第三話 赤い口紅
ジリリリリリ・・・
カチッ!
俺は目覚まし時計を止めるとノソノソ起き始めた・・・
いつもどおり歯磨きをし、朝飯を作り、コーヒーを入れて飲む。
俺がコーヒーを飲んでいると玄関のチャイムが鳴った!
ピンポン!
【京介】「は~い」
何だろ?こんな朝早く・・・
【京介】「どちらさん?」
【配達員】「おはよう御座います宅配便です!お荷物をお届けに上がりました!」
【京介】「またかよ・・・はい、今開けます!」
ガチャ・・・・・
ドアを開けるとまた背の高い男の配達員が荷物を持って立っていた!
【配達員】「お受け取りに判子か、サインを頂けますか?」
【京介】「サインでいいよ」
俺は受取にサインをした・・・
また顔を見たが帽子を深く被っているので目は見えない!
【配達員】「有難うございました!では失礼いたします!」
スタ、スタ、スタ、スタ、
やっぱり何だか軍人みたいな背筋のピンと伸びた人だ!
俺は送り主を見たが名前が無い・・・
【京介】「また匿名か・・」
ガサガサ・・・・
中を開けて見ると・・・・
赤い口紅だった!
【京介】「何だこりゃ!しかも使いかけだぞ!」
何で俺の部屋に使いかけの口紅が送られて来たのか意味が解らなかった!
俺はおかしいと思いながらも部屋に鍵をかけて仕事に向かった・・・
いつもと同じ駅に入り、いつもと同じ電車に乗る・・・
俺は次の駅で降りて会社に向かった!
今日もまた得意先の挨拶回りだ、本当に嫌になる・・・
それでも頑張って外回りを終えて会社に帰って来た!
俺は時間を見て5時になると即座にタイムカードを押して会社を出た・・・
やっぱり彼女も居なければ友達も居ない!
そんな俺が寄れる所はコンビニぐらいだろう・・・
ピポポン・・ピポポン・・
【店員】「いらっしゃいませ」
俺は近所のコンビニに寄った。
雑誌を手に取りしばらく見た後、コンロで温めるモツ煮とビールをレジに持って行った・・
【店員】「モツ煮が一点、ビールが一点、モツ煮にお箸はお付けしますか?」
【京介】「いりません」
【店員】「全部で750円になります」
俺はそれらを買うとコンビニから出た。
ピポポン・・ピポポン・・
【店員】「ありがとうございました」
俺は足早にアパートに帰った!
何故なら花枝さんに早く会いたいからだ!
カンカンカンカンカン!
アパートの階段を駆け上がり、部屋の前に着いた!
ガチャガチャ・・・ガチャ!
部屋の鍵を開けて部屋に入る!
バタン!
ガサガサ・・・
買ってきたモツ煮とビールを袋から出すとパソコンの電源を入れてイスに座わった!
ピシュ!
まずビールを開けて飲む!
【京介】「ぷは~うめ~!」
そして、モツ煮をコンロで温めると、いつもの出会い系の掲示板サイトに行き花枝さんを探した!
【京介】「お、いたいたもう来てるな!」
フレンド登録していたので来てるか一目で分かる!
俺はさっそく2チャットの申し込みを送った!
ピロリン!
OKの返事が帰って来た!
【京介】「よし!花枝さん待っててね!」
さっそく部屋に入ると今度は俺から話してみた。
京介:こんばんわ!
【京介】「最初はこんな感じかな・・」
花枝:こんばんわ♡
【京介】「お、今日もハートで帰って来た!」
京介:今日はお互いの事を話しませんか?
【京介】「さあ、どうだ?」
花枝:お互いの事ですか?
【京介】「ヤバイ!機嫌損ねちゃうぞ!」
京介:無理だったらいいですよ
【京介】「これでフォローはしたぞ!」
花枝:全然大丈夫ですよw
【京介】「お、怒ってないな!よし」
京介:僕は今日も仕事から帰って来たばかりなので、独りで寂しくビールを飲んでいます
【京介】「ヤバイ!モツ煮が出来た!」
花枝:こんなに遅くまでご苦労様です!私はお化粧の練習中です
【京介】「可愛いな!・・・ヤバイ想像しちゃった」
京介:上手く出来そうですか?
【京介】「どうかな?」
花枝:やっぱり難しいですね、特にお気に入りの赤い口紅が上手く塗れなくて・・・買ったばかりなのに半分も使っちゃいました!
【京介】「赤い口紅か・・・・ん?」
確か何処かで見た様な・・・
ガサガサ・・・
俺は朝来た宅配便の口紅を見た!
赤い口紅で量も半分くらいだ
・・・
ま、偶然だろう・・・
京介:赤い口紅ですか、そう言えば今日変な宅配便が赤い口紅を送ってきたんですよ!
変ですよね?
俺はパソコンの時計を見た、
午前2時55分・・・・
確か昨日はこの時間に花枝さんが返してこなかったんだよな!
あれから一時間経ったがやっぱり花枝さんからの返信は帰ってこない!
【京介】「やっぱりこの時間か、何故なんだろ?」
ルームにはまだ花枝さんは居る事になっている!
俺はまたパソコンの電源を付けたままベッドに入り眠る事にした・・・