゲームの参加者で[皇帝]。化け狐族の一人。一度敵に襲われたが、なんとか撃退したらしい。
「というわけで、同盟に参加してもらえるかしら?」
個人的には、男はいらないんだが。弱くないならいいか。
「いいよ。俺も仲間がほしいと思ってたところだからな」
「同盟成立ですね」
どうやら同盟は成立したらしい。ただ、男が入るとハーレムじゃなくなっちゃうんだよな。
「とりあえず、今日はここに泊っていくといい。今から戻るんじゃ、夜の森を抜けなきゃいけないしな」
「そうしますね」
まさかの野宿か。まあいいけど。
「消しておいてくれたかの」
「例の二人は消しておきました、狐姫様」
「流石じゃの、やはりお主は優秀じゃ」
「今は、奴らの同盟に参加させてもらいました」
「ほんに優秀じゃの」
「始末しますか?」
「よい、まだ生かしておけ」
「わかりました」
「それから、何かが近づいてきておる」
「なにか?」
「気を付けるがよい」
「ターゲットは四人。二人で大丈夫?」
「大丈夫ですよ」
「ああ、任せてくだせぇ」
「なら、任せるわよ」
そして夜が明けた。
「起きてください、敵襲です」
敵襲か、面倒なことになったな。
「舞人はここにいて、黒音と恒さんは敵の対処をお願いします」
なぜか沙希が仕切ってる。最適な選択だとは思うが。
「二人しか来ないのね」
「なめられたもんでさぁ」
「作戦ですよ」
「そういうことだ」
「一人一殺でいきますよ」
「了解でさぁ」
「最初から殺す気でいきますね」
「化け猫なんかに負けませんよ」
猫が襲い掛かる。それをあしらう少女。二人の少女が舞い踊る。
「強いじゃない、化け猫」
「黒音よ」
「私は、岬 美咲。[女帝]よ」
「聞いてないです」
「聞いてなくてもいいのよ」
話してる間も攻防は続いてる。
「もう十分よ、戻りなさい」
どこからか声がしたと思ったら、目の前にいた敵は消えた。[証]を残して。
「さっさと終わらせてやらぁ」
「こっちのセリフだ」
互いに剣を構えた。
「あんたも剣士か、奇遇だなぁ」
「剣士じゃない。剣も使えるだけだ」
剣と剣がぶつかり合う。
「狐火」
「なっ」
恒の放った火が敵を焼く。
「剣だけともいってない」
「俺の……負け…でさぁ……」
「終わりました」
「こっちもだ」
どちらも勝利したようだ。さすがというべきか。
「なら、帰りましょう?」
「そうだな」
しかし、戦闘をしたせいか、ついた時には夜になっていた。
そして、眠りについた。