同盟
絶対なる世界の支配者[神]は、世界の全てのものたちに、あるゲームを課した。選ばれし22人による、サバイバルゲーム。選ばれしものは、ゲーム開始時に[選ばれしものの証]を得る。退場条件は、[証]の破壊及び[死]である。最後の一人、優勝者は一つだけどんな願いでもかなえることが可能だ。
さあ、ゲームの始まりだ。
俺は、佐曽利 舞人。魔術師だ。といっても、治癒魔法しか使えないが……。
神が始めたこのゲーム。俺は関係ないと思っていた。だが、俺のもとにも[選ばれしものの証]は届いたのである。
当然、回復魔法しか使えないようでは、他の参加者にすぐやられてしまう。どうするべきか。
ーー証は、諸刃の剣とすることが可能だーー
今の声は?
ーー証を、そして自分の力を駆使し勝てーー
いったいどこから。誰が話しかけてるんだ?
……何も聞こえなくなった。
諸刃の剣とするってなんだ。どうやって勝てばいいんだ。
「あなたも選ばれしものかしら?」
どこから? って今度は目の前……じゃない。
「あら? 身構えなくてもいいのよ?」
「目的はなんだ。油断させて[証]を壊す気か」
「そんなことしないわよ」
「じゃあ、なにがーー」
「同盟よ」
「同盟?」
「他の参加者を倒すまで、手を組みましょ?」
「なぜ俺が参加者だと分かった」
「疑り深いのね」
「慎重だと言ってくれ」
「女の勘。じゃあダメかしら?」
「だめだ」
「近くにいた人に鎌をかけて回ってたのよ」
「そうか」
「納得してくれた?」
「追及をやめただけだ」
「同盟は?」
「そんな怪しげな誘いには乗れない」
「ならここでやる?」
「それこそ、お互いにとって不利益だと思うが」
「なかなか、賢しい子ね」
「慎重だと言ってくれ」
「ならこれでどう?」
「なんのつもりだ」
「私の[証]をあなたが持っていれば、信頼できるでしょ?」
「貴様正気か?」
「同盟を結ぶ為ならね」
「……わかった。同盟を受けよう」
「交渉成立。うれしいわ」
「俺は佐曽利 舞人、よろしく」
「月影 沙希よ」
助かったぁ。なんとか余裕あるふりして、こちらに有利な条件で同盟結ぶことに成功した。これからの話次第では、戦わずに勝ち残れるかもしれない。
「ところで、あなたの[証]は何?」
「何とは?」
「あきれた。タロットカードになってるでしょ?」
「ああ、確かに」
「で、あなたは何?」
「貴様はなんだ?」
「さっきあげたでしょ」
「ああ、そうだった」
落ち着け、落ち着け、俺。
「俺のは、[吊るされた男]だな」
彼女のは[月]か。
「なるほどね。あなた戦闘経験は?」
「なんどか」サポートだけど。
「期待してるわ」
「貴様はどうなんだ」
「皆無よ」
「もう少し強いやつを、同盟に加えたほうが良いな」
「そうね。もう一人か二人はいてもいいわ」
「ならば、そっちは任せていいか」
「いいけど、あなたは?」
「戦闘準備を整える」
「わかったわ。メンバーが集まったらここに来るわね」
「ああ、頼んだ」
よし。これでひとまず安心だ。あとは、「諸刃の剣とする」か。
と、カードが光を放って姿を変えた。
「そういうことか」
諸刃の剣とする。[証]を破壊されれば負けとなる。だが、[証]は武器になる。だから諸刃の剣か。
「もどれ」
……戻らない。どうしよう。
「タロット」って何を言ってるんだ俺は。
と、光を放って元の形に戻った。
どうやら、俺の当面の武器は同盟になりそうだ……。
「何が目的ですか、[神]よ」
「なんの話だ」
「このゲームです」
「気まぐれだよ」
「気まぐれですか」
「前もそうだっただろ」
「確かにそうですね」
「ただの気まぐれにすぎないのさ」
沙希が帰ってきたようだ。一人後ろについてきている。フードをかぶっているので、顔はよく見えないが女の子っぽい。
「とりあえず一人。期待できる娘が仲間になったわよ」
「彼がリーダーですか」
「そうよ。自己紹介なさい」
「結城 黒音です。よろしくね」
「佐曽利 舞人だ。よろしく」
「まだ言うことあるでしょ」
「えーと、化け猫族で[力]です」
フードを取ると、耳があった。人間ではなく動物の、おそらく猫の。
「信じてもらえました?」
「ああ、信じるよ」
「じゃあ、改めてよろしくお願いします」
「よろしく」
まさかの獣耳キャラ! 実在するのは知っていたが、見るのは初めてだ。ついでに美少女ときている。これは、他種族美少女ハーレムを作れるのでは。
「みぃつけたぁ」
すぐ近くに危険が迫っていることを、その時はまだ理解してなかった。
自由に書いたので、途中で矛盾が生じてるかもしれませんが、ご容赦ください。




