第五話 赤いハンカチ
ジリリリリリ・・・
カチッ!
俺は目覚まし時計を止めるとノソノソ起き始めた・・・
いつもどおり歯磨きをし、朝飯を作り、コーヒーを入れて飲む。
俺はコーヒーを飲んでいる・・・
おかしい・・・・
何がおかしいのかと言うと俺がいつもコーヒーを飲んでいると宅配員が来る筈なのに今日はこないのだ!
【京介】「昨日電話したのが良かったのかな?」
俺はおかしいと思いながらも部屋に鍵をかけて仕事に向かった・・・
いつもと同じ駅に入り、いつもと同じ電車に乗る・・・
俺は次の駅で降りて会社に向かった!
今日もまた得意先の挨拶回りだ、今日の俺はやる気があった!
新規の顧客まで見つけて外回りを終えて会社に帰って来た!
部長から珍しく誉められた!
うん!悪くない・・・・
俺は時間を見て5時になると即座にタイムカードを押して会社を出た・・・
これで彼女が居れば最高なのだが!
俺は今日もコンビニに寄った・・・
ピポポン・・ピポポン・・
【店員】「いらっしゃいませ」
俺は近所のコンビニに寄った。
雑誌を手に取りしばらく見た後、肉じゃがとビールをレジに持って行った・・
【店員】「肉じゃがが一点、ビールが一点、肉じゃがにお箸はお付けしますか?」
【京介】「いらないです」
【店員】「全部で650円になります」
俺はそれらを買うとコンビニから出た。
ピポポン・・ピポポン・・
【店員】「ありがとうございました」
あの店員の女の子いつも何かに箸を付けたがるよな~!
俺は足早にアパートに帰った!
未来の彼女に早く会いたいからだ!
カンカンカンカンカン!
アパートの階段を駆け上がり、部屋の前に着いた!
【京介】「ん?何だこれ」
ドアの隙間に1枚の紙が挟まっていた!
見ると・・・不在通知の様だ!
【京介】「ええと、何々・・お荷物をお持ちしましたがいらっしゃらない様なので後でお荷物をお持ちします・・横芝!またあいつか!!!」
あいつはまだ諦めてはいなかったのだ!
今日は時間差で来たのか!
俺はガックリ肩を落とすと・・
ガチャガチャ・・・ガチャ!
部屋の鍵を開けて部屋に入る!
バタン!
ガサガサ・・・
買ってきた肉じゃがとビールを袋から出すとパソコンの電源を入れてイスに座わった!
ピシュ!
まずビールを開けて飲む!
【京介】「ぷは~うめ~!」
そして、肉じゃがをレンジで温めると、いつもの出会い系の掲示板サイトに行き花枝さんを探した!
【京介】「後でお荷物をお持ちしますって、書いてあったけどもう遅いじかんだし今日は来ないからな!」
フレンド登録していたので来てるか一目で分かる!
俺はさっそく2チャットの申し込みを送った!
ピロリン!
OKの返事が帰って来た!
【京介】「未来の彼女か・・」
さっそく部屋に入るとさっそく俺から話してみた。
京介:こんばんわ♡
【京介】「ハートで開始だ!」
花枝:こんばんわ♡
【京介】「やっぱり花枝さんもハートで帰して来た!」
京介:本当に僕でいいんですか?
【京介】「さあ、どうだ?」
花枝:もしかして昨日の事ですか?
【京介】「夢じゃ無かっただろうな!」
京介:そうです!
【京介】「どうなんだ?」
花枝:私はもう京介さんしか見られません!
【京介】「凄いアプロ―ションだな・・」
京介:僕も花枝さんしか見られません!
チ―ン!
【京介】「ヤバイ!肉じゃがが温まった!」
花枝:付き合ってもらえますか?
【京介】「俺・・・告白されたのか?」
京介:勿論喜んで!!
【京介】「どうかな?」
花枝:嬉しくて涙が止まらないんです・・・・
【京介】「本当に可愛いな花枝さんは・・・・
京介:大丈夫ですか?
【京介】「俺も遂に彼女持ちか・・・」
花枝:大丈夫です!でも・・・涙でお気に入りの赤いハンカチがビショビショになっちゃいました!
【京介】「ははは!そこまで泣くかな普通!!」
京介:花枝さんは本当に赤い物が好きなんですね・・・
俺はパソコンの時計を見た、
午前2時55分・・・・
今日はこれで終わりかな・・
俺がいつもの様にベッドに入ろうとすると玄関のチャイムが鳴った!
ピンポン!
【京介】「嘘だろ!こんな時間に誰だよ!」
俺はドアのスコープから外を見てみた!
横芝だ!横芝が笑顔で荷物を持って立っている!
【配達員】「おはようございます宅配便です!お荷物をお届けに上がりました!」
【京介】「うわあああ!」
俺はビックリして床に倒れた!
ガチャガチャガチャガチャ!
横芝がドアノブを回している!
ピンポン!
【配達員】「おはようございます宅配便です!お荷物をお届けに上がりました!」
【京介】「何でおはようございますなんだよ!何なんだよ、こいつ!」
ガチャガチャガチャガチャ!
【京介】「うわああああ!」
俺は怖くてベッドの毛布を頭から被って横芝が諦めるのを待っていた!
スタ、スタ、スタ、スタ、
いつもの足音が聞こえた瞬間!
俺はホッとして身体中の力が抜けた・・・・
そして・・・そのまま・・・眠ってしまった・・・・・
ジリジリジリジリジリジリ!
カチ!
目覚ましを止めてノソノソ起きる・・・・・
【京介】「昨日は怖かったな・・・・」
京介が玄関に歩いて行くと・・・・・・
荷物が置いてある!
【京介】「どうやって中に入って来たんだよ!」
取り合えず荷物を開けてみる!
ガサガサ・・・・・
赤いハンカチ・・それもビショビショに濡れている!
【京介】「何で俺の所にこんな物が届くんだ・・・」
俺の頭は少しずつ恐怖でおかしくなっていった!