日常
実話を元に書いていきたいと思います。
梨香21歳は、愛に溺れてるゆく、
知らなかった世界、知らなかった愛
純粋なこころは壊れていく。
梨香は大学生。容姿は普通、すごい美人でもないし
すごく可愛いとも言えない。
ただ愛嬌はあったそんな普通の子。
いつも笑顔が耐えない彼女
友達と話している時、一緒に遊んでいる時
どんな時でも絶え間ない笑顔。
ただ自分にしかわからない満たされない心。
気持ちが空っぽなんだ。
そんなものに寂しさを感じていた。
「今日は学食にしようよ!」友達の彩香は
わたしの仲良しだ。明るくて少し真面目でも
どこか抜けてる大切な友達。
「わたしね、彼氏できたんだよ♪同じ学科の涼太♪
梨香には言わなきゃとおもって♪」
「そうなんだ!おめでとう!てかいつの間にー?!」
私は嬉しそうな彩香を微笑ましく思った。いいな、
わたしにもそんな人現れないかな。そんなことばかり
考えていた。
ある日、あてもなく歩いていた、ふらふら、そんな感じ
そんな街の中、銀行前そんな場所で
一人の男性が声をかけてきた
「こんにちわ!可愛いね♪
うちの店で働いてみない?時給いいよ!」
なんてちゃらいんだ!しかもスーツだから銀行の店員さんか
と思った!
そう考えていると彼は名刺を渡してきた。
そこには梶原 竜也 それと電話番号が書いてあった。
「なんのお店ですか?」
「スナックなんだけどbutterflyってお店でお客さんにお酒を
出したり、お話をして喜んでもらうお店だよ♪どおかな?
もしよかったら電話してね」そう言って彼はいなくなった。
私は少し怖かったし、怪しいなと思ったけれど
好奇心もあった
「もう少し考えさせて下さい。」
そう言うと1ヶ月後
梶原さんに電話をかけていた。
「もしもし、この前名刺を頂いたものです。
そちらで働きたいのですが…」
「あ!この前の!」こいつ、覚えてるのか?
と思いながら
「はい。どうすればいいですか?」
「お店の場所を教えるよ!春風通りの奥から4番目の
ビルの2階で隣にお寿司やさんがあるビルだよ!わかるかな?
向かいは美容室naturalだよ!」
「あ、わかります!」
「分かるなら明日にでも来てもらえるかな?
だいたい7時半くらいに。大丈夫かな?」
「はい!わかりました。持ち物はなにかありますか?」
「衣装は全部お店にあるから大丈夫だよ!
髪の毛はnaturalで月契約してもらうから
ずっと働く気があるならそこでヘアセットしてもらう事になるよ!」
「わかりました。明日7時半におじゃまします。」
こうして私は水商売に足を踏み入れた。商品として。
軽い気持ちお小遣いになるかな?どんな世界なんだろ?
そんな気持ちで。
初めてのbutterflyはすごく緊張していた。
怖いお店じゃないかな?変なことされないかな。怖い
そんなことを考えながらお店に向かった。
ビルの外では梶原さんが大きく手を振って待っていた。
「場所わかったみたいでよかった!
久しぶりだね!早速なかに入ろう!」
そう言われ私は梶原さんとエレベーターに乗った。
「怖くないですか?私でも大丈夫ですか?」
ついに心の声が出てしまった。
「はははっ。すごい緊張してるね!だいたいだよ♪
怖くないし、梨香ちゃんかわいいから大丈夫だよ♪
こんな怖い顔しないで♪」
少し笑われてほっとしたのかもしれない。
そのうちお店に着いた。着物の女性が出迎えてくれた。
「いらっしゃい。はじめましてママの愛です。
これからよろしくね。お名前は?」
「はい!梨香です!よろしくお願いします!」
「ふふっ。元気がいいのね。うちではあなたの
自由に接客していいからね。だからといって
お客様が嫌な気持になることをしたり、
言ったりするのは違うからね。あと香水は禁止よ。
あとは、一番長く勤めてる、めぐみに聞いてね。
めぐー!新人さんよー!」
そう言ってママはカウンターに消えてしまった。
「こんにちわ。梨香ちゃんだっけ?めぐみです!
