第二話 赤いハイヒール
ジリリリリリ・・・
カチッ!
俺は目覚まし時計を止めるとノソノソ起き始めた・・・
いつもどおり歯磨きをし、朝飯を作りコーヒーを入れて飲む。
俺がコーヒーを飲んでいると玄関のチャイムが鳴った!
ピンポン!
【京介】「は~い」
何だろ?こんな朝早く・・・
【京介】「どちらさん?」
【配達員】「おはよう御座います宅配便です!お荷物をお届けに上がりました!」
【京介】「はい、今開けます!」
ガチャ・・・・・
ドアを開けると背の高い男の配達員が荷物を持って立っていた!
【配達員】「お受け取りに判子か、サインを頂けますか?」
【京介】「・・・サインで」
俺は受取にサインをした・・・
顔を見たが帽子を深く被っているので目は見えない!
【配達員】「有難うございました!では失礼いたします!」
スタ、スタ、スタ、スタ、
何だか軍人みたいな背筋のピンと伸びた人だったな・・・
俺は送り主を見たが名前が無い・・・
【京介】「誰からだろ?」
ガサガサ・・・・
中を開けて見ると・・・・
赤いハイヒールだった!
【京介】「何だこりゃ!しかも中古っぽいな」
何で俺の部屋に中古のハイヒールが送られて来たのか意味が解らなかった!
俺はおかしいと思いながらも部屋に鍵をかけて仕事に向かった・・・
俺の部屋は2階建てアパートの角部屋だ、角部屋だから広々使えて気に入っている。
いつもと同じ駅に入り、いつもと同じ電車に乗る・・・
俺の会社は一駅なので通勤には便利だ!
仕事はコピー機のメーカー会社に勤務している。
成績は下から数えた方が早い!
今日もまた得意先の挨拶回りだ、本当に嫌になる・・・
それでも頑張って外回りを終えて会社に帰って来た!
俺は時間を見て5時になると即座にタイムカードを押して会社を出た・・・
彼女も居なければ友達も居ない!
そんな俺が寄れる所はコンビニぐらいだろう・・・
ピポポン・・ピポポン・・
【店員】「いらっしゃいませ」
俺は近所のコンビニに寄った。
雑誌を手に取りしばらく見た後、冷奴と、焼鳥と、ビールをレジに持って行った・・
【店員】「冷奴が一点、焼鳥が一点、ビールが一点、冷奴にお箸はお付けしますか?」
【京介】「いりません」
【店員】「全部で1080円になります」
俺はそれらを買うとコンビニから出た。
ピポポン・・ピポポン・・
【店員】「ありがとうございました」
俺は足早にアパートに帰った!
何故なら昨日の女の子が気になったからだ!
カンカンカンカンカン!
アパートの階段を駆け上がり、部屋の前に着いた!
ガチャガチャ・・・ガチャ!
部屋の鍵を開けて部屋に入る!
バタン!
ガサガサ・・・
買ってきた冷奴とビールと焼鳥を袋から出すとパソコンの電源を入れてイスに座わった!
ピシュ!
まずビールを開けて飲む!
【京介】「ぷは~うめ~!」
そして、いつもの出会い系の掲示板サイトに行き花枝さんを探した!
【京介】「お、いたいたもう来てるな!」
昨日のうちにフレンド登録していたので来てるか一目で分かる!
俺はさっそく2チャットの申し込みを送った!
ピロリン!
OKの返事が帰って来た!
【京介】「よし!花枝さん待っててね!」
さっそく部屋に入ると今度は俺から話してみた。
京介:こんばんわ!
【京介】「最初はこんな感じかな・・」
花枝:こんばんわ♡
【京介】「お、ハートで帰って来た!」
京介:結構大胆なんですねw
【京介】「さあ、どうだ?」
花枝:いけませんか?
【京介】「ヤバイ!機嫌損ねちゃうぞ!」
京介:僕は大歓迎です♡
【京介】「俺もハート送ったぞ!」
花枝:大胆なんですねw
【京介】「俺もしかして試されてる?」
京介:今何してます?
【京介】「とても知りたいぞ!」
花枝:今お風呂からあがったばかりなので、髪をドライヤーで乾かしています
【京介】「お風呂・・・ヤバイ想像しちゃった」
京介:僕は今仕事から帰って来たばかりなので、独りで寂しくビールを飲んでいます
【京介】「どうかな?」
花枝:お仕事お疲れ様です!あ、そうそう聞いてください!私今日デパート行って靴を買っちゃいました~
【京介】「靴を買っただけでこんなに喜んでいるなんて、なんて可愛いんだ!」
京介:どんな靴ですか?
【京介】「きっと可愛いい靴なんだろうな・・」
花枝:赤いハイヒールでお花のワンポイントが付いています!
可愛いでしょ?
【京介】「赤いハイヒールでお花のワンポイントか・・・・・ん?」
確か何処かで見た様な・・・
ガサガサ・・・
俺は朝来た宅配便の靴を見た!
赤いハイヒールでお花のワンポイントが付いている・・・
ま、偶然だろう・・・
京介:可愛いですね!他には何か買ったんですか?
俺はパソコンの時計を見た、
午前2時55分・・・・
確か昨日はこの時間に花枝さんが返してこなかったんだよな!
あれから一時間経ったがやっぱり花枝さんからの返信は帰ってこない!
【京介】「何であの時間になると返信してくれなくなるんだろう?」
ルームにはまだ花枝さんは居る事になっている!
俺はまたパソコンの電源を付けたままベッドに入り眠る事にした・・・