これから基本のことを教えていくね。」
そう言ってめぐみさんはお客様が来たときは
挨拶をすること、おしぼりを渡すこと
コートをハンガーにかけること、
飲み物を聞いて、ボーイさんに持ってきてもらうこと
コップが汗をかいたらハンカチで拭くこと、
自分の飲み物をおねだりすることなど。を教えてくれた。
「まぁ、最初は私もついてるから
一緒にだんだんなれて行こうね♪」
そういってめぐみさんは優しく笑顔をかけてくれた。
「説明は以上!更衣室にドレスと靴があるから
好きなものに着替えてきてね♪更衣室は右奥だよ!」
そう言われて私は更衣室へ向かった。
更衣室にはキラキラした衣装や高いヒールの靴が
たくさんあった。その狭い更衣室を宝石箱みたい。
そんな風に思った。
着替えが終わるとめぐみさんに呼ばれ
さっそく、初めての接客が始まった。
ドアが開き鐘の音がなる。
「いらっしゃいませ♪こちらへどうぞ。」
めぐみさんが、お客様をひとつのテーブル席に案内した。
「お飲み物はいかがなさいますか?
ウィスキー、焼酎、カクテルなんでもありますよ♪」
キラキラした衣装をきて、バッチリ化粧に、高いヒール
髪の毛もお姫様のように飾られて、すごく綺麗だった。
その中に自分がいる。
そこは私の知らなかった私の新しい世界。全てが輝いてみえた。
そんな世界にわたしは魅せられていった。
学校があったから、週3回ではあったけれど、
遅い時間まで働いて
朝早くに起きて学校に行って、そんな生活をしていた。
多分とても疲れていたと思う。それでも自分は必要とされてる
と思った。
それが凄く凄くうれしかった。彩香にはすごく心配された
「梨香大丈夫なの?!いつも疲れてるようにみえるよ?!
それにお酒臭いよ?!無理してない?!」
そんな彩香に私は
「すごく楽しい、楽に稼げるよ!彩香もやれば?」
そんなことばかり言っていた。もうどっぷりその生活
が当たり前になっていた。
そんなある日
いつものように学校を終えてお店に向かい、
着替えて、お客様を待っていた。
「チロリーン。」
「いらっしゃいませ♪」
そこには中年のおじ様が
立っていた。正直誰が見てもかっこいいとは
思えない顔立ち、ぽちゃっとした体型にスーツ姿で。
今日はこんなおじさんか〜。そんなことを内心思いつつ
席へと案内した。
そのお客さんはめぐみさんのお客さんだった。
めぐみさんは高いテンションで
「大谷さーん♪今日は何飲む〜?シャンパンに
しちゃおっか?♪」
大谷さんっていうんだ…
「なんでもすきなの頼んでいいよ♪」
大谷さんはすごく優しいかった。
「君、初めて見るけど名前は?」
「はい!梨香です!最近入りました。
よろしくお願いします。」と自己紹介をした。
そこかはめぐみさんはシャンパンを頼み、それを
3人で飲んで顔を赤くしながら色々な話に花を咲かせた。
「ちょっとお手洗いにいってくるね♪」とめぐみさん
が席を立ったその時だった。
「梨香ちゃんすごく可愛いね♡僕のこと好きなんでしょ?
おいで、すごく可愛い」強く手を引かれた。
私は力に負けて肩を抱かれた。そして
「ちゅっ」わたしはキスをされた。。。
びっくりして
「だめです!」と少し離れた。
そして席を立って
お手洗いに行ってたくさん口を洗いながら
ぽろぽろと泣いた。
そして笑顔で席に戻った。
そのまま1時間くらいいて大谷さんは
「はい。お小遣い。」と私の胸に1万円を挟んできた。
「悪いですよ!返します!」と1万円を大谷さんに返そうと
すると「いいから、じゃまたくるね♪」と言って
店を出ていった。
わたしはこんな大金さらっとくれるんだ…
と片付けをしながら考えていた。
この日のわたしの心はぐちゃぐちゃだった
キスをされた辛い気持ちと胸に挟まれた1万円
心の中がぎゅうっと渦を巻いた。